スティーブン・コトラーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
テクノロジーの進化が指数関数的に進む未来を、具体的な分野別に描き出す一冊です。
本書の核にあるのは、「変化は直線的ではなく、指数関数的に加速する」という視点。AI、ロボティクス、バイオテクノロジー、エネルギー、3Dプリンティングなどが相互に影響し合い、想像以上のスピードで社会構造を変えていくと説きます。単なる未来予測ではなく、「なぜ加速するのか」というメカニズムから説明している点が特徴です。
印象的なのは、テクノロジーの脅威よりも機会の拡大にフォーカスしているところ。仕事が奪われる不安よりも、新しい産業や価値創造の余地が広がることを強調します。ただし楽観一辺倒ではなく、倫理や格差の問題にも触れ、変化に備える主体的な姿勢の重要性を示しています。
また、個人レベルで何をすべきかという問いにも踏み込みます。専門性の磨き方、学び続ける姿勢、ネットワークの築き方など、「加速する世界」に置いていかれないための思考習慣が具体的に提示されています。
未来を当てる本というより、未来に対する解像度を上げる本。変化を恐れるか、活かすか。その分岐点に立つ読者に、視野を広げる材料を与えてくれる一冊です。 -
Posted by ブクログ
今年読んだ本で文句なしのNo.1。今世の中で起こっていることがとても分かりやすく書いてある。素晴らしいのは、未来に希望が持てるというか、さらに進歩・発展することが楽しみになるところだ。
テーマはエクスポネンシャルとコンバージョン。なんのこっちゃ、と思うかもしれないが、あらゆるテクノロジーが指数関数的に開発され、それぞれが統合されることで、とてつもないことが起こりつつある、というのだ。
本書は2020年、コロナ直前に出版され、2030年の世の中を予想するものだ。2025年、半分まできたところで、当然のようにそうなったことや、予想より時間がかかりそうなこともたくさんある。特に、医療、教育、環境保護、エイジング、人口問題、宇宙への移住など、あらゆる方面で想像もしなかった展開になるだろう。著者の予想通り、2025年の現在はAIが普及して、一般の人ができることが広がってきている。
興味深かったのは、3Dプリンターで人間の臓器まで製造できるということ、AIとロボットの合体がどんな恩恵をもたらすのか、あと12年で老化の巻き戻しのスピードが老化自体を超えるということ、ドローンで1日何億本もの植林が可能であること、垂直農業で食糧危機に対処すること、など。
世の中の変化に遅れずについていくことは大変だ。ぼんやりしてなどいられない。2030年にもう一度読みたい。 -
購入済み
驚愕の未来!
すでにいろいろなテクノロジーがこれほどまでに実現していることにすら気づいていませんでした。これからのたった10年で、さらに指数関数的にテクノロジーの進化が続けば、昭和のSFのレベルをはるかに超えた未来が実現するに違いないことを確信させられた作品でした。コロナを乗り切ってあと10年は生きて、その未来を見届けたいなあ。息子、娘が今の私の年になる頃はいったいどんな世界なのか(約30年後)想像もつかない。バラ色とは言えなさそうだけれど、テクノロジーの使い道を権力者や富裕層など一部の人のためだけでなく、大衆化が進めば、今より少しは生きやすい世の中にできる可能性もあるように感じました。本当にためになった、心から読んで良かったと思える本でした。
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Posted by ブクログ
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
著:ピーター・ディアマンディス
訳:土方 奈美
解説:山本 康正
出版社:ニューズピックス
結構、引用などを含めてボリューム感があります。難易度高。2020年に書かれて、加速した10年後である、2030年に帰着するという内容なのでしょうか。AI、ロボット,VR などの話が舞台裏の裏話ともに紹介されていて、材料はだすから、結末は読者で考えてね感が強いです。
目次
はじめに
第1章 「コンバージェンス」の時代がやってくる
第2章 エクスポネンシャル・テクノロジー Part 1
第3章 エクスポネンシャル・テクノロジー Part 2
第4章 加速が“加速"する
第5章 買い物の未来
第6章 広告の未来
第7章 エンターテインメントの未来
第8章 教育の未来
第9章 医療の未来
第10章 寿命延長の未来
第11章 保険・金融・不動産の未来
第12章 食料の未来
第13章 脅威と解決策
第14章 5つの大移動がはじまる
おわりに
謝辞
解説:日本人が今、本書から学ぶべきこと
原注
ISBN:9784910063133
出版社:ニューズピックス
判型:4-6
ページ数:448ページ
定価:2400円(本体)
2020年12月22日 第1刷発行
2021年02月24日 第6刷発行 -
Posted by ブクログ
前著の題名通り楽観主義的な未来予想だが、夢があって良いなぁ〜と思った。革新的技術がコンバージェンス(融合)してさらなる加速をもたらす。その破壊的な成長産業に乗っかれないと恐ろしい目をみるのでは・・とも感じた。しかし運用する人間は変化を嫌う生き物だし、ここまで全面的に大衆は受け入れないだろう。バーチャルの世界に没頭するなんて廃人みたいなものに思えるし。EVの加速はハイブリッドなどで太刀打ちできなくなった欧米勢が自動車産業の主導権を取り戻すため施策したものであって、環境への配慮って動機は一部のはず。中国勢のEV攻勢で欧州も姿勢に変化が出ている。確かに航続距離は増えてるが冷暖房とかも考えるとまだまだ。車を所有する時代は終わって空飛ぶドローンが活躍とか、ハイパーループとかって言うが、車みたいに転がさずに飛ばしたり、さらに超高速でモノを動かすってのは現状より膨大なエネルギーとコストかかってしまうのでは?そこの技術的な背景は要説明では? あと核融合の開発について触れられてないのも疑問に感じた、専門外だったのかな。これまで軍事技術が民間に応用されるケースが多かったがこれからはどうなのだろう。ロボットがどんどん拡大していくと言っておきながら、13章でBMWが完全自動組立ラインを人間とロボットのチームに置き換えると生産性が85%向上したことを紹介してる。どっちなんだ?
