トウテムポールのレビュー一覧
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BLから一般誌に作品を描いている人が珍しくなくなった昨今。トウテムポール作品を読んでいると、BLだからこそ実力が発揮できる人と(漫画が上手い)元々作家自身が持っている漫画力は別物なんだな、と気付かされる。BLだからこそ醸し出される空気感が別格であっても、一般漫画にそれが通用するかと言うと、そうでもなかったりしたりする。BLは少女漫画派生のジャンルだが、少女漫画では決してないのだ。作家の一番いい所を出せるのがBLと言うジャンルで描かれる作品である場合、BL内で実力が上位にあっても、一般ジャンルでその実力が発揮できるかは一概にイコールではない。
トウテムポール作品の『東京心中』シリーズは「お仕事BL」と言う冠が付いて、一気に人気作に躍り出たが、一般ジャンルの『或るアホウの一生』を読んでいると、この作家さんの非常に優れている所が「登場人物の練り込みが自然でありながら個性をきちんと持っている」と言う事だと解る。『東京~』では「矢野さん」と言うジャンルを作ったように、本作の主人公の高以良瞬を見ていて、厄介・扱いにくい・バカだなぁと思う反面、絶対的に憎めないやつ、と言う結論に達する。彼がまだ高校生と言う事もあるが、高以良は悩む事にも真っ直ぐで、澱みがない。ここまで真っ直ぐに苦悩・不安、その他諸々の「負」に対する事が出来るだろうか。それは高以良瞬と言う男の子だからの他ならない。
実に個性的な絵柄で、人物の顔に関してはあまり「装飾」がなく、言い方は悪いかもしれないが「華」はない、が、表情を捉えるセンスが抜群だ。少ない線で人物の心情を読者に垣間見せる事に長けている。高以良がプロ昇格した時の手順の下りで、写真を撮られる際の「顔」など、絵だけで読者を笑わせてしまう。
牧野の事を高以良が気持ち悪いと思う感覚とか、人間関係に於いてリアルに感じ得る「説明し難い気持ち」を切り取るのが至極秀逸で、この人、本当に人の事を見ているなぁ、と思う作家さんである。 -
Posted by ブクログ
矢野さんにとって、宮坂の存在は「暫定恋人」でするらないんだろう(笑)何か解ってないんだろう(笑)矢野さんの頭の中は「映像を作る事」でいっぱいで、それが仕事でもありながら、仕事だから頭の大半を占めていると言うのでもない、この人は純粋に映像の事しか考えないんだろうな。
対極にいるのが宮坂で、宮坂は全てが矢野さんであり、仕事をそつなくこなす能力を持っているが、矢野さんが居なければ器用貧乏まんまで、次の仕事に移っていたんだろう、矢野さんがどんなに「この仕事が向いている」とそこだけは認めて貰っているのに、それよりも自分の矢野さんに対する気持ちなのだ。
この二人の関係性はずーっとこのままでもいいんじゃないか、と言う気がする『はるのしんぞう』。矢野さんが宮坂の愛に気付き、応えようとする(初めて他人の気持ちを慮る)展開もBLジャンルとしては容易に想像できるが、矢野さんは宮坂を傷つけたりないがしろにして虐げている訳ではない。矢野さんは矢野さんとして他の人間と宮坂を比べて差別する事なく接している。宮坂も、そんな矢野さんを好きになったんだから、現在の関係性がずーっと続けば、この二人の幸せがいつでも現在進行形で「在る」んじゃないかな、と思った。
「また面倒くさくなってるな」と矢野さんに言われてしまった宮坂だが、面倒くさいの一言で片づけてしまう矢野さん、そこが矢野さんの最大級にいい所でもある。憶測を抱かず、そこに居る宮坂を認識してくれているんだから。
いつでも矢野さんに恋する宮坂もこのまんまでいて欲しい。矢野さんの様な人間にはこれくらいの押しの強さがないと矢野さんのプライベート空間で存在を認知して貰える事さえ稀だろうから。
