松本百合子のレビュー一覧

  • うけいれるには

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    障害を持ったこどもと向き合う長男、長女、末っ子のものがたり。親の気持ちはほとんど描かれておらず、
    子供からの目線のみ。

    「普通」と「障害」の境界線が分断したり融合しながら、それぞれの想いが綴られている。

    “世間”から自らを閉じたり、逆に飛び出していったり、自分の役割を考えたり、三者三様で、人格形成に大きな影響を及ぼしていて読んでいて興味深かったし、苦しかった。

    障害を持った子どもに目を向けがちだが、
    その兄弟姉妹のケアも同じくらい重要だと感じた。

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    2025年09月26日
  • ゆっくりたっぷりパリ暮らし

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    松本 百合子
    上智大学仏文科卒。商社OL、女性誌ライターを経て翻訳者に。2001年よりパリに暮らす。夫はフランスのグランシェフ、ドミニク・ブシェ氏。パリ8区と東京・銀座のレストラン「ドミニク・ブシェ」では、マダムとしても活躍している。訳書にラボリ『かもめの叫び』(角川文庫)、スアド『生きながら火に焼かれて』(ヴィレッジブックス)、『Kitano par Kitano: 北野武による「たけし」 』(早川文庫)など多数。

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    2025年02月03日
  • うけいれるには

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    石がストリーテラーとなり、
    家族の物語を繊細な文章で綴られてる。

    万が一、障害のある子どもを産んでも、
    親は一生懸命育てるだろう。
    でも、兄弟姉妹にとっては、
    また違った思いが生まれる。
    障害の重さや種類によっても違うだろう。
    それは、たぶん、意思疎通ができるかどうか。
    目を合わすことも、感情を表す事もままならない子どもに、幼い兄妹はどうしていいかわからない。
    長男のように、のめり込みすぎて自分を失うか、反対に長女のように、拒絶的に嫌うか。
    どちらも心の成長に大きな影響を与える。
    障害のある子どもを持った場合、その子の兄弟姉妹にもいっそう思いを寄せてあげなければ、すべての我が子達を失いかねな

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    2023年07月11日
  • うけいれるには

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    フランス 高校生が選ぶゴングール賞、日本ゴングール賞
    障がいのある子ども、家族 兄、妹、末っ子
    家族の再生、自然への共感、はるか昔からある石
    読んでいる間、静謐な空気に包まれていました

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    2023年07月11日
  • 夜の少年

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    父親の苦悩と悲しみが波のように襲ってくるように感じた。
    ひとことで言うと辛い、だろうか。

    妻を病気で亡くした後、二人の息子を育てる私、というように父親のひとり語りで始まる。

    父親の気持ちが切々と綴られていて、父親の視点でしか知り得ない物語だったが、ラストの父さんへというフスの手紙で胸を締めつけられた。

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    2023年07月05日
  • うけいれるには

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    父と母、兄と妹の4人家族に、弟が産まれた。彼には障がいがあった。目が見えず、四肢は動かなかった。小児科医は、こうした子の寿命は3年だと言った……。その後の家族に起こったことを“石”が語る風変わりな物語だ。
    第1章では活発でリーダー的な存在だった長男が、ある日を境に献身的に弟の面倒をみるようになる。第2章は弟が破壊した幸福な家族に反発する長女の姿が描かれる。第3章には思いがけず誕生した末っ子が登場し、次男の遺したものを通して家族を再生していく。
    彼らには家族の役割でしか名前がない。それがこの物語を普遍的なものにしている。ただ生きているだけの存在がもたらしたのはなにか。心に深く沁みる物語だった。

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    2023年04月28日
  • 夜の少年

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    父親の気持ちが痛いほど伝わり苦しくなる。息子とどう接したら良いのか分からない父親の葛藤、逡巡が手に取るように分かる。
    子どもと一心同体の蜜月時期を過ごした経験のある者ならば、子どもが見知らぬ他人のように理解できない存在になってしまう哀しみ、寂しさに共感してしまう。
    子どもが親の求める姿の許容範囲を越えた時、失望し言葉を失う、会話は途絶え、沈黙…けれど見捨てることなどできない。親だから、子どもだから。
    その関係は哀しい、けれど愛しい。

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    2023年01月24日
  • ゆっくりたっぷりパリ暮らし

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    『それでも暮らし続けたいパリ』を読んでいましたが、好きな作品のため、加筆修正され文庫化ということで購入しました。

    日々の生活の中で、困ったり不自由なことがたくさんあるけど、そういったものもすべてまとめて、パリという街、人、文化すべてを愛し、生活を楽しんでいらっしゃるなぁと改めて感じました。

    フランス女子と日本女子の美容意識の違い、家電製品の轟音が面白かった!
    さっぱりとして切り替え上手なフランス人、一緒にいると振り回されることも多々ありそうだけど、そんな生き方には少し憧れるし、周りにいると楽しそう!

