山田雄司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
三重大学の教員たちによる忍者研究。
様々な分野から多岐にわたる忍者・忍術の姿を解き明かす。
・『忍者学研究』出版にあたって 伊藤正明
序章 「忍者学」の「研究」とは? 山田雄司
第一章 忍者が駆使した薬の知識 山本好男
第二章 藤堂藩の忍者たち 高尾善希
第三章 アナログ忍者ゲームの世界 吉丸雄哉
第四章 あぶり出しと水出しの実験 加藤 進
第五章 中世の伊賀者研究より 藤田達生
第六章 古の忍者研究資料 酒井裕太
第七章 火器を再現してみる 荒木利芳
第八章 将軍御成と忍び 池ノ谷匡祐
第九章 クナイの再現を試みた 馬場創太郎
第十章 現代の忍者とトレンド 福島嵩仁
第十一章 丸山城の謎を探る 伊藤裕偉
第十二章 忍術の実践 川上仁一
・おわりに――忍者学ブームでござる 山本哲生
・三重大学国際忍者研究センター長より
――マンガと忍者 藤田伸也
コラム1~11
史料を駆使しての真面目な忍者学術研究を紹介する。
寛政一揆の伊賀者による探索、神君伊賀越えは甲賀越え?
未完成の丸山城と織田家VS伊賀など、
史料から探る歴史があれば、
あぶり出しと水出しを実験し科学で検証、
炮烙火箭、大国火矢、火薬使用の松明などの再現実験、
材料工学を利用してのクナイの強度設計と製造など、
史料から実体を探り、実験で考証する研究もある。
大正時代の忍術絵すごろくや戦後のボードゲーム、RPGなどや、
社会的な見地から忍者トレンドを探るなども興味深い。
コラムも、コサック戦士の中でも特殊なプラストゥーンの
存在や、忍者の気象予測術などに驚き。
忍者としての研究の視点が広範囲で、面白かったです。
また、先生方が忍者風の頭巾等を付けているのが、お茶目。 -
Posted by ブクログ
映画やマンガ、ゲームなどの影響が強い忍者のイメージが世間一般にある。いまだに本来の忍者とは何だったのか不明なところが多いようで、その歴史を研究した本。
忍者、というよりスパイに相当する役割は紀元前の遥か昔からあり、孫子の兵法にも「間諜」が出てくる。日本でも、平安時代あたりから諜報活動の重要性から存在していたようだ。
最も忍者が活動していたのはやはり戦国時代。しかし現代のイメージとは異なり、傭兵だったり武士の中の一部だ。それが泰平の世になり、武士同様に警護職に就く傍ら、権威付けと精神性の向上に向かい、宗教感や日本人の民族性と絡み合ってエンターテイメントに繋がっていったようだ。
暇になった武士が権威付けに邁進していった構図と似てるのか…と少しがっかりしつつも、創造力を膨らませて日本の文化の一つとしてエンターテイメントにしていった人達の功績を評価したい。