山田雄司のレビュー一覧
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洋の東西を問わず大人気のキャラクターといっていいだろう、NINJA。様々な映像作品に出てきて、敵の城に忍び込み、お姫様を救出する。
そんな派手なキャラクターとしての忍者ではなく、戦国時代から江戸時代へ、そして陸軍中野学校から現代に続く、本当に存在した忍者についての解説書。
忍者の重要な仕事は、戦国の世にあって、敵の情報を手に入れること。そして、その情報を主君に届けること。
そのためには、なるべく敵に気付かれず、万一みつかってしまったら、戦うのではなく逃げる。潔く死んでしまったら仕事は果たせない。みじめでもなんでもいいから生き延びて、情報を伝える。
そんな本物の忍者の姿を、現存する文献資料 -
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日本の怨霊という概念がいかにして生まれ、歴史や文化にどんな影響を与えたのか。
はじめ中世の死生観、死後の世界観を紐解き、怨霊という概念の位置付けを明らかにする。そして、日本の三大怨霊とともいうべき菅原道真、平将門、崇徳院のそれぞれについて、その失意の死の経緯からそれが怨霊として認識される過程、そして後世への影響をたどる。最後に三大怨霊以外の怨霊や近世・近代の怨霊観を概観する。
怨霊というキー概念を設定し、そこからみた中世史という切り口は面白いし、広範な資料を提示した力作だとは思う。ただ、あまりにも資料の羅列感が強くて、そこから何が読み取れるのかという考察が薄い。だから、例えば菅原道真らがなぜ -
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<目次>
第1章 霊魂とは何か
第2章 怨霊の誕生
第3章 善神へと転化した菅原道真
第4章 関東で猛威をふるう平将門
第5章 日本史上最大の怨霊・崇徳院
第6章 怨霊から霊魂文化へ
<内容>
怨霊の日本史について、菅原道真・平将門・崇徳院を取り上げている。読みやすいのでスイスイと読めるが、中身が薄い気がする。道真も将門も怖さを感じないし、「最大の」名うたれた崇徳院も、怖さの微塵もない。それは著者の筆致によるものだろう。
怨霊は、政変や戦乱がきっかけと著者はいい、江戸時代はそうしたものは少なかったので、怨霊文化は衰退し、明治以降は「怨親平等」の思想が広まり、明治期まで続くという。