谷本真由美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キャリアポルノとは、他人のキャリアを眺めて満足する、その対象を指す。ポルノが眺めることで性欲を満たし、実際に性行動に及ばないことになぞらえた著者の造語である。そして著者はキャリアポルノを自己啓発書とほとんど同義で使っている。
2章のアメリカと欧米における自己啓発の比較が面白い。
アメリカは自己啓発の最大マーケットであるが、その背景として移民国家であり努力が結実する―――いわゆるアメリカンドリーム―――という信条が宗教的レベルで浸透しているからだと著者は指摘する。
一方欧州は、個人主義でありながら地縁・血縁等、「本人の努力ではいかんともしがたいもの」を重視する文化がある。それゆえ、努力すればなりたい自分になれるとうたう自己啓発には馴染みが薄いのだ、と。
2章は「人はなぜキャリアポルノを読むのか」がテーマなのだが、著者の指摘は非常に身につまされる。ずばり、キャリアポルノを読むのは敗者である。そして敗者の中でも、「根本にあるのは怠惰であり、模倣」であり、「自己啓発書が好きな人々の心には、自由化、進歩、貢献という言葉はありません。自己中心的な怠け者なので、世の中に貢献しようという気もないのです」とばっさり切って捨てる。
全くその通り。私自身、自己啓発書はさんざん読んできた。今も勝間和代を読んでいるところだ。しかしいくら自己啓発書を読んでも大して自分が変わっていないので、これはいったいどういうことだろうと思っていたところで本書と出会った。
思い返せば、人生がうまくいっているとき、あるいはうまくいっていなくともなにをすべきかはっきりしているときは自己啓発書に手は延びない。自己啓発書を読むのは、現状にぼんやりした不満があるものの何をしていいかわからない時だ。まさに何者かになりたくて読むのである。
勝間和代の真似はできない…と落ち込みかけていたが、本書から得た示唆は「まあそんなことどうでもいい」である。他人は他人、自分は自分。今の自分は、成功者の金科玉条より、もっと目を向けるべきものがあると気づかされた。それは家族であったり職場の同僚であったり、つまり目の前にいる人たちだ。 -
Posted by ブクログ
良い本だった。特に最後の第5章は秀逸。
僕が自己啓発本を好んで読み、結果公私ともにかなりの向上があり、幸せになれたので、この本の題名から批判するために買っていた。
時間が出来たので読んでみたがとても良かった。
僕なりにまとめると次のようになる。
“自分は自分なので、そのことを受け入れよう。
思考停止にならず、本当に好きなことをしよう。
仕事や会社に囚われないように自分の人生を生きよう。”
著者自身も以前は自己啓発本好きのキャリアポルノだったことから、思考停止の自己啓発本好きに対して親切心で、
「なぜ自分は自己啓発本が好きなのか?」
と立ち止まって自問自答すべきだと教えてくれる本。
自分に自信がないからかも。
もしくは鬱になっているからかも。
僕は今後も自己啓発本を読み続けるが、自己啓発本を好きな方は一度この本を読んでみることをお勧めする。 -
Posted by ブクログ
私は、結構、著者の指摘するような、どうしょうもない自己啓発本を結構読みます。
読んでいるときは、「自分でもできる!」と思いますが、2週間ぐらいで、その効力は失います。
軽い薬みたいなもんだと思っています。
自己啓発本を読んだからって、「現実」はあまり変わりません。ただ、自分の場合、苦しい状況が100あったら、90ぐらいには、減らすことができます。自己啓発本は、それぐらいのものだと思っています。
「ある時」から急に人は、「できる人」にはなりません。こんなことは、小学生でもわかっています。著者の指摘では、自己啓発本を読むことは人生の無駄だと思いますが、無駄でいいと思います。そんなに、世の中に価値あるものなんて、転がっていないわけですから。
著者の書き方には、たまにカチンときますし、なんか、一気に書いたようなスピード感を感じますが、
一度、自己啓発本をたくさん読んでいる人、その社会背景などをきっちり調べた方がいいかもしれません。
まぁ、こういう考え方もあるんだと思って、自己啓発本を読むという、読書を継続していこうと思います。 -
Posted by ブクログ
余り知らなかったが、ツイッターなどで色々発信している人の本。タイトルにつられて読みました。