最近気づいたが、絶対寝ない男同士の関係を描く方が難しいんだよな。なんかそれを探している気がするわ、一周回って半周来たぐらいで。友情が愛情に変わってもいいじゃない!!あるある、それだけ相手が大事って事!!と言う気持ちでBL読んでたが、そこで敢えて「愛情」に行かず、友情のままで在り続ける様を求めてる、っちゅーか。寝てしまう方が簡単なんだよ、と言う気がして来た今日この頃。こいつと友達でいる限り、中二病的性質がどこかに残っててもそれが許される空間を得られる磁石コンビみたいな、な。まあどっちも彼女いるだろうけど。 -
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BL漫画というのは、密接に仕事(職業)と関わっている。
学生モノや異世界モノなどなど一部の事例は別として、そこに描かれるのが「男性」である限り、生活の糧を得る手段はきちんと描かれていたほうが物語としての説得力があるのだから当然だろう。
そしてBL漫画は(まあ正式名称があるかどうかは分からないけれど)【お仕事BL】というカテゴリを生むこととなった。
例えば、弁護士。例えば、お医者さん。例えば、やくざ。
職業は受や攻の属性として語られ、物語と切っても切れない関係を作り上げている。たとえ同じ職業や業界を扱っているとしても、「弁護士×やくざ」と「やくざ×弁護士」では、読み手が期待する物語もずいぶん変わってくるだろう。
だが、安易に与えられただけの属性は、ときに失望をも生む。
ばりばりの任侠ものが読みたくて、あるいはスマートな医者の物語を読みたくて、帯を頼りに手にとってみたところ、ほとんど職業の描写はなく肩すかしをくらったことも、数限りなくあった。
考えてみれば仕方がないことなのかもしれない。職業というのはその人物をイメージづけるための重要ななファクターではあるが、BLというエロと恋愛をメインにした物語においては記号でしかない場合もある。職業モノが読みたいなら池井戸潤でも読んでいろという向きもあるだろう。
だが、その登場人物の職業がていねいに描かれていると、その登場人物の輪郭がぐっと濃くなり、物語に説得力が生まれるのも確かなのだ。
『東京心中』は映像業界の【お仕事BL】だ。
絵柄が好きではないという方もあるだろう。
けれど、それ以上に、ていねいに描かれた業界の物語に圧倒されるはず。
カタギの一目惚れ、そしてカタギ同士がカップルになる、というBLとしてはまったく説得力のない展開にも関わらず、物語に説得力がある。
【お仕事BL】の底力を堪能できると思う。 -
Posted by ブクログ
面白い!!将棋指さないけど!!(笑)将棋の知識全くないけど(笑)
会社で激務を経験した人であろう事は間違いないが、トウテムポールさん、お幾つなんかな…高以良に師匠が言う「睡眠はしっかりとる 学校で(職場)勉強(仕事)をする お風呂に入ったりご飯を食べたり生活の時間も必要 将棋(趣味)への時間は限られる」って、メンタルやられて体調崩すと実感する。日常を運営せずに趣味に没頭してるだけでも楽しいかもしれない。仕事が趣味の人もあるだろう。が、人間生きていく上で自分の肉体を維持する為の日常の些末な「生活のための労力」を割く事を怠ってはいかんのだよなぁ。部屋が汚い・片付いてないとか、マイナスエネルギー引き寄せるからねー。割と時間割通りに一日を運営してく方が健康面には「良」と出る。こんなに真っ直ぐな高以良でも、負けが込むと凹んでマイナス思考になるんだよ…
