川口明百美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
発砲事件により出世の道を閉ざされた停職中の警視正アンヌ・カペスタンをリーダーとする特別班
集められたメンバーは
因縁浅からぬカタブツで警察内の差別に苦しむルブルトン警視
脚本家として大成功をおさめた大金持ちのロジェール警部
相棒となった者が次々と事故にあい“死神“と呼ばれるようになり人嫌いを装うトレズ警部補
アルコール依存症でおしゃべりなサボり屋“鉛筆おじさん“ことメルロ警部
ヴァイオリンの教師から転職した警察官の汚職を暴き続ける垂れ込み屋オルシーニ警部
ギャンブル依存症のブロンド娘エヴラール警部補
パンチドランカーの元ボクサーで元凄腕のサイバー犯罪捜査官ダクス警部補
スピード狂で警察車両を -
Posted by ブクログ
「パリ警視庁迷宮捜査班」1作目にして、作者のデビュー作。
落ちこぼれ警官が集められ、迷宮入り事件を捜査することに。
これが面白くて~大歓迎!
アンヌ・カぺスタンは、パリ司法警察の警視正。
30代半ばにして出世しているエリートだったが、犯人を射殺した件が過剰防衛とみなされ、半年間の停職になっていました。
局長のビュロンに呼び出され、特別班のリーダーに任命されます。
ところが、職場は警察署内ですらない古ぼけたアパート、捜査員はまだ停職中だったり何かと問題がある人間の寄せ集め。
有能そうなのは、ルブルトンぐらい?
彼はカぺスタンの処分を担当した堅物で、体格のいいハンサムだが、ゲイであることをカミ -
Posted by ブクログ
まさに手作りの警察チームがパリに誕生する。セーヌ川中州シテ島の司法警察局ではなく、古びたアパルトマンの最上階に。ヒロインは、発砲事件で進退を危ぶまれた挙句、半年間の停職処分と離婚の後、警察署の掃き溜めの任命されたリーダーのアンヌ・カペスタン。パリ警察の問題児ばかりをここに集めて世界から隠したい。それがパリ警察の狙い。カペスタンは明確にそう言われる。取り組むのは迷宮入り事件のみだ、とも。未解決事件の段ボール箱が積まれた古く黴臭い部屋。
対象警官は40名だが、ほとんどの者は停職中だから、勝手に集まってくる人間だけで遊ぶなり働くなり、勝手にやってくれ、という指示である。事件の解決など、はなから -
Posted by ブクログ
カリル・フェレ『マプチェの女』ハヤカワ文庫。
珍しいアルゼンチンを舞台にした冒険小説。全く期待はしていなかったのだが、まるで、アンデシュ・ルースルンドの『熊と踊れ』を彷彿とさせる非常に面白い作品だった。
その土地の匂いまでも感じるような小説には、なかなか出逢う機会は少ない。かつて、船戸与一という作家が居たが、彼は日本で唯一、砂漠の匂いを感じさせる小説を書いていた。本作は船戸与一が書いた砂漠の匂いをも感じさせる熱い小説だ。650ページに及ぶ大作なのだが、独特の荒々しい雰囲気と手に汗握るストーリーを最後の最後まで堪能出来た。
かつてアルゼンチンで起きたスペイン人入植期の原住民虐殺と1976年 -
Posted by ブクログ
久しぶりにドップリ漬かる小説だった。近年はエンターテイメント・ミステリーと言えどもプロットの面白さだけでは成立せず、歴史や政治、恋愛、性風俗など様々な要素を重層的に積み重ねて、アクションあり、サスペンスあり、ラブロマンスありとサービスし放題にサービスしないとなかなか評価される作品には仕上がらない。
『マプチェの女』はまさにそのようにして成功した作品で、アルゼンチンを舞台にスペイン人入植期の原住民虐殺と、1976年の軍事クーデターから開始され1980年代まで続いた『国家再編成プロセス』(国家権力による左派勢力の大量誘拐、失踪)を背景に、マプチェ族の末裔ジャナと探偵ルベンが戦争犯罪者を暴くという -
Posted by ブクログ
フランスの作家ソフィー・エナフの長篇ミステリ作品『パリ警視庁迷宮捜査班(原題:Poulets grilles)』を読みました。
ジャン=ジャック・フィシュテルに続き、フランスの作家の作品です。
-----story-------------
フランスの『特捜部Q』! スリリングで愉快な警察小説、開幕
フランスで15万部突破! 「コスモポリタン」名物ライターがおくる、スリルと笑い満載の傑作!