基本的には海外で働いている作者は、海外から見た日本の文化、職業環境など、”日本人が正常”と思っているようなことが狂っている、という軸で書かれています。ただ「今の日本人は、海外からみたらおかしい」という発言をその立場にいる作者がいくことで、作者=日本以外の全意見という体になっているので、主張が重く高圧的。批判を挟む余地なしに、ずけずけという文章には好き嫌いがわかれるところかもしれません。以下抜粋
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・何事も真剣に捉えず、笑いのセンスで対応する。すなわちそれは、人生を楽しみ、些細な事は無視し本質を重視し、いつも人生の明るい面を見ようとするイギリス的な悟りがもたらした、豊かさ。
・日本の外では「労働は生活の手段にしか過ぎない」という人が大多数。
・国というのは、想像の共同体にしか過ぎず、国民というのは発明されるもの。 -
Posted by ブクログ
日本と外国を行き来する生活を送っている著者が感じた日本の働き方の限界と、どうすればよいかを述べたのが今回の本。
ベストセラー本の移り変わりを使って日本人の意識について述べている。今は、自己啓発本が流行している。その一方で、1990年のベストセラー本を見ると、落合信彦、長谷川慶太郎、堺屋太一と言った世界や未来に関する本を書いている著者に人気があった。そこから見えるのは、どうやったら自分のスキルが伸ばせるかと言うことに重点が置かれているのがわかる。
仕事第一でプライベートは二の次、会社が人生のすべて身を粉にして働くのが美徳と思われている日本だが、その意識が変わってきている。著者が引用している世界価値観調査(World Values Surveys)と言う調査で、仕事よりも余暇が重要と思っている人の割合が高いと言う結果を紹介している。
手軽に自己改革をうたっている自己啓発書やジャンボ宝くじに飛びつく人がいる理由もわかるなあ。仕事は美徳ではなく、可能ならやりたくないと潜在的に思っている人がたくさんいるのだろう。
「カイシャ」というシステムの終焉と著者は述べているが、実際に会社に通わずに在宅で勤務している人もいる。また、外国にアウトソーシングして人を雇う形態も増えている。
生き残りたければ「自分商店」を目指せ!では、良くある人気ランキングを参考にしてもその企業がこの先まであるかどうかという保証がない。「渡り鳥」になれとして、おいしいエサにありつける業種に移動することの必要性も説いている。そして「ロボットに取って代わられるような仕事ではなく、就きたい仕事ではなく、求められる仕事を選ぶべきとも説いている。投資と節税にも関心を示すべきとも述べている。やはりお金は大事だよということだな。 -
Posted by ブクログ
「キャリアポルノ」とは、自己啓発書のことです。
巷では、自己啓発書があふれています。
1週間、1億円稼ぐとか、できる・・・とか。
この手の本を、読みあさっても、できた試しがない。
まったく俺のことを言っている。俺の本棚は、この手の本ばかりだ。
ナポレオン・ヒルの本を買って、30年も経つが、人生上向いていない。
ここ数年は、最悪だ。
結局、キャリアポルノは、読んでいる間だけ、気持ちが高揚していて、できるつもりになる。
努力もせずにできるわけない。
人は、そんなにすぐに変われない。
俺も、人生50年やってきて、つくづく思ったよ。
キャリアポルノを読んで、上を目指すのは、やめて。
他の人生を楽しもう。
そんな気がしてきたな。 -
Posted by ブクログ
他の本と併読してたおかげで、結局五ヶ月近くかかってしまったけれど、最後は一気に読みました。
外国に住み働いてるからこそ、見えて来る日本の姿のオカシサを小気味良く書かれていて、面白く読めました。
もちろん、独断的な部分に感じる箇所もあって、それについては「いろいろある見解の一つ」というスタンスで受け取りました。
「これが唯一の答えだ!」と捉えるのは、「ちょっとマテ」と言いたいけれども、十代、二十代、ひょっとしたら三十代も入るかもしれないけれど、若い人に読んで「あ、日本の中のこのシステムは日本ローカルのモノでしかないんだな」なんてちょっと心の中が風通しよく感じられればいいな、と思いました。それによって一歩を踏み出すことになってもいいのだろうと思うし。
そういう「刺激剤」的効果の強い作品だなーと思いました。
うん、ワタシの中でも風通し良くなった所あったね。
もしくは感じてた事が強化された所もあったと思う。