柳瀬みちるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
神保町のビルで喫茶店「喫茶ソウセキ」をオープンした緒川千晴。ビルのオーナーは作家の葉山先生。
喫茶店の店長と書けなくなった作家先生の物語は
「喫茶ソウセキの漱石カレー」に作家先生が
「これの、どこがどう漱石だ?」から始まる。
短編を重ねながら、2人の関係は歩み寄られ
関係と美味しいカレーが作られていく。
夏目漱石や林芙美子の名作文学の概要と並行して
織り成される2人が乗り越える謎や悲しみには
人の想いが乗っていてついつい頁をめくり続けてしまった。
カレーの描写も丁寧でつやつやで堪らない。
続編から読んでしまって気になっていた1冊を
やっと読むことが出来た。
神保町、古書店、カレーと、読 -
Posted by ブクログ
「カレーは別腹だ、カレーのおかずがカレーでもいいぐらいだ」こんな迷言を繰り出すのは作家の葉山トモキ先生。
葉山トモキ先生がオーナーを務める神保町のビルで
カレー店と間違われる喫茶店「喫茶ソウセキ」を営む緒川千晴。
ある時から、喫茶ソウセキは嫌がらせを受ける。
どうやら、今大人気のVTuber、大辛シムロの熱狂的ファンたちの仕業らしい。
千晴は、嫌がらせを受ける理由を知るため
葉山先生は千晴の作るカレーをこれからも食べるため大辛シムロに繋がる糸を手繰り、謎に挑んでいく…
というお話から始まり、神保町の古書店店主との
物語に繋がっていき、なかなか面白く読んだ。
文豪の話や、「言葉の時代性」「放 -
Posted by ブクログ
昔かけてもらった魔法のために、絵本作家志望の青年は
子供の事に行った店を訪ねる。
同じ空間なのに、違う店になっているという
まか不思議な状態。
それが何故なのかという疑問と、己の夢をどうするかと
揺れ動く主人公。
目指しているものは、捨てるか目指すしかなくて
本人が無理なら、捨てる選択はないのでは、と。
それは、店主にも言えることでしたが。
常連客によって流れてくる事件。
そして博識のある店主は、何故そんな事まで
知りえるのか。
それが分かった時、切ないとはいえない
微妙な気持になってしまいました。
現実から目をそむけてどうにかしようという気持ち。
双方にある気持ちですが、乗り越えねばなら