金融革命が産業革命をもたらしたように、今は資金集めの方法も多様化してスタートアップ企業にすごい投資が集まってる。バクチみたいだが中には当たりも出るだろう。
やはりAIをいかに活用して取り込んでいくかが一番面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本はテクノロジーの進歩が等比級数的=エクスポネンシャルに加速し、世の中がより便利になるという前提になっている。実際、本書は2020年12年に出版されているが、当時書かれていなかった技術であるチャットGPTが2年後に出現し爆発的なインパクトをもたらしている。
テクノロジーの進化は加速し、買い物、広告、エンタメ、教育、医療、保険・金融、食料と我々の生活のあらゆる側面に影響をおよぼすようになる。言い換えれば我々の社会のあり方を変え、人間の生き方を変えるという事でもある。予定を入れるとAIが必要な服を提案し、その中から気に入ったものを選択すると3Dプリンタが作成したものを翌日に配送する。そして、自動運転の自動車が出発予定時間には玄関の前で待機しており、前日に届いた服を着て車に乗り込むだけ。到着までは車中で仕事の準備をしたり映画を見たり、眠ったりと自由に過ごせる。そんな未来が例として描かれている。数々のSF映画で描かれていたような未来が現実となるという事である。
一方で見落としているのが、便利になる反面で人間が何も考えなくなる、つまりバカになっていくという事の弊害である。技術の進歩によって使える時間の余剰が生じ、その時間をより生産的な事に使えるようになるという議論も存在するが、実際にはその時間をゲームなどの非生産的な活動に使う人間が大半になるであろう事は想像に難くない。退廃的で考えなくなった人間が世の中に何十億人と溢れた社会の行く末については本書では触れられていない。
空恐ろしいのは、自分の精神や意識をデジタル化し、物理的な身体からバーチャル世界にそれらを移す事が可能となったとき、それを選択する人間も出てくるであろうという予測である。そうなってくるともはや人間とは何ぞやという哲学的な問題が出てくる。
本書が指摘する社会の変化の加速には議論の余地は無い。読み応えのある本ではあったが、その先に待ち受ける人類の未来が明るいものであるという希望が感じられなかった。 -
Posted by ブクログ
本書の主張はさまざまな分野の技術進歩が掛け合わさることで指数関数的な技術進化が起こる、進歩が加速化されるということで、空飛ぶ車からブレイン・コンピュータ・インタフェースまでさまざまな技術動向について解説しています。読後の率直な感想ですが、かなり網羅的に技術変化をカバーしている本なので、辞書・リファレンス的な価値は高いと思う反面、本書を貫くキーメッセージの「進化が加速する」については、特に目新しさ、「目からうろこ」感はもたなかった、というところです。つまり将来的にある特定分野の技術進歩について確認したいときには本書を読み返すのも良いという印象でした。
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Posted by ブクログ
一体、今のテクノロジーは世の中をどこに連れていこうとしているのだろうか。
テキストだけでなく音声や画像、感覚まであらゆるものがデータとなり、収集、解析され、個々人向けに「最適化」され、あらゆるものはカスタムメイドとなり、3Dプリンタで作り出すことができる。
クルマは持つものではなく、無人で勝手にやってくるものになり、寝不足であることをウエアラブルが感知していれば、シートはベッド型で到着するようになる。莫大な時間が自由に使えるようになる。
太陽光(ちなみに風力も太陽光の一種)の活用は、二酸化炭素の排出を激減させ、かつ莫大なエネルギーの増加をもたらす。そのために必要なのは蓄電池。
ベゾスとマスクは宇宙に出ようとしている。まさにユニバースの拡張。
究極的には考えただけでネットに繋がる。脳のインターネットの時代が近づいている。
著者はこれらを素晴らしい未来と位置付けている。人間の可能性の拡張を意味するから。賛同するか恐れるかは人次第だろう。
私はと言えば、これらが私というささやかな人格の「自由」を拡張してくれるのか、それにもっとも関心がある。言い換えれば便利になることへの優先順位はそれに比べれば高くはない。
ともあれ、今の日本人はとにかく未来に希望を持てなくなっている。そうやってただ疲弊し、周囲に同調し、みずから動きはしないが不満はある、という澱んだ空気がわが国を覆っている中で、こういう明快なビジョンを語る本を読むこと自体に沸き立つような興奮を覚える。しかもそれはおとぎ話ではないのだ(最後、著者がプロデュースする各種プログラムの宣伝で終わるあたりに本書の性格が垣間見えるのでそこは冷静に)。
最後に。こうしたビジョナリー本を読むたびに思うのは、こうして今の課題がテクノロジーによって解決されたあと、次はどんな課題に直面することになるのか、それをビジョナリーに予測する本がなかなかないということだ。
村上春樹がいうように、世の中は進歩しているというよりは「日々その悲惨さの相貌を変化させているだけ」と私は思うし、シンプルに言えば、問題は解決されれば必ず次の課題を招き入れてくるものだからだ。
「これこれのテクノロジーでこんな素晴らしい未来になりますよ、でもその頃には想像もしていなかった別のこれこれのような危機がやってきますよ、その解決策はその時代にならないと分かりませんよ」、という本を読んでみたい。