石川一郎のレビュー一覧
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「アクティブラーニング」「高大接続」「SGH」…なんとなく使われている教育関係のキーワードの底流にある変革の本質に触れることができました。中教審の答申が出る前から高校教育の現場に立って自分なりの「モヤ感」に立ち向かってきた筆者だからこその本です。表紙扉の写真に何度、立ち戻ったことか…その度に自分も感じる「モヤ感」。きっとこの本で書かれていることは当事者のこどもや先生、親だけではなく日本という国の中身の入れ替えが激しく行われることを予感させます。よく言われる明治以来の教育改革、ってホントにそうなのだと思いました。もう始まっている、この流れを体感するために間をおかずもう一回すぐ読み返します。
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教師に求められる資質とは何か、体系的な知識を得ようと思って手を伸ばした
正直、自分のレベルじゃ全く対応出来る気がしない、、、
習った知識を組み込みながら小論文形式に落とし込む、くらいならできるだろうけど、それを哲学的な問いに持っていったり社会問題と絡めると難易度が段違いに上がるし、それを指導できるようになるとは思えない
これからこの方向性で教育が進んでいくのなら、ほとんどの先生がついていけないような気がする
言ってる事はめちゃくちゃ共感できるけど、採点の問題だったり指導の問題だったり、具体的にどう現実化していくかが見えなかった
欧米はどうしてるんだろう?
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教師の存在意義、教育の目指すべき場所がこれからの時代、段々と変わっていくという内容の本であった。しかし、ファシリテーターとしての教師の役割、新たな価値を創造できる人材を育てるといった考えは、元々の教育現場で求められていたものであると思う。それが、入学試験の登場や、子どもの急増により、現在のような考えずにとにかく知識を詰め込む教育になっていったのだと思う。これからの時代に求められることは、戦後日本が求めていた教育の形に原点回帰したの形に近いと感じた。
教師にはこれからの時代、深い知識を持った博士先生と、社会で実務経験のある社会人先生が活躍していくと書かれている。この二つのパターンの先生はもち -
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今年も大学入試共通テスト追試が行われた。今年は、「テロリスト」が出没したり、地震が起きたり、悪い方向に思考回路を駆使してカンニングを行う人間がいたりと、受験生のメンタルに良くないことが起こって大変だ。
大学入試は、大きく変わっていく。と言うのも文部科学省が定めている学習指導要領は2020年の改訂で3つの柱を掲げている。
1.実際の社会や生活の中で生きて働く「知識及び技能」
2.未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力等」
3.学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性等」
ただ、インプットしたものをアウトプットすれば生きていける時代 -
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ネタバレ<目次>
第1章 コロナ禍で露呈した自律できない学校の問題
第2章 未来の教育を予感させる学校~休校対応の差から考える
第3章 入試問題の変化と学習評価の構造~ブルーム・タキソノミーと評価
第4章 探究と評価の折り合いをつけるマインドとは
第5章 学校における探究型の学びとPBL~ブルーム・タキソノミーの活用
第6章 ICTと学校をつなぐためには
第7章 いかにICTリテラシーを身につけるか~ブルーム・タキソノミーの新解釈
終章 これからの教育でおさえておくべきこと
<内容>
新しい学校の姿を常に探求している著者の本。矢作邦彦(探究と学校を結びつけるための指導をしている人) -
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2020/11/29
タイトルが気になって読んでみました。コロナの感染拡大で浮き彫りになった学校教育の問題点について的確に述べてくれているように感じます。
従来のように、40人学級で、黒板を使ってチョークで書き、ノートをとる、部活動を行い大会に出場し、修学旅行や式典を行う…といったようなこれまでの学校の当たり前だったことが全て無になり、ゼロベースから今までの取り組みを見直さなくてはいけなくなりました。
しかし、これはこれで良かったのではないかと思います。前例がないと決断できない意思決定の弱さ、スピード対応の遅さ、授業の動画配信の進展の無さなど問題点がいくつも浮き彫りになりました。これまでの当た -
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最近喧しくなりつつある?新しい大学入試。
どんなのかと、好奇心で読んでみた。
知識の理解とその応用、論理力、思考力を問うだけでなく、その上での創造力、主体性や協働性をとうものになるだろう、とのこと。
これは、国際バカロレアやイギリスのGCSEなど、欧米の中等教育修了時の試験に匹敵するレベルの試験を目指すものだとか。
文科省の思惑がそうなのだとして、しかし、2020年までに、そんな試験を作り上げられるのか?
試験を作ることより、さらに採点基準を作るのが大変そうだ。
創造性、協働性などをどうやって評価するのだろう。
これは筆者自身も難しいと述べていたけれど。
勝手な想像だが、問題だけ、例えばI -
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著者は、かえつ有明中学校・高等学校の校長先生。
内容は単に大学入試にとどまらず、
国際化グローバル化により、世界では
どのような人材が求められているのか、
日本の教育で果たして「自分軸」はしっかり
育つのか?と言った教育論、人生論のような
深みのあるものでした。
本質的なことを何も理解しないまま、アクティブ
ラーニングという学びの形を授業に取り入れる時の
問題点も感じられるし、全国にいる何万人もの教員が
このような知識と理論と技術を身に着けるには
まだまだ時間がかかるだろうな、などと
考えてしまいました。
そして親も目先の点数にこだわらずに
子供の中に育つ「もやもや」したものを
時間をか