菅野完のレビュー一覧
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1.緊急事態条項の追加
非常事態に際し、「三権分立」「基本的人権」等の原則を一時無効
化し、内閣総理大臣に一種の独裁権限を与えるというもの。
2.家族保護条項の追加
憲法13条の「すべての国民は、個人として尊重される」文言と、憲法
24条の「個人の尊厳」の文言を削除し、新たに「家族保護条項」を追加
するというもの。
3.自衛隊の国軍化
憲法9条2項を見直し、明確に戦力の保持を認めるというもの。
安倍晋三のブレーンに名を連ねる伊藤哲夫が代表を務める「日本政策
研究センター」がセミナーで公表した憲法改正のポイントである。
自衛隊の国軍化よりうすら寒いのは、その前の2 -
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今更ながら、話題の本をやっと読んだ。
現閣僚の8割がこの関連団体に所属するとされ影響力が大きいだろうというのに、メディアでは断片しか報道されない。その団体の成り立ちや活動を、刊行物や証言等のエビデンスをとりながら、ファクトを積み上げていくことで論証していく。
現政権の動きの背景が少しわかった気になる。
読書メモ
1章 日本会議とは何か
皇室中心、改憲、靖国参拝、愛国教育、自衛隊海外派遣
宗教団体の多様性
2章 歴史
日本を守る会 生長の家
生長の家の学徒→民族派学生運動→日本青年協議会→日本会議の事務局
村上正邦
靖国神社国家護持法案の失敗
靖国問題の端緒は、政治と宗教
3章 憲 -
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「日本会議」という名前だけは聞いたことがあったけれど、その実態がよく分からなかった。
学生運動に端を発してできた団体、宗教団体から派生した団体が、「日本会議」を支えており、実質的な権力を持った実態である。
なんとなくざっくりとは分かったけれども、彼らの憲法に対する考え方などの価値観が全く理解できないため、どうしてそこまでするのかがよく分からない。
日本会議の成り立ちは分かっても、中の人の成り立ちが分からない。もちろん(本書に登場するように)個々人の生い立ちの中で、右傾化していったのであろうが、それは時代錯誤で非民主的だ。
しかし、そんな彼らの草の根運動が結実しようとしている。これはとても恐ろし -
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「日本会議」というタカ派団体の存在を知るも、その詳細がよくわからず、今更ながら簡単な本を読んでみた。
内容にやや偏りがあるも、おおよそ日本会議の実態、由来、また森友学園との繋がり等を知ることができた。
自身はこの団体の思想/信念をまったく理解することができないし断固支持しないが、こういった信念/思想の価値観の持ち方については子供時代の生活環境や家族の影響によるところが1つに大きいのかなと思った。
現在、日本会議に参加する自民党議員は250人強、憲法改正に賛成するか/しないか、戦争を完全に否定しないか/するか、個人がしっかり自分自身で責任をもって情報を集め、考え、そして判断することが何より -
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様々な批判を浴びつつも、政治的に安定勢力となっている安倍自民党。
安倍首相はじめ、多くの政治家が日本会議なる団体と繋がりがあることはよく知られていると思う。
また、日本会議関係者に対し、国が(政治家の力利用したように思えるが)便宜供与して要るような姿も散見される。
その、日本会議の設立の歴史、思想信条、そして新興宗教団体との繋がりなど、多区の角度から分析している、
それも、過去の歴史ではなく、今進行中の歴史として。
私はどうも好きになれないが、題名通り日本会議という秘密結社のような団体を学ぶためには、コンパクトにまとめられた良い本なのではないかと思う。
日本が何かわけのわからない団体に乗っ取 -
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「どこまで本当なのだろう?」と思いながら、ページを繰った本である。しかし著者の文献の渉猟度合いや、取材のやり方などから、それなりの信憑性はあるであろうと推察される。
著者は新左翼と対比しながら日本会議を検討している。いわゆる「左派・インテリ」は署名運動や政治家への働きかけを「ばかばかしい」として唾棄してしまった、と著者は論ずる。しかし日本会議に伍している活動家は、その署名運動や政治家への働きかけを必死にやっている。皮肉なことにそれは、極めて「民主主義的」なやり方である。地方議会や議員に、国政に関わるような質問状や陳情を送っているのは、日本会議が関わっていると彼は断ずる。たしかに地元の市議会でも