オイゲン・ヘリゲルのレビュー一覧

  • 日本の弓術

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    「対話のない社会」で紹介されていた一冊。ドイツから日本にやって来て、知らない民族の精神性、その心の内をしりたいと弓術の世界に足を踏み入れたその時点で、すでに対話は始まっていたのだ。
    かつての体験から否とせず、受け入れた師匠の方もまた対話を拒まなかったと言えるのだろう。

    この対話性があればこそ、無我の境地、宇宙との一体感といった感覚に到達しうるのではないか。悟りはひとりでは開けない。

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    2025年07月22日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    新訳版なので幾分か読みやすい印象で、『日本の弓術』もよりも具体的なやりとりが記されているが、何度読んでも暗闇の道場での逸話は震える。

    「師から何度も繰り返される答え、「質問なんかしないで、稽古しなさい」という以外に聞かせてもらえないことに納得していたからである。それ故に、私は問うことを止めた。」

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    2025年04月17日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    戦前に禅を知るために弓道を学び始めたドイツ人哲学者の回想で、むしろヘリゲル側になってしまった現代日本人にとっても学ぶところが大きいのではないか。弓道は禅よりも神道や儒教の影響が色濃いが、戦後に阿波が開いた大射教道が全日本弓道連盟に合流し、禅的な考え方も包摂されたと言えるかもしれない。

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    2023年05月23日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    ネタバレ

    ・剣の達人の逸話
    →他の道でも極めることが出来る。技術の問題ではない。茶道、華道、絵画、禅とのつながり。

    ・子どものごとくあること
    →長年の道の訓練で自己を忘れること(無心)が回復される。人は考えるが考えない。
    →剣の達人は初心者のように何も囚われていない、稽古の初めに失われた「囚われない心」を再び獲得する。
    →違いは、達人は恐怖に近づけなくなる。自ら離れていく。

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    2022年12月25日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    日本思想とはいったいどんなものなのか、1人の外国人が物事を習得していく過程の中でわかりやすく教えくれる素晴らしい本。的を狙っているうちは的を正確に射ることはできず、的と一体化した時、周りと一体化した時に的を正確に射ることができる。

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    2022年05月05日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    ドイツ人哲学者であるオイゲン・へリエルによって、東洋において語られる「無心」がどのようなものかを著している。
    著者の実体験によって、無心の境地である「禅」がどのようにして体験したのかを、段階的に解説しているため、丁寧で読みやすい。
    前半部にある「武士道的な弓道」は、本編である「弓と禅」の概略の様な体を取っているため、全体の流れを知りたい方は取り敢えず「武士道的な弓道」を読むことをオススメする。

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    2021年09月01日
  • 日本の弓術

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    日本人は何でも「道」にしてしまう。
    茶道、華道、へたすればラーメン道、とか。

    道、とはなんだろうか。ざっくり、ストイックに突き詰めて無我の境地に至る、みたいなことだと日本人なら感覚的に理解できる。
    その中でも、弓道(弓術)というととくに何か神秘の香りがする。

    ここに合理の権化のようなドイツの哲学者が挑戦した記録。

    「・・・私が弓術を習得しようとした本来の問題に、先生はここでとうとう触れるに至ったが、私はそれでまだ満足しなかった。そこで私は、『無になってしまわなければならないと言われるが、それではだれが射るのですか』と尋ねた。すると先生の答はこうである。

    『あなたの代りにだれが射るかが分

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    2020年11月29日
  • 日本の弓術

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    面白かった。こんな本もあるんだなぁと思った。
    昭和初期、東北(帝国)大学に職を得たドイツの哲学者が、日本の文化を深く知るために弓術を習うという体験を本国で講演した時の日本語版。
    日本の武術は禅の影響を受けているため、日本の神秘性を理解するには武術を習うことがよいと勧められて弓術を始められたとのこと。
    しかし師範からの指導は「あなたは全然なにごとをも、待っても考えても感じても欲してもいけないのである。あなたがまったく無になるということが、ひとりでに起これば、その時あなたは正しい射方ができるようになる」…など欧州の論理的な哲学者にとっては理解し難い指導ばかりだが、それを少しずつ体得していく様子が大

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    2020年08月19日
  • 日本の弓術

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    ドイツ人がここまで素直に日本古来の弓術に専心してその本質を会得するとは、非常な驚きである。スティーブ・ジョブズが本書を愛読していたとのことであるが、西洋の人から見ると、本書で描かれたような道の究め方はある種神秘的に見えるのであろう。

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    2020年01月06日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    翻訳家の魚住氏の美しい日本語訳を本の内容を一層際立たせる感じでした。
    目標は小手先の技だけでも達成できるかもしれないし、ある程度のレベルまで行けるかもしれない。しかし、稽古を重ねてきちんと会得した技であれば、何にでも活用できる。
    短期間で達成できるかもしれないし、長期にわたるかもしれない。とにかく日々、精進するのみ。

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    2019年10月19日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    神秘体験に関心のあった一人のドイツ人哲学者が日本に来て弓道を学んだ体験記で、短い本なのだが、これほど強く感銘を受けたと感じたのは久しぶり。日本の武道とそれが志す精神性が、はっきりと浮かび上がってきてとても感動した。日本文化に馴染みのない外国人だったからこそ、ここまで丁寧に浮かび上がらせることができたのだと思う。ここに記されている伝統的な日本の精神は、現代では薄まりつつ確かに残ってもいて、そういう中途半端な時代を生きる日本人にとってはすごく読む価値のある本だと思う。
    これを読むと、禅や武道の修行というのは「無我」を目指すものだということがよく分かる。そして、そういうものを目指して修練してきた人が

