吉田洋一のレビュー一覧

  • 零の発見 数学の生い立ち

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    初版は1939年、私が手にしたのは2024年1月の第119刷でした。
    零の発見
    直線を切る
    という2つのお話です。
    零と連続という数学の根本的な概念が読み物として語られています。
    最後のほうは難しくて良くわからなかったですが、数学ってほんとうに果てしないなと思いました。

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    2024年09月05日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    吉田洋一
    1898年東京生まれ。1989年逝去。東京帝国大学理学部数学科卒業。第一高等学校教授、東京帝国大学助教授、フランス留学を経て1930年北海道帝国大学教授。1949年立教大学理学部数学科教授。著書:『零の発見』、『微分積分学序説』他多数。M&Sでも『微分積分学』、『ルベグ積分』、『数学序説』(娘婿の赤摂也と共著)を収録。


    こんにちのように、自然科学が進歩し、また、産業が異常な発達を見た世の中にあっては、必然的に厖大な数を取扱う場合が多く、インド記数法は一日も欠くべからざるものとなった。あるいは、そういうよりも、インド記数法なくしてはこんにちの科学文明はもたらされえ

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    2024年01月17日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    ゼロのおかげでN進法が使えるようになるなんて革命的な出来事です。世界はやがて、0、1の二つで表せるようになろうとは、当時のインド人も考えもしなかったとおもいます。ありがとう、インド人。

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    2021年09月27日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    (2018年1月のブログ内容を2020年11月に転記したものです)

    ○ インドとギリシャの数のかぞえかた

    零はインドで発見されたというのはよく知られていることですが、興味があり、詳しく読もうと手に取りました。

    私たちが何気なく行っている数の計算にも実は長い歴史がありますが、その歴史の中で、「位取り記数法」という考えに至るのにとても長い時間が必要だったことが書かれています。わたしたちが27529と書くとき、1番初めの2は20000を表すのに対し、4番目の2は20を表しています。同じ記号で2種類の数字を表しているのです。言われてみればそうですが、あまりにも普段自然に使いすぎているので、これを

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    2020年11月23日
  • 数学序説

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    数学の壮大な歴史を紐解きながら、その動因と繋がりを示す名著。数学への興味がないとつまらないだろうが、私にはどの章も面白かった。

    ユークリッドの幾何学の具体的な証明、代数学の萌芽、解析幾何学、微分法、取り尽くしの方法、ヒルベルトの公理主義、非ユークリッド幾何学、脱皮した代数学、直線を有理数で切る実数の概念、集合、濃度、証明論、確率

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    2015年03月09日
  • 数学序説

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    ユークリッド幾何、微積分から数学基礎論まで概念的なところから数学とは何かを解説する。数学の学問としての面白さに触れることのできる本。

    大学で数学を学ぶとあれよあれよという間に抽象化の度合いが高まっていく。新しい概念を手に入れると何とも言いようのない高揚感を感じることができる。その一旦を初学者にも何とか理解してもらいたい、そういう思いで本書は書かれているように思う。高揚感を感じるには一定の努力は必要だ。だから、教養としての数学云々…と帯にはあるが、この教養は、昨今、流行のお手軽で日々の生活に役立つような教養ではない。もっと重厚で役立たずでそれでいて理解するためには読者に努力を強いる教養だ。

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    2014年04月18日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    [偉大なる発想の跳躍]現代においてはあまりにその存在が普通であり、それが発見されたことすら想像がつかない数字、0。その数字が発見される以前はどのようにして計算や表記がなされていたのかを学びながら、0が数学に与えた影響やそのすごさについて知ることのできる作品です。古代ギリシャ人たちの数学に対する挑戦を記した「直線を切る」も収録。著者は、数学へのやんわりとした興味に応えることを目的として本書を記したとしている吉田祥一。


    初版から70年以上が経過しても読まれているというだけあり、数学嫌いの人に対してもわかりやすく、そして興味を喚起させるように説明が進められています。0の概念なんて言われてしまうと

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    2014年01月23日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    数学が抱えていた基礎部分への挑戦の軌跡を著述。零の発見についてはほぼ何も書いてないに等しいが、歴史的、数学的興味は尽きない内容だ。

    記数法の確立に零が果たした役割、数値計算上の対数の威力、無限級数の和を扱う上での注意、
    幾何と代数の統一、有理数、無理数、超越数(代数的数)の自然な定義、連続性への探求。

    どれも興味深いテーマであった。自然に本格数学への入り口に誘われた感じだ。

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    2013年03月07日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    昔に書かれた本とは思えないぐらい今読んでも新鮮で面白い。
    前書きに、病院で執筆したので、資料がないというような事を書いていたような覚えがあるけれど、もしそうだとしたら凄い知識の量。流石。
    結論に至るまでの世界史の紹介が楽しく、読みやすいです。内容は難しい(2章)

