松本百合子のレビュー一覧

  • うけいれるには

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    障害を持った弟を甲斐甲斐しく世話する兄
    それを、見て育った妹

    兄の目線で語られる障害を持った弟への思い。
    こんな健気に弟と寄り添ったのにも関わらず
    兄は弟にいろんなものを捧げてしまった。
    もぬけの殻となった兄。
    彼は今後どうなるのかなと思った。

    妹の目線で語られる弟への思い。
    それは兄を取られてしまった戸惑いと怒りから始まる。
    その怒りはやがて妹を覆い尽くし、それを思春期まで引きずることになる。

    悲しかったのは、兄の目線では弟だけで
    妹の目線では兄も母も父もみんな気にかけているところ。
    妹を見てくれてる人はいるのかなと思った。

    障害をもつ家族を持つと言うのはどういうことなのか。
    綺麗事

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    2024年10月02日
  • うけいれるには

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     『三番目に生まれた子どもは、障がいを抱えていたーー。 フランス文学を学ぶ日本の学生がNo.1に選んだ感動作』の帯の言葉に、興味を持ち購読。

     障害を持つ弟の全てを受け入れる長男、嫌悪感と共に拒否する長女、苦しく葛藤する両親。
     著者自身の実体験をもとになっているとのこと。
    だから、リアリティに溢れ、何度も涙した。
     また、設定が面白い。彼らを見つめる中庭の赤みがかった石が、意思を持って(ダジャレではなく、本当に)物語っている。 ちょっと不思議な感覚になる。

     『2021フランスの高校生が選ぶゴンクール賞』も、受賞している。
     日本やフランスの学生たちの感性・感受性を賞賛したい。

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    2023年10月21日
  • 夜の少年

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    なかなか重い。

    日本では政治信条で親子関係がこじれるとかあまりないことかとは思うけど、自分の子がファシズムとか曰く的な新興宗教に執心してたら、この父親と同じようにどう関わったらいいのか分からなくなるかもしれない。

    じゃあ何が正解なのか。正解なんてないんだろうな。

    子が大人になった時点で、それは子ども自身の問題だと割り切って考えられればいいのかな。無理だろうな。親ができるのはどこまでいっても子どもを守ることだけだろうな。

    子どもが道を誤っていると感じたとき、暴行されたとき、何があっても味方だから、人を殺めることだけはやめようと言い切れるか。

    ちゃんとできなくても、そこだけは子どもに言い

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    2022年08月27日
  • 夜の少年

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    男手ひとつで兄弟を育ててきた父。思春期を迎えた兄はなにやら悪いやつらとつるんでいる。そして事件は起こってしまった。なかなかに重たい。兄だけが悪い訳じゃないのにね。

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    2022年08月23日
  • 夜の少年

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    フランス北東部の町に住む主人公は、国鉄に技術者として働いている。男の子2人の父親であるが、妻を癌で亡くした。左派の団体を支持し、息子のサッカーを見に行く平凡な日々だったが、高校生になった長男は右翼系の少年たちとつきあうようになり、家での口数も減った。兄弟の仲は良く、弟は兄を慕っている。弟は兄より勉強ができ、パリの進学校へと進む。父親と兄とのぎくしゃくした関係の続く中、兄が血まみれで帰宅する。仲間を殺してしまったのだ。

    終始父親の目線で語られる。思春期を迎え、自分と違う価値観で進み始める息子。息子やその仲間の行動をSNSで追う姿が危うい。最後のページの獄中から父へ宛てた手紙で、読者は初めて息子

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    2022年08月02日
  • 夜の少年

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    もっと話しておけば。
    いつからそうなってしまったのか。
    あの時の選択が違っていれば現在は全く別の環境の中にいたのではないか。
    自分の親に対して、息子に対して、付き合ってきた彼女に対して。
    そんなことを考えさせられる作品でした。
    どの辺か夜の少年なのかは不明。

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    2022年06月12日
  • ゆっくりたっぷりパリ暮らし

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    ネタバレ

    ・仕事でフランス語の翻訳を頼まれ、内容に感動。フランスに暮らしてみたいという思いから、40歳にパリへ移住。
    ・学生時代からパリへは何度も訪れていた。
    ・フランス人の旦那は料理人。

    ・美しきパリジェンヌについてはもちろん、食べる、飲む、喋る、ルール、街、物……フランスという国と人について盛りだくさん。
    →気難しいイメージがあったけど、実はフランス人はお話好き!知らなかった。
    「私がフランスに行ったら…」と何度も想像してしまう程、想像以上に日本と違った。

    ・ときよりフランス語で表現されている。
    →英語ともまた違って、難しい……!でも、その時の喜び、悲しみ、怒りなど、叫びをフランス語で表現して

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    2019年03月12日