喧嘩っ早い性格がたたって停職処分を食らった警視正、アンヌ・カペスタン。
復帰後の仕事として、新しく結成される未解決事件捜査班を率いることを命じられる。
ところが、集まったのは、大酒飲み、ギャンブル好き -
Posted by ブクログ
ネタバレソフィーエナフの迷宮捜査班シリーズ第1作。
裏表紙のあらすじにも書いてあるとおり、特捜部Qのフランス版、チーム版。
高確率で相棒が負傷する死神や、兼業作家、ギャンブル狂、アル中など、問題児ばかりを集めた特別班が未解決事件に挑む。
筋としては20年前の船乗りの殺害と、七年前の老婦人殺害。バラバラな二つの事件を追いかける二つの班が、どこで合流するか。間に入る一見無関係そうな話は何なのか。軽快なストーリーと問題児のキャラのおかげで楽しくサクサク読めた。
ミステリ要素は薄めで、オチは結構アンフェアな感じもしたけど。爽やかな読後は良かった。
死神のトレズ刑事が異常に警戒されていて面白い笑
-
Posted by ブクログ
「落ちこぼれ刑事たちのアベンジャーズごっこ」
主役は一見クールビューティ、実は「ブチ切れ」してエリート街道を脱落した30代後半の女性警視正。
メンバーは「死神」「クールなゲイ」「ドラマの脚本家」「アル中」「ギャンブル狂」「スピード狂」「マスコミ通」「パンチドランカーの元サイバー担当」など今回登場者のほか、登録だけでも40名の大所帯。
これまでどこの部署でも嫌われてきたリストラ寸前のメンバーが、持ち味を発揮して活躍するという……もうこれだけで面白そう。
相方が必ず不幸になるという「死神」の伝説を知っている被疑者とわざとふたりきりきりにして尋問したり、「ビスケット三枚早食い」で盛り上がったり -
Posted by ブクログ
アンヌ・カぺスタンはパリ司法警察警視正。同期の中では一番の出世頭だったが、逮捕時に犯人を射殺したことが過剰防衛と見なされ、六カ月の停職処分を受けた。降格、左遷が妥当な線だが、警察局長のビュロンはカベスタンを新設された捜査班の班長にした。その班というのが、アル中やら賭博依存症、誰も組みたがらない不運をもたらす刑事、といった問題のある連中ばかり。放り出したいのはやまやまだがそうもいかないので、警察本部から隔離しておく、いわば不用品を放り込むための物置だ。
鼻つまみばかりを集めた集団が、それぞれの隠された能力を発揮し、周囲を驚かす大活躍をする。よくある設定だ。捜査権を持たない特捜班が扱うのは、警察 -
Posted by ブクログ
パリ警視庁の厄介者たちで新たに結成された未解決事件捜査班。大酒飲み、ギャンブル好き、売れっ子小説家(兼警部)などくせの強いメンバーたちは、二十年前と八年前に起きた二つの未解決殺人事件の捜査を始めるが…
捜査班のメンバーがみんなすごくキャラが立っているのが楽しい。特に組んだ相手が次々と不幸な目にあう通称「死神」が捜査班に入って変わってゆく様子がよかった。
それにしても職場でパスタをゆでて食べたりとか、捜査中でも美味しいもの食べたりしっかり休憩をとるところがフランスなのかなと羨ましい。
「特捜部Q」よりライトな感じだが、こちらの方が好み。
ぜひ続編も訳してもらいたい。