やっぱトウテムポールさんは社会における人間関係の狡さとか歪さとかに対して、真っ当さで向かう人間の悔しさとか怒りとか気持ち悪さ描くの上手すぎる!!!高以良がいつも一緒に勉強してる敢えて言うなら仲間でもある牧野に(誰だ?お前。)って心の中で大きな疑問符浮かべる気持ち解るわー。ついこの間思った事だよ、誰だよお前、って…人間がどんだけ腹黒いか忘れてたわ、って事を心底味わったとこだよ。ポールさんの漫画は深いな…頭使うんだよなぁ。
漫画を描くのが心底上手い人だよ… -
Posted by ブクログ
東京心中の矢野さんの言葉は働く社会人の心の隙を突く。『アンタのドレイのママでイイ』の「お前が俺が大阪に行くことを嫌だと思うのはお前の自由だ 勝手に思っていればいい でもそれを表に出して俺を巻き込むな」「嫌だと思うことを嫌だと思うだけしかできないのか」…真理。矢野さん自身も人間の機微や感情に関してはとっても疎い人間だが、仕事を真面目にやるのが当たり前と信じて疑った事がない部分は働く人間のお手本だよ。与えられた状況で不満もありつつも如何に「やるか」を考えてやってきた人なんだろうな、って思う。こいつが嫌い、会社の考えが受け入れられない、ややこしい仕事はしたくない、とか、文句しか言わ事に労力割くのは無駄だ、ってとにかく「やり続け」なくちゃならんのだよ、給料貰ってる限り。テンポもあってサクサク読める感じに面白いんだけど、私にとっては現代人の深層心理を突く台詞がポンと入るので、実は物凄い脳みそ回転させながら読んでるので、腹が減るんだよ…糖分摂取しないと追いつかない、って状態になる(笑)
宮坂が矢野さん恋しいと思う気持ちは宮坂サイドの事情、矢野さんは矢野さんなりに、他の人間とは違う対応を宮坂に対してしていると言うのが矢野さんサイドの事情。ここにほんのちょっと気付いたりする描写が入っているとこがリアルだなぁ、と。『聖誕祭 東京心中6』、安定の面白さ。
好き=丸ごとその人を受け入れる、それがラブの証明と言う図式のBLがダメになったんだな、私…エゴを引っ込める事が相手への思いやり、って時点で萎える様になったんだわ。相手の人間の全てが一生解らないだろう、でもその人が好きだ、と言う気持ちがあるからこそ長く続く関係性になり得るんだろう。
好きに理屈なんかねぇ!!
自分を曲げる必要もねぇ!!
読者を「ハッピーエンドで良かった」って喜ばす必要もねぇ!!
「嫌い」と言う感情が正にそうだろう。
好きと嫌いは反対語な訳だから、図式も同じはず。
木原作品が好きなのは、相手に良く思われたい、と言う卑しい感情を抱く描写がほぼ無いからじゃないかな。ひたすらにエゴイスティック。それが「感情」だからだ。「愛情」も「感情」なのだ、理性で抑えきれないから「情」の一つなのだ。感情が生まれて理性が働いた時点でそれは「情」から「思考」に変わるんだろう。情に対して思考を持ち込んた時点で「情」自体の純度は下がるのだ。理性と感情は闘ったりしない。闘っていると錯覚するだけだ。どうやっても何をしても「情」を支持したい、優先したいが、それは「エゴ」として捉えられる可能性が高くなるから、自分をよく見せようと言う卑しさが出て、理性と闘っている風に感じてしまうだけなんだよ。
宮坂が転々と職を変えていたと言う下り、あと両親との関係がどうだったのかとか、まだ出て来てない。器用貧乏で人当たりもいい宮坂が、何故同じ職場で長続きしなかったのか…やりたい事がなかったから粘り強く好きな仕事をやってる矢野さんに惹かれたのか…興味深い。
矢野さん、酔っ払ってても上手にビールの空缶積むよな(笑)矢野さんは依然ヒロCでしか聴こえない…
宮坂はわちゃでしか聴こえない… -
