あらすじ
神保町の一角で、駆け出しシェフの千晴が開店した喫茶ソウセキ。看板メニューは「漱石カレー」だ。イケメン新人作家として作品も大ヒットした小説家の葉山は、漱石カレーを食べて「漱石のことを何も知らない」と酷評。作り直すよう指示してくる。一方で葉山は、とある作家のことを気に病んでおり、ついには自殺願望を抱き始めるまでに……。不自然なまでに葉山の鬱病が進行していくことに疑問と不安を抱いていた千晴は、漱石カレー改良のために読んでいた『三四郎』をヒントに、真相を突き止め――。さらに、おばあさんが店に忘れていった古書の謎、名店と同じ味がするカレーの謎、そして、千晴の祖父が残した遺産の謎。カレーを作り古書を読みながら、千晴と葉山が美味しいミステリーを作ります。
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Posted by ブクログ
再読。まったく覚えていなくてビックリ!相当面白いし結構なミステリーも孕んでいるのに。読みやす過ぎる文体のせいか?しかし、続編が出たのをキッカケにもう一度読みたいと思えたのだから結果オーライ。
Posted by ブクログ
神保町にある喫茶ソウセキの店主が人気作家と共に、店に持ち込まれる様々な謎を解き明かしていく。解決後は新作カレーも増えていく…という、ちょっと面白い流れ。読んでいると文豪の作品も読みたくなるし、カレーも無性に食べたくなる。4話収録されているが、実は繋がっていて、後半から伏線がどんどん回収されていくのが気持ち良い。最後は大団円となり、爽やかな読後感。続編も楽しみだけど、すっかりカレー屋として定着していることが心配。
Posted by ブクログ
文豪と古書の話は私の大好物の一つです。
さらにカレーと謎解きのスパイスも
きいている。
もう、読書心と胃袋を鷲掴みされました。
でも、なぜ神保町といえばカレーなのだろう?
調べてみたら、明治時代に大学が多く創設されて書店が増えたことから、本を片手にスプーン一本で簡単に食べられるということで需要が高まった様です。本の虫のおかげかな。
本の聖地でカレーの激戦区でもある神保町で喫茶ソウセキの店主千晴と、ある事件がきっかけで書けなくなった小説家の葉山が古書やカレーに携わる謎を解いていく物語。
全4話の短編で各話ごとに文豪や名作、カレーが絡んでいて作家の謎、暗号、パクり疑惑等、謎が次から次へ湧いてくるから夢中になってしまう。
文豪や名作のエピソードも意外な一面があったり知らない作品もあり興味を惹かれる。
気付かないだけでいろいろなオマージュも織り込んでいるかもしれない。
各章ごとに文豪に因んだカレーの種類が増えて
いき、「漱石のことを何も知らない」と言っていた葉山もすっかり餌付けされ胃袋を掴まれてしまった変わりようには笑える。
やはり美味しい食べ物には勝てないよね。
スパイスの香りがしてきそうなカレーの細かい描写にも食欲をそそられ、どのカレーが食べたいか迷ってしまう。
う~ん、やっぱり正岡子規の「思ひ出カレー」かな。
柿が入っているのがほんのり甘くて美味しそう。
前半で気にもとめていなかったことが最後は繋がっていて驚かされました。
宝も意外だったし。
案外、千晴が葉山から掴んだのは胃袋だけじゃなかったかも、なんて勝手に妄想したりして。
白浜先生のその後も気になるし。
結局、千晴がラストでいったように、みんな「迷へる子」(ストレイ シープ)だったのかな?なんて気がします。
続編はどんな文豪や名作、カレーが出てくるのか楽しみです。
Posted by ブクログ
葉山とちはるの素敵なコンビがどんどん好きになる作品。
途中気持ちが中弛みしそうになったり
おじさんが嫌な人すぎてモヤモヤしたりとあったけど、
それも含めてちはるの日々を追体験しているみたいだった。
料理のセンスが素敵だから、
もっとたくさんのカレーを見てみたい!
Posted by ブクログ
旅のお供として。初読みの作家さん。こういう文庫に多い、食べ物が出てきて、日常の謎系の連作短編集って読んだ端から頭に何も残らないよな、と思いつつ読んだけど、意外と面白かったわ。ちょうど別の明治・大正の文豪ものと並行に読んだのもあるかも。主人公の決断力のなさにはほんとにイライラするし、そんなやつが店を開くなんてできるか?と思ったり。あと父との確執の話は結局明かされないのかとか。まさか連れ子だからってのは理由にならないでしょ。もしかしてこれも続編が出てるのか?今調べたらちゃんと出てたわ。正直文豪に詳しくはないし、ちゃんと読んだこともほぼないし、カレーもそんなに好きではないけど、それでも思ったよりは面白かった。と失礼な感想だわ。
Posted by ブクログ
文豪の古書を巡る謎と舞台である喫茶ソウセキで出されるオリジナルカレーが魅力的で、ビブリオ×グルメミステリーの形は「『ビブリア古書堂』シリーズが好きな自分にピッタリだ。」「漱石カレー、百聞カレー、思ひ出カレー、石油カレー、全部のカレーが気になる。」という面白さと空腹感が一緒になった読後感だった。
Posted by ブクログ
お話は割と重苦しい感じがあるんですが、漱石をはじめとした文豪たちにちなんだ色々なカレーが登場して面白い。
あとがきもないので作者が実際に作中のカレーを作っているのかわかりませんが、レシピを公開してほしい。
Posted by ブクログ
古書好きです。タイトル、装丁もいいですね。
謎に深みもありますが、ほっこり感もありながら楽しく読ませていただきました。寝る前の読書にも◯。
続編出ないのかなー。
Posted by ブクログ
文豪が愛した食材や料理を基に作るカレー…
絶対に美味しいです!