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    2017年01月28日
  • 日本の弓術

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    今年読んで良かった本の1,2を争うかも。

    ドイツ人が日本の弓道家に弟子入りして、
    日本の深淵なる禅を学ぼうと試みたという話。

    弓を射ることは弓と矢とをもって射ないことになり、
    射ないことは弓も矢もなしに射ることになる。

    身震いがした。

    薄い本ながら内容は非常に濃いものになっている。
    余裕のある字間で書かれた文章には雰囲気があり、
    高潔な世界観がうかがえる。

    阿波師範が語られる精神世界は
    現代の日本において遠いものになってしまっている気がするのが残念だ。

    日本人としてのアイデンティティを再認識させられる名著だと思う。

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    2016年12月31日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    2016年64冊目。

    西洋哲学の研究者であった著者が、日本滞在中に学んだ弓道の中に禅の思想を見出していく。
    的を狙ってはいけない。射ようと思って射てはいけない。
    「無心」の為せる技。術なき術。
    満を持した時に自然と放たれる矢は、「私」ではなく「それ」によって放たれているという。
    自己に集中しているようで、自我を手放している。
    マインドフルネスに関心が高まっている中、この本はとても面白い。

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    2016年11月20日
  • 日本の弓術

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    薄い本ですが、読みごたえがあります。東洋的な精神文化の根本を「禅」の中に見出そうとする著者の思いが詰まった本です。心に残る一冊であることは間違いがありません。弓道とは、これほどまでに精神修養の面があるとは知りませんでした。日本人の深い精神性について知ると共に、日本人が古来から培ってきた自己の内面との邂逅が、仏教的な思想である「禅の思想」と繋がっていることを再認識しました。西洋人と東洋人の考え方の違いの根本を教えてくれる本です。この本をドイツ人のヘリゲルが書いたというのも凄いことです。ヘリゲルが晩年過したガルミッシュパルテンキルヘンは私が十数回訪れている場所であり、そういう事実を知れたことも嬉し

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    2016年10月22日
  • 日本の弓術

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    「射るように射てはならない」「百発百中よりも百発成功」「有から無に入る道は、かならず有に復って来る」「逆の方向から考える(的の方が自分にくる?)」といった含蓄のある言葉が並ぶ。
    体得にかなりの時間を要し、かつ、体験しないと領域においては、言葉による表現よりも、自分と向き合ってその所作を続ける"生活"を継続することが重要になる。これは研究にも当てはまる。
    (自分の手中にないことなので)的に当たるか、その境地に生きている間に至るかは気にかけずに無心に矢を放つ様子は、ニーバーの祈りのようでもある。

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    2016年10月10日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    講演録と「弓と禅」を一冊に収め、新たに訳したもので、充実した解説も付されて、オイゲン・ヘリゲルが経験したことがより深く理解できるようになっています。何度読み返しても感動します。

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    2016年05月26日
  • 新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想

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    2部構成で、1部はドイツでの講演会。
    岩波は、仙台での講演会。

    わかりやすいのは、岩波。

    福村のはむずかしいので、
    あんちょこで、これ。

    でも、読んでよかったわ。
    人生の問題の9割がたのところまで来た。

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    2016年05月13日
  • 日本の弓術

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    昔の著書であるが、弓術に禅との関係性を実践から感じ取った1冊を読むことができてとても良い時間でした。
    日本の良いところはまだまだたくさん身近にありそうです。 今日も座禅をして心と会話をします。

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    2015年12月09日
  • 日本の弓術

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    奇特なドイツ人哲学者が奇跡的に弓術を志し貴重な師匠に出逢い、その体験を帰国後講演したものを邦訳した奇書。この薄い文庫本の存在そのものが本書でも何回も繰り返される「非有の有」みたいに感じられます。堅牢な論理を背景に持つ学者が神秘的合一に魅入られ精神修養に立ち向かい理解より体感を重視する過程に煩悶していく様子が明瞭な言語で綴られていきます。哲学者のドイツ語を昭和初期の重々しい翻訳している文体もこの本の「らしさ」なのかも。しかも作者、星飛雄馬のようにまっすぐに悶え苦しんでいるし。ページ数の割に非常に濃厚で深淵です。戦前の武道を通したドイツ人の「Discover Japan」は今のわれわれにとっても日

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    2021年08月17日
  • 日本の弓術

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    そこで私は、「無になってしまわなければならないと言われるが、それでは誰が射るのですか」と尋ねた。すると先生の答えはこうである。ー「あなたの代わりに誰が射るかが分かるようになったら、あなたにはもう師匠が要らなくなる。経験してからでなければ理解のできないことを、言葉でどのように説明すべきであろうか。

    森博嗣の「喜嶋先生の静かな世界」にてこの新書が引用されており、興味を惹かれた。
    弓道を通して、ドイツ人から見た日本の神秘主義、禅に基づく精神性を探る旅である。
    今まさに愛国心という言葉が議論されている。
    戦後のジレンマにより、私達は愛国心とは、日本人とは、という議論を凍結してきたが時代は変わった。

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    2013年12月23日