吉田洋一のレビュー一覧
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ヨーロッパ(ローマ)数字はⅠ、Ⅱ、Ⅲ、、、でアラビア数字が0123…となっているのは皆さんご存知でしょう。そこにおいてⅩと10という表記の違いは位取り記数法に直結するコペルニクス的転回(笑)といえる大発見だったようです。が誰が0という大発見をしたのかが結局解けていないのが何とも不思議。
初版はなんと昭和13年。同じ著者が昭和53年に改訂していますが、40年も色褪せぬ一般教養のロングセラー。
もう一つ所収されている「直線を切る」は、古代ギリシャ数学における、ピタゴラスの定理から生まれる無理数の示唆とそれを認めるわけにいかないピタゴラス学派の苦悩、円積問題、さらにはゼノンのパラドックス(アキ -
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ネタバレインドでの「0(ゼロ)」の発見(発明?)が如何に重要だったかを、他の文明の記数法(数を表わす方法)と比較しながら解き明かす。確かに、「0」はインド人による歴史的大発見というのは”常識”として知っていたが、どう大発見だったのかについてはあまり意識したことがなかったけど、なるほど、数を書き表わすための工夫が、後々の計算法の発達や、数学的思考にも影響を及ぼしたとは。「零」の功績、存在意義を明らかにすることで、数の世界へといざなう数学入門書。ただ、やはり、後半は、ある程度、高度な数学的知識と理解がないと、面白さが判らなず、ついていけなくなってしまった。
数学を「理解」するというとハードルが上がるが、 -
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数学読み物の古典.本棚に20年以上積読だったのを読んだ.
前半が「零の発見」.位取り記数法の発展の歴史とその意義について.小数展開から極限,実数の話になる部分の流れが良くて感心した.
後半は「直線を切る」.デデキントによる実数の定義を最終地点に話は進むが,その中で無理数の発見,またゼノンの逆理やギリシャの3大問題などの有名な話が出てくる.私には,なぜギリシャ人が定規とコンパスだけの作図にこだわったのかという話(26節)が面白かった.
出てくる数学はほとんどが高校2年までの数学で,微積分の考え方を知っていると理解の助けになる部分が少しだけある.最後のデデキントの切断は大学の内容だが,例をう