吉田洋一のレビュー一覧
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吉田洋一
1898年東京生まれ。1989年逝去。東京帝国大学理学部数学科卒業。第一高等学校教授、東京帝国大学助教授、フランス留学を経て1930年北海道帝国大学教授。1949年立教大学理学部数学科教授。著書:『零の発見』、『微分積分学序説』他多数。M&Sでも『微分積分学』、『ルベグ積分』、『数学序説』(娘婿の赤摂也と共著)を収録。
こんにちのように、自然科学が進歩し、また、産業が異常な発達を見た世の中にあっては、必然的に厖大な数を取扱う場合が多く、インド記数法は一日も欠くべからざるものとなった。あるいは、そういうよりも、インド記数法なくしてはこんにちの科学文明はもたらされえ -
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(2018年1月のブログ内容を2020年11月に転記したものです)
○ インドとギリシャの数のかぞえかた
零はインドで発見されたというのはよく知られていることですが、興味があり、詳しく読もうと手に取りました。
私たちが何気なく行っている数の計算にも実は長い歴史がありますが、その歴史の中で、「位取り記数法」という考えに至るのにとても長い時間が必要だったことが書かれています。わたしたちが27529と書くとき、1番初めの2は20000を表すのに対し、4番目の2は20を表しています。同じ記号で2種類の数字を表しているのです。言われてみればそうですが、あまりにも普段自然に使いすぎているので、これを -
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ユークリッド幾何、微積分から数学基礎論まで概念的なところから数学とは何かを解説する。数学の学問としての面白さに触れることのできる本。
大学で数学を学ぶとあれよあれよという間に抽象化の度合いが高まっていく。新しい概念を手に入れると何とも言いようのない高揚感を感じることができる。その一旦を初学者にも何とか理解してもらいたい、そういう思いで本書は書かれているように思う。高揚感を感じるには一定の努力は必要だ。だから、教養としての数学云々…と帯にはあるが、この教養は、昨今、流行のお手軽で日々の生活に役立つような教養ではない。もっと重厚で役立たずでそれでいて理解するためには読者に努力を強いる教養だ。
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[偉大なる発想の跳躍]現代においてはあまりにその存在が普通であり、それが発見されたことすら想像がつかない数字、0。その数字が発見される以前はどのようにして計算や表記がなされていたのかを学びながら、0が数学に与えた影響やそのすごさについて知ることのできる作品です。古代ギリシャ人たちの数学に対する挑戦を記した「直線を切る」も収録。著者は、数学へのやんわりとした興味に応えることを目的として本書を記したとしている吉田祥一。
初版から70年以上が経過しても読まれているというだけあり、数学嫌いの人に対してもわかりやすく、そして興味を喚起させるように説明が進められています。0の概念なんて言われてしまうと -
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「零の発見」で有名な吉田先生のエッセイ。吉田先生の本は、「零の発見」以外は、「函数論」「ルベグ積分入門」のいわゆる専門書を読んだことがある。
どれも丁寧にわかりやすく書かれており、初学者が道に迷うことのない配慮がなされている名著たちである。
そんな吉田先生のエッセイを初めて読んだ。驚いたのが、中谷宇吉郎や寺田寅彦が存命中の時代の人ということ。
短い文ばかりだけど、どれも古臭くなくて読みやすい。特に、一対一対応について触れられているいくつかの文は、大学の講義でしてもらうと抽象的な世界からずいぶん救われる気がする。
「動く地球、動かぬ地球」などは、数学や物理を学ぶ人はぜひ一読しておくべきだと思 -
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ネタバレ数学についての歴史書。
数式はほぼ皆無。
数学についてではなく、数学の歴史について知りたい人向けの本。
インドで発見されたとされている、0という概念が数学という学問のの発展において果たした役割を解説している。さらに、0の存在が位取り記数法に著しく貢献したこと、その記数法や製紙技術などが近代以降の筆算の発達や数学の発展において大きな役割を果たしたことなどが述べられている。
また、微分積分学において重要な概念である連続性についても、デデキントの切断を通して解説が行われている。トピックの一つとして、古代ギリシャ数学の三大難問の一つである、「円と同じ面積をもつ正方形を作図できるか」という問題につい -
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ネタバレ[ 内容 ]
インドにおけるゼロの発見は、人類文化史上に巨大な一歩をしるしたものといえる。
その事実および背景から説き起こし、エジプト、ギリシァ、ローマなどにおける数を書き表わすためのさまざまな工夫、ソロバンや計算尺の意義にもふれながら、数字と計算法の発達の跡をきわめて平明に語った、数の世界への楽しい道案内書。
[ 目次 ]
零の発見―アラビア数字の由来
直線を切る―連続の問題
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