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    2012年01月29日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    数学の古典だけど、現代の数学的常識がいかにして培われてきたのかを悠々と説いた逸品。本のタイトルと同じセクションとは別にもう一つ「直線を切る―連続の問題―」というセクションがあって、個人的にはこちらの方が面白かったです。論理をとるか、信条をとるか。信じられなくても論理的に正しいものを受け入れられるか、そこに学問的発展の境界があったようです。そう言えば、物理学者の益川さんも似たようなことを言ってました。

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    2010年04月07日
  • 数学の影絵

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    「零の発見」で有名な吉田先生のエッセイ。吉田先生の本は、「零の発見」以外は、「函数論」「ルベグ積分入門」のいわゆる専門書を読んだことがある。
    どれも丁寧にわかりやすく書かれており、初学者が道に迷うことのない配慮がなされている名著たちである。

    そんな吉田先生のエッセイを初めて読んだ。驚いたのが、中谷宇吉郎や寺田寅彦が存命中の時代の人ということ。

    短い文ばかりだけど、どれも古臭くなくて読みやすい。特に、一対一対応について触れられているいくつかの文は、大学の講義でしてもらうと抽象的な世界からずいぶん救われる気がする。
    「動く地球、動かぬ地球」などは、数学や物理を学ぶ人はぜひ一読しておくべきだと思

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    2023年12月02日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    ネタバレ

    数学についての歴史書。
    数式はほぼ皆無。
    数学についてではなく、数学の歴史について知りたい人向けの本。

    インドで発見されたとされている、0という概念が数学という学問のの発展において果たした役割を解説している。さらに、0の存在が位取り記数法に著しく貢献したこと、その記数法や製紙技術などが近代以降の筆算の発達や数学の発展において大きな役割を果たしたことなどが述べられている。

    また、微分積分学において重要な概念である連続性についても、デデキントの切断を通して解説が行われている。トピックの一つとして、古代ギリシャ数学の三大難問の一つである、「円と同じ面積をもつ正方形を作図できるか」という問題につい

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    2022年07月19日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    数と計算の歴史。後半は幾何学、連続性。社会的背景も多め。哲学的。

    初版は1939年。改版によりコンピュータの2進数についても言及。
    C0241

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    2014年07月11日
  • 数学序説

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    ネタバレ

     この本を読んで初めて数学というものを知ることができた。数学をもう一回勉強し直したいと思わせる本だった。
     昔は数学の厳密さにイライラしたが、今はその厳密さをきれいに感じる。

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    2014年04月13日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    インドにおけるゼロの発見は、人類文化史上に巨大な一歩をしるしたものといえる。
    その事実および背景から説き起こし、エジプト、ギリシァ、ローマなどにおける数を書き表わすためのさまざまな工夫、ソロバンや計算尺の意義にもふれながら、数字と計算法の発達の跡をきわめて平明に語った、数の世界への楽しい道案内書。

    [ 目次 ]
    零の発見―アラビア数字の由来
    直線を切る―連続の問題

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    2011年04月26日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    何十年も前に書かれたとは思えない、今読んでも新鮮な文章。
    取っ付きにくいかと思ったけれど分かりやすい分で読みやすい。
    後ちょっとで読み終わります。
    学校数学はアレルギーですが文学としての数学は好きです。

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    2009年10月28日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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     零zero0
     零は7世紀頃インドで発見されたと世界史で習うだろう。でもそれが何に繋がったのか、どう各地に伝播したのかは全く教えられない。
     これはギリシアやエジプトの頃と比べて零がどういう意味を持つか、加えて昔の数学の書物がどれだけ偉大なものかを記している。それに加えて、18世紀頃までの数学の歴史もちょくちょく書かれていたりなんかして侮れない。
     始終零にまつわる話ではないが、十分に魅力的な内容を秘めている。

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    2009年10月04日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    ずっと読みたかった岩波新書の名著で、初めて数学史というものに触れてみた。人間が数字をどう捉えてきたのかということを考えもしなかったが、小中高で習ってきた数学の伏線回収の連続でとても楽しかった。対数えらい。

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    2023年06月28日
  • 数学の影絵

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     『零の発見』で著名な数学者によるエッセイ集。  

     所収の「数学とは何か」や「四色の地図」では比較的理論的な問題が取り上げられているが、多く日常生活を題材に取り、その中で数の意味や数学的捉え方を、分かりやすく説きあかしてくれる。

     80年以上前に発表されたものもあるが、ユーモア溢れる文章で、古さを感じずに愉しく読むことができた。

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    2023年01月22日
  • 零の発見 数学の生い立ち

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    数学史のなかから、零の発見と連続にまつわる、一般の読者にとっても興味深いと感じられる事実を紹介している本です。

    「零の発見」では、零という数字の発明によって位取りが可能になったことが、数学の発展に大きく寄与したことが語られます。

    「直線を切る」では、ピュタゴラスの定理やゼノンのパラドクス、デデキントの切断などの話題が紹介されています。

    ヨーロッパ数学と非ヨーロッパ圏の数学の関係についても、いくつかの興味深い事実が紹介されていて、おもしろく読むことができました。

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    2019年05月16日