秋月達郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[100年越しの恩返し]イラク・イラン戦争の激化に伴い、サダム・フセイン大統領(当時)が発した無差別飛行機撃墜指令。日本からの救援機が駆けつけない中で絶望的な状況に置かれたテヘランの在留邦人であったが、彼らを救ったのは「エルトゥールル号の恩返し」という掛け声を理由として立ち上がったトルコの人々であった……。実際に起きた出来事を基にした小説です。著者は、ミステリーやファンタジーなども手がける秋月達郎。
ただでさえ感動的な出来事を扱ってる上に、著者のほとばしるまでの日×トルコ間の友好への感情が文章に乗り移っているため、読む側も「こんなことがあったのか」と感嘆しながらページを繰ることになるはず。それにしても国家の間でこのような関係が築けるものなのかと改めて驚かされると同時に、その幸せな最初の邂逅に思いを馳せずにはいられませんでした。
勤め先が絡んでくることもあり、「当時の大使館の動きはどのようなものだったのか」という半ば実務的な観点からも読んでみたのですが、コミュニケーション手段が発達していない中で、もはや公私の別なく救援のために働いていたことが描かれており、自然と背筋が伸びての読書となりました。個人的には実名を用いたノンフィクションの方が良かったのでは、と感じたのですが、それでも十分に楽しめた一冊です。
〜恩を忘れないかぎり、歴史は紡がれつづけます。〜
最近、トルコのエルドアン首相がサッカーでハットトリックを達成したらしいです☆5つ -
Posted by ブクログ
ネタバレ明治時代に日本人が、難破したトルコの船乗りたちを助け、トルコに送り届けたことは、テレビや絵本で知っていた。けどそれがトルコの教科書に載っていて、しかも日本人に恩返しをするように教えられていたとは全く知らなかった。イランイラク戦争で、イランに住んでいた日本人を助けるためにトルコの航空機が飛び、トルコ人より優先して日本人を助けてくれたことは、知らなかった。ニュースをさらっと流してしまったのかもしない。
中国の反日運動とトルコの教育をくらべてみると、子どものころからの教育がのちのちの人の考え方に大きく影響することがよくわかる。日本もしっかりと、教えるべきことを教えないといけない。外国との関係とか知らな過ぎると思う。
日本の自衛隊や航空機が飛ばないと分かったときの日本人の絶望。日航で組合委員長として飛行機を飛ばすことを反対したのは、山崎豊子の「沈まぬ太陽」で主人公の恩地さんだと思う。組合というものも考えさせられた。
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Posted by ブクログ
『恩』と言うものが、どれだけ人の心を揺さぶるものかを感じました。
エルトゥールル号遭難事件と日露戦争勝利の2つが、トルコ(オスマン)の人々に子々孫々まで大きな影響を与えていたんですね。秋山真之が絡んでいた事、野田正太郎や山田虎次郎と言う人物がいた事、そして95年後のイランイラク戦争での事は全く知りませんでした。作品には、都合の良い脚色も多いかと思いますが、真実を追求する意味はあまりなく、素直にトルコ人に感謝したいです。
ただ、本書の「解説」で、日本人を過小評価している内容がありました。エルトゥールル号遭難事件で、最初に日本人がトルコ人を助けたのは、『恩』ではなく純粋な『人道的見地』からの行為です。イランイラク戦争でのトルコ人の行為は『恩』が先立っての『人道的見地』です。そう考えると、『恩』もないのに『人道的見地』のみで行動した当時の日本人も素晴らしく、その子孫である我々にその血は受け継がれています。
そんな風に視点を変えると、日本人は、過去の恩に捉われ過ぎず、『人道的見地』から平等な行動できる民族なのかもしれません。もちろん『恩返し』は素晴らしい事であって、恩に熱いトルコ人は大好きです。少なくともこの作品(出来事)は、日本人もトルコ人も素晴らしいと言う事が物語られているだけに、締めである「解説」の内容としては矛盾を感じるものでした。
そうは言っても、作品自体は素晴らしいもので、涙なしには読み続ける事ができません。その涙腺を緩めるものは『人道的見地』ではなく『恩』だったりするんですよね!
エルトゥールル号遭難事件は1890年、日露戦争勝利は1905年、イランイラク戦争(邦人のイラン脱出)は1985年、トルコ大地震(日本の支援)は1999年、東日本大震災(トルコの支援)は2011年、色々と助け助けられています。これからもこんな関係を続けて行きたいものです。
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下記の記事で、トルコ首相の気持ちに「エルトゥールル号遭難事件」があると感じる事ができるのは、知る人ぞ知る人の特権ですね。
【東日本大震災の記事から】
震災後には、世界20カ国・地域から救助隊や医療支援チームが来日。3月20日に現地入りしたトルコの救助隊が約3週間と最も長く活動した。エルドアン同国首相は「日本に十分貢献するまで帰国するな」と送り出したという。・・・背景にはトルコ国民の親日感情に加え、地震国としての共感がある。1999年に約1万7000人が死亡したトルコ大地震で、日本が救助隊を送ったことは同国民の記憶に新しい。
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ありがとうございます。 -
Posted by ブクログ
これは是非皆さんに読んでほしい作品。
現在、トルコと日本が友好関係にあることは知られていますが、そのきっかけとなったのが紀伊沖で起きたエルトゥールル号事件です。
この作品はエルトゥールル号事件でトルコ人を命がけで助けた紀伊の人々の姿や、その恩返しにイラン・イラク戦争で孤立した日本人を救出するトルコ人の姿が、実際に関わった人達の伝承や証言をもとに活き活きと描かれています。
私自身が和歌山県民ということもあってこの事件には思い入れが深いのですが、本当に感動できる物語でした。エルトゥールル号事件と日本‐トルコ交流が後世に語り継がれることを願って。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ●一の箱 末之青江×真柄直隆
面白い。真柄直隆の最期の言葉(フレーズに記載)、
時代小説はこうでなくっちゃあ。
●二の箱 こぶ屋藤四郎×千利休
語らずに伝える。聞こえない声を聴く。見事。
●三の箱 山鳥毛×上杉景勝
山鳥毛の刃毀れにまつわる景勝の記憶。
養父を慕っていたからこその裏返しの行動だったのだろう。
●四の箱 へし切長谷部×黒田官兵衛
これだけの才覚がありながら取れなかった天下。
辞世の句、潔さのどこかに、悔しさも感じてしまう。
ツキがなかった、その一言に尽きる人生。
●五の箱 泛塵×真田幸村
現世から失せている…幸村の寂しい最期と相まって戦国のロマンを感じるとか稚拙な表現しかできないものの、不思議な気持ちになる。
●六の箱 一期一振×徳川家康
アンチ家康のせいか、退屈に感じた。
●七の箱 にっかり青江×京極忠高
ホラーの要素。忠高を止める初姫と、初姫を助けるお志ょうにキュンとする。
●八の箱 肥前忠吉×勝海舟
幕末前後は興味がなく、そのころの作品にはほとんど触れていないが、本作は興味深く読んだ。蓮月が西郷にあてた和歌、刀の辿った運命に思わずうなる。
●九の箱 三日月宗近×高台院
ファンタジーの仕上がり。
私のつたない知識のせいで楽しめなかった部分も多いと思うが、戦国の時代を以てして数十年、数百年前の刀剣が活きていることに魅力を感じる。表紙のシルバーでかたどった刀が素晴らしい。