大家さんの作家先生の無気力ぶりがすごい…
先生を取り巻く環境…色々ありすぎて情報整理が追い付かない…
とりあえず、カレーは正義!
Posted by ブクログ
葉山さんみたいな一癖あるキャラ大好きなんですよ。
それを餌付けする的な構図も大好物。
葉山さんがとっさの時に千晴に電話してしまったのは、胃袋をつかまれていたから?生きる=食べる的な連想?
関係性もかなり初期だったので意外だった。
いろいろ家族の謎も明らかになっていったものの、最後はかなりかけあし気味で、そこが少し残念。
Posted by ブクログ
「ソウセキ(夏目漱石)」、「文豪」という言葉に惹かれて購入。
「文豪」、「古書」、「謎解き」が【カレー】という一見結ばれなさそうな縁で結ばれている印象。1話完結のお話かと思いきやそれぞれの要素が絡み合って、1つのお話になっている構成。
時折、文豪に関する知識も挟まれているため文豪とカレーの関係性も物語の良いアクセントに。
カレーはもちろんのこと情景描写がかなり細かく書かれている印象。主人公の作中で感じた疑問の全てに綺麗に答えか出ていないことに少々モヤモヤしたけど、続刊ありの布石…??
カレーの描写がかなり緻密に描かれていておすすめ。
空腹時の読書には注意しながらも読みたい1冊。
Posted by ブクログ
多分コージーミステリー?
カレーとスパイスと文豪の話が面白かったですが、最初の話に出てきた犯人と主人公の父親がいまいちよく分からないというか。
特に父親。上手く言えないんですが、確執があるように書いてるけど、そんな人物にみえないというか…
主人公の思い込みでしかないように感じる。
あと、解決の仕方が中途半端。謎は解けたけど、そのあとどうなったの?みたいな。もやもや感が残る。
主人公の家族関係をテーマにしないで、周りで起きる事件を解決するでだけの方がよかったんじゃないかと思いました。
Posted by ブクログ
神保町のビルで喫茶店「喫茶ソウセキ」をオープンした緒川千晴。ビルのオーナーは作家の葉山先生。
喫茶店の店長と書けなくなった作家先生の物語は
「喫茶ソウセキの漱石カレー」に作家先生が
「これの、どこがどう漱石だ?」から始まる。
短編を重ねながら、2人の関係は歩み寄られ
関係と美味しいカレーが作られていく。
夏目漱石や林芙美子の名作文学の概要と並行して
織り成される2人が乗り越える謎や悲しみには
人の想いが乗っていてついつい頁をめくり続けてしまった。
カレーの描写も丁寧でつやつやで堪らない。
続編から読んでしまって気になっていた1冊を
やっと読むことが出来た。
神保町、古書店、カレーと、読書好きには堪らないこのシリーズがこれからも楽しみになる1冊。
もちろん、明日の献立はカレーライス。
Posted by ブクログ
カレーが名物の喫茶店の周りで巻き起こる様々な謎に店主と人気作家が挑む全4話の短編集。
とはいいつつも、各話が裏で繋がっているのはしっかりと構成が考えられていたのでしょうね。
どの話も文豪とカレーが絡んでおり、昔からの人気メニューだったことが伺えます。
しかし話が進むごとに新メニューが増えていくのは笑いましたw
私もカレー食べに行こうかなあ。
Posted by ブクログ
初めて読んだ作家さんでしたが、面白かったです。
文豪の漱石や正岡子規などにちなんだカレーや文豪の作品も出てきて、作品を読んでみたくなりました。
登場するカレーも気になりました。
Posted by ブクログ
カレー激戦区で、家主の意向により
絶対にカレーを出さねばならない店に。
それで借りれるならありがたいもの、ですが
何故カレー? と思っていたら、すぐに解けました。
人様の謎を解いていきながら、カレー商品増やしながら
家主と騒ぎながら、な、突っ込みがいがある話です。
最後の方、全伏線回収、という感じなのですが
こんなさくっと思わぬ方向から終了、というのは
拍子抜けでした。
Posted by ブクログ
神保町にある喫茶店の店主が主人公のミステリー。
カレーのレシピに文豪のエピソードを絡めたショートストーリーだが最後にすべての話が繋がるという作品。
ただ、最後の最後にちょっと結末がどんでん返しというか切ない落ちだったのでちょっと消化不良気味でした。