石川一郎のレビュー一覧
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教師の存在意義、教育の目指すべき場所がこれからの時代、段々と変わっていくという内容の本であった。しかし、ファシリテーターとしての教師の役割、新たな価値を創造できる人材を育てるといった考えは、元々の教育現場で求められていたものであると思う。それが、入学試験の登場や、子どもの急増により、現在のような考えずにとにかく知識を詰め込む教育になっていったのだと思う。これからの時代に求められることは、戦後日本が求めていた教育の形に原点回帰したの形に近いと感じた。
教師にはこれからの時代、深い知識を持った博士先生と、社会で実務経験のある社会人先生が活躍していくと書かれている。この二つのパターンの先生はもちろんこれからの時代に大活躍すると思う。ただ、私はきちんと生徒と適度な距離を保ち、適切なタイミング、適度な強さで叱ることができる教師もこれからの時代は求められていくと思う。博士先生や、社会人先生には、生徒が尊敬を示し、その先生のようになりたいという憧れで学びに向かうと本書では書いてある。しかし、全ての生徒がそのように学びに向かうとは限らない。悪事を働く生徒や、自分の好きなことや興味のあることに対してすらも学ぼうとしなかったり、努力をしなくなってしまう生徒、悪事を働いてしまう生徒もいるであろう。昔のように強く叱ることが少なくなった今こそ、このような生徒に対しては、きちんと叱り、大人が責任を持ってやらせることがその子にとっては1番良いことである可能性もあるのではないかと思う。
まとめると、それぞれの先生のタイプは一長一短であり、生徒によって良い指導は違うと思う。だから様々なタイプの先生が協力し合い、それぞれの長所を活かしながら共に学び合うことや、学校生活を送れるようになることが求められていくのではないかと私は考える。
教師は、子どもが自分の得意な分野で、自分の力を輝かせられるように、子供に目の前のことを深く考える力、自分の考えを伝える力、他者と協力して新たな価値を創造する力を鍛えさせたい。そのために、きちんと意図を持って課題を出したり、AIを利用して高次思考的な活動時間を増やしたりするなど、教師は授業や考え方を進化させていかなければならない。
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今年も大学入試共通テスト追試が行われた。今年は、「テロリスト」が出没したり、地震が起きたり、悪い方向に思考回路を駆使してカンニングを行う人間がいたりと、受験生のメンタルに良くないことが起こって大変だ。
大学入試は、大きく変わっていく。と言うのも文部科学省が定めている学習指導要領は2020年の改訂で3つの柱を掲げている。
1.実際の社会や生活の中で生きて働く「知識及び技能」
2.未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力等」
3.学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性等」
ただ、インプットしたものをアウトプットすれば生きていける時代ではないので、社会の変化に対応した形だ。
著者も例に挙げているが、2020年度の共通テスト社会地理Bの問題に暗記するだけでは解けない問題が出た。ちょうど1月9日の「ブラタモリ」で、「天橋立」を紹介したときに、北側から見た天橋立のエピソードを取り上げていた。
天橋立の4地点から撮影した写真の中で北側を選ぶ問題が出た。ネットでは、見ていた受験生から歓喜のコメントが上がっていた。
しかし、番組を見ていなくても、与えられた情報を処理して読みとけば答えることができる。
大学のみならず、高校にも及んでいた。2020年度都立高校入試問題、社会の大問1では、埼玉県川越市の地図や下町の痕跡を示した写真入りの資料も提示されて、これらを見ながら解く問題を出題していた。
学校の教師がこの変化に対応できるかどうか課題だと指摘している。授業のみならず学校行事や部活動も担当していて、さらには保護者に対応も大変になり、とてもではないが、学習指導要領を実践しようにも教員に余裕がない。
コロナ禍で話題になったが、ステイホームによるオンラインで授業を行える学校とそうでない学校との間で差が生まれた。 -
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ネタバレ<目次>
第1章 コロナ禍で露呈した自律できない学校の問題
第2章 未来の教育を予感させる学校~休校対応の差から考える
第3章 入試問題の変化と学習評価の構造~ブルーム・タキソノミーと評価
第4章 探究と評価の折り合いをつけるマインドとは
第5章 学校における探究型の学びとPBL~ブルーム・タキソノミーの活用
第6章 ICTと学校をつなぐためには
第7章 いかにICTリテラシーを身につけるか~ブルーム・タキソノミーの新解釈
終章 これからの教育でおさえておくべきこと
<内容>
新しい学校の姿を常に探求している著者の本。矢作邦彦(探究と学校を結びつけるための指導をしている人)や田中康平(ICT教育を推進する仕事をしている人)との対談を交えながら、「ブルーム・タキソノミー」(教育目標を分類し、高度化してく尺度)をベースに、探究活動や評価、ICT教育の推進など、これからの教育の指針を示している。むろん、まだ試行錯誤が続くだろうし、自分を含めて旧世代の教員の抵抗(わからないので怖いから、新しい教育活動を尻込みする人たち)を乗り越えるのは尋常ではないと思う。教育界は、今度一気に世代交代が起こるので、その時がチャンスだろう。 -
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2020/11/29
タイトルが気になって読んでみました。コロナの感染拡大で浮き彫りになった学校教育の問題点について的確に述べてくれているように感じます。
従来のように、40人学級で、黒板を使ってチョークで書き、ノートをとる、部活動を行い大会に出場し、修学旅行や式典を行う…といったようなこれまでの学校の当たり前だったことが全て無になり、ゼロベースから今までの取り組みを見直さなくてはいけなくなりました。
しかし、これはこれで良かったのではないかと思います。前例がないと決断できない意思決定の弱さ、スピード対応の遅さ、授業の動画配信の進展の無さなど問題点がいくつも浮き彫りになりました。これまでの当たり前を変えるいい機会だし、時代に合わせた新しいスタイル、新しい学びの形をいい加減考えてスタイルを整えていかないといけない時になったんだと思っています。
その中で教育のICT化が言われて何年も経ちますが、あんまり浸透しているとは思えません。結局紙ベースが楽だったり管理しやすい、学習のフォーマットを整える時間がない、やろうとしない特定の世代の人たちだったり、課題点が山積みです。
でも、できない人に合わせていてもしょうがないので、自分なりにこの本を読んで消化して考えてことを少しずつでも具現化していけたらいいなと思いました。 -
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<目次>
第1章 好機か脅威か?教育現場のAI~今、「教育の本質」が問われている
第2章 これからの「教師」はどうあるべきか~「捨てられる教師」「生き残る教師」の境目とは
第3章 これからの「授業」はどうあるべきか~一方的に知識を授ける授業は、もう通用しない
第4章 これからの「学校」はどうあるべきか~「新時代の学び舎」の理想像を描き出す
<内容>
前回の『学校の大問題』『先生、この「問題」教えられますか?』などと言っていることに変わりはない。chatGPTなどの生成AIの話が加わったくらい。そして、根本の部分では、この人の言っている方向に進むだろう。ただし、この人の書き方は過激すぎて、現場の教師をいらだたせるだけだ。実現可能な何かをもっと書くべきだろう(今回は、第3章中に「シンギングツール」の概略が書かれており、その部分は役立つと思うが…)。