秋月達郎のレビュー一覧
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こちらの本もまた2023年の「啓文堂書店の記憶に残るpart2 愛の本」に掲載された稲田堤店さん推薦の本だった。
この話はフィクションだとしたら出来過ぎの「史実」に基づく内容だと知り、大いに驚き大いに心を動かされた。
全編にわたるエピソードのほとんどが奇跡の物語に思えるほどだった。
海難事故当時の日本人もイライラ戦争時のトルコの人々も、何の躊躇もなく互いの人々を助けたのだが、命がけの行動であり自分にマネできるのか正直自信はない。
が、このような勇気ある行動を実践できる民族の一人であることを忘れずに生きたいものだ。
啓文堂書店さんのチョイスは毎回素晴らしい。全く知らない新たな世界へ誘っていただき -
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涙腺崩壊!
通勤電車で読んではいけない。
電車内で嗚咽あげてしまった...
この手の物語には弱いのよ。
・エルトゥールル号遭難事件
・日露戦争
・イラン・イラク戦争時のトルコ航空機での日本人救済
が描かれています。
トルコの日本人救済やその背景にあったエルトゥールル号遭難事件はテレビでも何度も紹介されていることもあり、知っている事柄です。
特に、エルトゥールル号遭難事件は映画にもなりましたしね。
しかし、本書のポイントは、その恩返しとして語られる、トルコの日本人救済。
自国民を置いてまで、日本人を救う決断をしたトルコ政府。
涙出ます。
本書を読むことで、その当時の混乱、困難、想い、意志 -
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1980年に勃発したイランイラク戦争。
1985年当時のイラクの大統領フセインが出した、これから48時間以降に領空内に侵入した航空機は無差別に攻撃する、という声明で起こった出国パニック。
どの国も自国民救出を優先するため、脱出チケットが手に入らない。法律の壁に阻まれて自衛隊も出動できず、国からの救助は絶望的に。
中東に空路を持つ日本航空会社はなく、このままでは戦禍の中に多くの日本人が取り残されてしまうという絶望の中、唯一日本人救出のために動いた国、トルコ。
彼らトルコ人は100年前に受けたエルトゥールル号の恩返しと皆口を揃えて言う。
中間に、エルトゥールル号事件(1890年)とは何か、その時 -
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耳にしただけで涙腺が緩む単語が私にはいくつかある。最近は歳のせいか、昔より涙もろくなっているような気もするが、この本に登場する『エルトゥールル号』もそうした単語のひとつだ。
といっても私の感涙ポイントはエルトゥールル号そのものではなく、イラン・イラク戦争の折、自分が直接助けられた訳でもないトルコ人が日本人に対して示してくれた態度のほう。
危険を承知で飛行機を飛ばしてくれたトルコ航空のクルーはもちろん、イランとトルコは地続きだから、と自国の飛行機を日本人に譲り、車で避難したトルコ人達には本当に頭が下がる。
私がその立場であったら、自国民を優先して当然!と自分の権利を主張してしまいそうだ。(今後 -
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いやぁ、感動した。日本ですら救出機の出航を拒否したのに、トルコから120年前のエルトゥールル号遭難救出の恩義から救出機2機を出航すると宣言する。更にはトルコ人600名含めると救出機2機では足らないと分かったときに、日本人を優先し溢れたトルコ人は陸地を移動すると決断した箇所を新幹線車中で読んだ瞬間、涙が止まらなくなり、嗚咽すら出る寸前までいってしまった。それにしても、自国民が大変な時に大日本航空の倉元組合委員長の判断は、如何なものかと思う。それに対して、日本が窮地に陥ったときには、何が何でも手を差し伸べろと子々孫々言い伝えられたことを守ったトルコは素晴らしい。今の日本が逆の立場だとしたら本当にで
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イラン・イラク戦争開始から5年経った1985年、イラク軍のフセイン大統領は、突如48時間後以降にイラン領空を飛ぶ航空機に無差別攻撃をすることを宣言する。
欧米諸国は驚くほどに素早い対応で、航空機を準備し、自国の国民を搭乗させて避難していく中、日本はというと、当日、自衛隊を海外に派遣する法的条件が整っていないうえ、社会党や市民団体の猛烈な反対運動にあい、自衛隊は派遣できない。民間の大日本航空が名乗りをあげ、イランへ航空機を準備、機長も手を挙げるが、組合側がわざわざ危険な地に旅客機を飛ばすわけにはいかないと猛反対をされ、手をあぐねる。
刻々とタイムリミットは近づいてくる。
そんな日本の苦境を -
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[100年越しの恩返し]イラク・イラン戦争の激化に伴い、サダム・フセイン大統領(当時)が発した無差別飛行機撃墜指令。日本からの救援機が駆けつけない中で絶望的な状況に置かれたテヘランの在留邦人であったが、彼らを救ったのは「エルトゥールル号の恩返し」という掛け声を理由として立ち上がったトルコの人々であった……。実際に起きた出来事を基にした小説です。著者は、ミステリーやファンタジーなども手がける秋月達郎。
ただでさえ感動的な出来事を扱ってる上に、著者のほとばしるまでの日×トルコ間の友好への感情が文章に乗り移っているため、読む側も「こんなことがあったのか」と感嘆しながらページを繰ることになるはず。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ明治時代に日本人が、難破したトルコの船乗りたちを助け、トルコに送り届けたことは、テレビや絵本で知っていた。けどそれがトルコの教科書に載っていて、しかも日本人に恩返しをするように教えられていたとは全く知らなかった。イランイラク戦争で、イランに住んでいた日本人を助けるためにトルコの航空機が飛び、トルコ人より優先して日本人を助けてくれたことは、知らなかった。ニュースをさらっと流してしまったのかもしない。
中国の反日運動とトルコの教育をくらべてみると、子どものころからの教育がのちのちの人の考え方に大きく影響することがよくわかる。日本もしっかりと、教えるべきことを教えないといけない。外国との関