吉田洋一のレビュー一覧

  • 数学序説

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    数学の壮大な歴史を紐解きながら、その動因と繋がりを示す名著。数学への興味がないとつまらないだろうが、私にはどの章も面白かった。

    ユークリッドの幾何学の具体的な証明、代数学の萌芽、解析幾何学、微分法、取り尽くしの方法、ヒルベルトの公理主義、非ユークリッド幾何学、脱皮した代数学、直線を有理数で切る実数の概念、集合、濃度、証明論、確率

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    2015年03月09日
  • 数学序説

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    ユークリッド幾何、微積分から数学基礎論まで概念的なところから数学とは何かを解説する。数学の学問としての面白さに触れることのできる本。

    大学で数学を学ぶとあれよあれよという間に抽象化の度合いが高まっていく。新しい概念を手に入れると何とも言いようのない高揚感を感じることができる。その一旦を初学者にも何とか理解してもらいたい、そういう思いで本書は書かれているように思う。高揚感を感じるには一定の努力は必要だ。だから、教養としての数学云々…と帯にはあるが、この教養は、昨今、流行のお手軽で日々の生活に役立つような教養ではない。もっと重厚で役立たずでそれでいて理解するためには読者に努力を強いる教養だ。

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    2014年04月18日
  • 数学の影絵

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    「零の発見」で有名な吉田先生のエッセイ。吉田先生の本は、「零の発見」以外は、「函数論」「ルベグ積分入門」のいわゆる専門書を読んだことがある。
    どれも丁寧にわかりやすく書かれており、初学者が道に迷うことのない配慮がなされている名著たちである。

    そんな吉田先生のエッセイを初めて読んだ。驚いたのが、中谷宇吉郎や寺田寅彦が存命中の時代の人ということ。

    短い文ばかりだけど、どれも古臭くなくて読みやすい。特に、一対一対応について触れられているいくつかの文は、大学の講義でしてもらうと抽象的な世界からずいぶん救われる気がする。
    「動く地球、動かぬ地球」などは、数学や物理を学ぶ人はぜひ一読しておくべきだと思

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    2023年12月02日
  • 数学序説

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    ネタバレ

     この本を読んで初めて数学というものを知ることができた。数学をもう一回勉強し直したいと思わせる本だった。
     昔は数学の厳密さにイライラしたが、今はその厳密さをきれいに感じる。

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    2014年04月13日
  • 数学の影絵

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     『零の発見』で著名な数学者によるエッセイ集。  

     所収の「数学とは何か」や「四色の地図」では比較的理論的な問題が取り上げられているが、多く日常生活を題材に取り、その中で数の意味や数学的捉え方を、分かりやすく説きあかしてくれる。

     80年以上前に発表されたものもあるが、ユーモア溢れる文章で、古さを感じずに愉しく読むことができた。

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    2023年01月22日
  • 数学序説

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    永らく単行本で読み次がれてきた名著の文庫化は嬉しい限り。"素人でも数学を楽しむことができることを説明したい"と冒頭に書いてある。数学書を読むときは紙と鉛筆を手元において図や計算を確かめながらというのが一般的だが本書はその必要がないともある。云わば人類が歩んできた道程を綴った短編集。接戦の考えから微分法へ、面積の考えから積分法へ、両者を繋ぐ代数学の基本定理へ、記述が淀みなく進む。結果がガチガチで誰がやっても同じと思われる数学という学問が実はヒトによって考えが大きく異なる極めて人間臭いモノだと感じられるはず。

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    2013年10月15日