    以前、パリで暮らす女性の密着番組にご出演されておられましたが、笑顔の優しい素敵な女性で、

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    2019年01月26日
  • それでも暮らし続けたいパリ

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    さすがパリ在住15年、イメージしていたパリの雰囲気がそのまま感じられる本でした。私もパリで暮らしてみたい。パリじゃなくても日本以外の街で生活して、思いっきり異文化を体験してみたい。とりあえず、パリシリーズはここで小休止にします。

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    2019年01月04日
  • うけいれるには

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    舞台はフランス。両親と長男、長女の4人家族に3人目の子どもが生まれた。赤ん坊の頃は、愛らしく気づかなかったが、重度の障がいがある子どもだった。
    一章はかいがいしく次男の世話をする長男、二章はそんな長男に反発し不満を爆発させていく長女、そして三章は次男の死後生まれた三男を中心に、それぞれの障がいのある家族を受け入れる過程を家族が暮らす家の石が語る。

    時々メディアで障がい者の兄弟がいる子どもについて取り上げられることがあるが、それぞれに思いは違うのだろうとは感じていた。この本は、三者三様の対応を書き分け、秀逸だと思った。読後に温かい気持になれた。

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    2024年04月08日
  • うけいれるには

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    障害児の生まれた家族の、その兄弟たちの内面や行動が石の視点から描かれている。三者三様の反応だが、辛い時を経て、確固たる家族へと繋がっていく。

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    2024年03月31日
  • それでも暮らし続けたいパリ

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    韓国にハマる15年くらい前まではフランスが好きだった。今でも好きだけど遠いので長らく足が遠のいている。何の気なしに取ったパリ暮らしの著者のエッセイ。知らなかったけど、著者の松本百合子さんは著名なシェフ、ドミニク・ブシェ氏の夫人であり、翻訳家でもあるそう。
    パリ暮らしのエッセイというと鼻につくのもままあるものだけど、この本はそういう嫌味がない。好きで何冊か持っている岡田光世さんの「ニューヨークの魔法」シリーズ的な、気持ちのよい読み心地がある。フランス語のフレーズが各エッセイ末にチロっと書いてあるのも似ている……っていうかパクり?
    でも二匹目のドジョウにならないだけの魅力がある。パリ暮らしのうんざ

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    2024年01月14日
  • 夜の少年

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    ネタバレ

    些細な出来事の連続の先は夜だった。

    ささやかに生きてきた真面目で朴訥な男性が、病気で妻を失い優しい長男との関係が少しずつ狂っていく。

    毎日が「あのときこうしていたら」「ああしたほうがよかった」の連続で生きている。どこに生まれ生きていてもそれは不変なのかも。

    フランスは政治が日常生活に密着していますね。読み始めは面くらいました。

    帯文は重松清さん、重松作品が好きな人に読んでもらって感想を聞いてみたいなぁ。

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    2023年04月02日
  • 夜の少年

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    ネタバレ

    父親も長男も不器用でなんだか切なかった。ちょっとずつ道を逸れていった結果あんな大事になるなんて。みんながジルーやジェレミーのように生きられるわけじゃないから…

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    2023年01月22日
  • 夜の少年

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    読みごたえのある本。
    幸せに暮らしていた四人家族が、母親が癌で亡くなってから、長男に変化が起こる。
    3年の間、休みは母親の見舞いで過ごし、成績も下降し、苦労している父親に迷惑をかけないように、地域の短期大学に進学する。極右の仲間と付き合い、父親とも距離を置く。
    ある日事件が起こる。彼が殺人を犯してしまう。
    裁判、判決と、父親の心は揺れ動く。どうすれば良かったのか、どう子どもと向き合えばいいのか、父親の心理を詳細に描写している。

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    2022年09月28日
  • 夜の少年

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    舞台はフランス北東部メス。
    とある一家の父親の語りで進んでいく物語。
    朴訥で不器用な父親の語りのせいか、小説ながら切実なノンフィクションの手記を読んでいるような感覚になる。

    優しくて弟思いの長男フス(フスは愛称。本名はフレデリック)は、スポーツが好きな明るい子で、母親が病に倒れたときも、思春期の時期を犠牲にして家族をフォローし、家事を積極的にする、とてもいい子だった。
    病に倒れた妻を見舞い、看取り、妻の死後どう子どもたちを食べさせていくかに必死で、家族のフォローにたち回ってきたフスに「ありがとう」の一つもいえなかったことに、父親は後悔の念を綴る。

    そしてフスは高校に入ったころ、家族よりも友

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    2022年08月30日
  • 夜の少年

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    ネタバレ

    大切に思っている人と会話する重要性について考えさせられる。私もこの父親と同じように、会話しないで済むならそうしないようにするからだ。
    きつい結末でだった。

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    2022年07月20日
  • 夜の少年

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    子ども、家族と「向き合う」とは何か。正しさとは何か。過干渉、放任、自立・・・とてもとても考えさせられる本。読んで良かったのだが読後がキツい。

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    2022年06月13日
  • それでも暮らし続けたいパリ

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    パリ在住の著者の、日常生活におけるフランスとフランス人の話。フランス人についての描写が具体的で詳しく、日本人的な考え方や習慣がしっかり身についている著者との対比もあって非常にわかりやすいです。
    最後のほう、ユーモアは命がけと書いてあり、著者もフランス人のユーモアを理解するまでは大変だったようです。仲間内で済むならいいかもしれませんけど、フランス人のブラックユーモアはテロを誘引しているんじゃないんですかね。ユーモアを理解せず攻撃するほうが悪いのか?いやいや、他人に理解されないのは駄目でしょう。それは理解しない人間を馬鹿にしているのと同じ。単なる悪口や差別レベルのものをユーモアと言い切っているもの

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    2016年11月06日
  • それでも暮らし続けたいパリ

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    パリのガイドブック的なものと思って読んだのだけれど、もっと有意義で面白い内容だった。
    パリに住んで15年になる著者が見たフランス人たち。
    困ったところもあるけれど、愛すべき人たちなんだろうと著者のフランス人に対する愛情を感じた。
    フランス流の流儀や文化、価値観などとても面白く、パリの空気を感じた。

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    2016年10月18日