富増章成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ソクラテスからドゥルーズ・ガタリまで、一人一人の哲学者を語るにも何冊もの本が必要なところを、思いっきりバッサリ切り捨て、その思想の中心だけをとても分かりやすい例とともに示す。
こんなんじゃ西洋哲学を学んだなんて言えない!
って怒る人、ここは少し違うんじゃない?という意見…その他色々…
眉間に皺を寄せて難しいく理解の及ばない哲学を読み語るのが好きな日本人にとっては、分かり易す過ぎて、少し怪しく、或いは重さを感じない分、不満が残るかも知れない。
でも、私には良かった。
これを読んで哲学を分かった気には流石にならないけれど、スッキリと『あれはこういうことなのね』と理解への端緒を与えてくれた。
塾の講師の方なので、《試験に出る哲学》を噛み砕いて複雑な部分は排除し「この哲学者と言えば先ずはコレ」というスタンスなのかも知れないが、今後もう少し難しい議論を深めていく時に足掛かりになると思う。
(「誤解の元になる」という見方もあるかも知れないが…)
期待し過ぎてはいけないけど、意外としっかりとした内容だと思います。
登場する人物:
ソクラテス、プラトン、アリストテレス、イエス・キリスト、パウロ、デカルト、スピノザロック、バークリー、ヒューム、カント、ヘーゲル、キルケゴール、ニーチェ、フロイト、マルクス、パース、ジェームズ、デューイ、ハイデッガー、サルトル、ドゥルーズ、ガタリ
読み終えて書いてみると結構沢山やね…
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Posted by ブクログ
ネタバレ凄い深い本だった。人類の一つの完成系がニーチェの説いている(超人)なのかもしれない。感動した点は、過去の後悔の考えた方である。人は過去に対して後悔しがちである。しかしニーチェによると、過去を後悔するのは、過去に敵意を持っていることであり、自分に復讐していることになる。超人とはいかなる苦難にも不平不満を言わず、つねに自己を乗り越え、他人を恨まず、後悔もせず、人生を愛し、苦しみも含めてその人生を何度でも繰り返す絶対の肯定的人間である。なかなか超人になることは難しいというか不可能に近いかもしれない。しかし、人生をかけてなりたい理想の人物をニーチェは提案してしてくれた。それだけでも凄く価値があると思う。考え方次第で楽しくもなるし、苦しくもなる。しかし、ニヒリズムのあふれた現代において、より人生に希望を与えてくれる本でもある。ニーチェという人物は、とてもポジティブで素敵な哲学者だと感じるた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ知の観光マップであり、思考の触媒
本書は単なる難解な名著の要約ではない。むしろ、60冊の古典を「知の観光マップ」として再編成し、読者自身の思考を構造化するためのメタ認知ツールである。私は普段、勝間和代氏のような実用書や、専門家の評価が明確なビジネス書を好むが、本書はそれらとは異なる次元で、私の知的好奇心を刺激し、思考のOSをアップデートしてくれた。
白眉は巻頭の「ひと目でわかる名著の関連図」だ。プラトンからドゥルーズまで、思想の系譜を可視化したこの図は、東浩紀氏の言う「観光客の哲学」の実践そのもの。個々の思想を点でなく線で結び、偶然の出会いから新たな発見を促す。新渡戸稲造の『武士道』について「金は不浄と考える」と端的に示すように、核心を掴む力は確かだ。この簡潔さが、現代の自己啓発書が説く金銭肯定論との比較考察を促し、私自身の思考を深めるきっかけとなった。
ただし、4ページという制約は諸刃の剣でもある。例えばヴィトゲンシュタインが『論考』を否定したという記述は正しいが、その否定が「部分的」であるという重要なニュアンスは捨象される。『アンチ・オイディプス』を「世界一意味がわからない本」と紹介しつつ、その核心を平易に図解する手腕は見事だが、読者はこの「わかりやすさ」を鵜呑みにしてはならない。本書はあくまで原典への「入口」であり、地図であって目的地ではない。
私自身、エグゼクティブコーチングにおける構造化されたアプローチを好むが、本書はその知的探求版と言える。武士道の「言葉にしない曖昧さ」と現代のISO的な明文化の是非を問うた際、本書の解説が思考の出発点となったように、古典の知恵を現代的課題に接続する「触媒」として機能するのだ。
本書の真価は、情報をインプットすることにあるのではない。むしろ、自らの問いを立て、思想と思想を衝突させ、自分なりの知の体系を構築していくプロセスを誘発する点にある。専門家の評価を重視する私にとって、著者・富増氏のこの卓越した「編集力」は高く評価できる。知的好奇心が旺盛なビジネスパーソンや、一度古典に挫折した者にこそ、再挑戦の武器として勧めたい一冊だ。