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お仕事ものは一歩間違うと社会人にとっては自分のリアルな現実を思い起こさせられる時もあり、今は仕事関係のもの目にしたくないわー、って気分の時もあるが、東京心中は仕事のリアル感が物凄く出ているのに、面白く読めるてしまうのは人間関係に於いての「気付き」がさり気なく描かれてるからだろう…
大阪に行って欲しくない宮坂と矢野さんのやり取りが秀逸だ。人は弱っている時に、無意識に自分の弱り具合に周囲の人を巻き込もうとするもんだ、こんなに疲弊していると言う事を理解して貰いたいと言う事が正当性を帯び、勘違いしてしまうもんだ。そういう、誰もが無意識でやってしまう事を一刀両断できる矢野さんの頭の良さと客観性に「矢野さんっ!!!」と言う気持ちになった。
宮坂が矢野さんって言う人間が非常に好きなんだな、って事がよく解るんだよな、読んでると。BLだけど、社会人として働いていると、尊敬が高じてその人間が特別な存在になる瞬間ってあるよな、って言うのが解るから、BLと言うより社会人の世界に於いての人間関係の一つが描いてある、って思う。それにしても矢野さんの宮坂へのメール返信電報よりひでぇ(笑)。改めて笑えるわ~、やっぱり面白いわー、東京心中!!
心の奥底で、矢野さん役でヒロCがBLにカムバックしてくれんかな、ってひっそり思ってる。音声化するのは難しかろうが、ひっそり思うくらい自由だろう。
矢野さん、やっぱ「矢野さん」ってジャンルのワンアンドオンリーな人間だが、宮坂に対して恋愛していると言う意識は未だ皆無かもしれんが(笑)ちゃんと一個の人間として扱っていて、だからこそ自分との関係については怒鳴るだけじゃなく考えさせてる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ▼あらすじ
TV業界に入りたての新米AD、宮坂絢(みやさか けん)は厳しい先輩ディレクター、矢野聖司(やの せいじ)の下で働いている。
いつの間にか矢野への気持ちを抑えきれなくなった宮坂は告白し、彼女とも別れてしまうが、当の矢野はマイペースでお構いなしの様子に…。
男同士で!? 上司と部下で!? 問題だらけの恋愛で、一線を越えてしまったら…?
大人気WEBコミック単行本化、シリーズ連続刊行の第2弾! !
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上の方はそんなに激しく萌える要素が無かったなぁ…と思いながら下の方を読んだら激しく萌えた(笑)
酔ってデレデレになる矢野に萌え、矢野が手を上げたら撫でられに行く宮坂に萌え、矢野の赤い耳を宮坂が舐めるシーンで萌え…もう始終ニヤけっぱなしで、挙げ句の果てには念願の初えっちで叫び出したくなるほど萌えました…!(笑)
男気溢れてるくせに変にプライド高くてえっちの最中でも直ぐ手と足が出る矢野がとにかく可愛いです…!
しかもえっちの最中にポロッと関西弁が出ててこれに凄く萌えました!(笑)
あ、あれで29歳は反則だと思います…!
宮坂は宮坂でちょっとヘタレだけど攻めるところはグイグイ攻めてて…矢野とはまた違った男気を感じました(笑)
とりあえず宮坂のおかげでワンコ攻めに目覚めそうです(笑)
下は関係が進展したのもあって本当に面白かったです。
引き続き次巻にも期待したい…! -
Posted by ブクログ
今回も面白かった!前回に増してお仕事BLの割合が多かったけど矢野さんの映画論とかなるほど〜と思ったし、土台がしっかりしている上でのラブなのでリアルで説得力があるんですよね〜
相変わらずギャグ漫画っぽい絵柄なのにリアルで萌えもあるしキャラが本当に生き生きしてて魅力的!大の男がわんわん声を上げて泣いちゃったり、好きな人の前では格好悪くなってしまうのに、でもそれでも幸せっていう宮坂がホント愛おしい。でも矢野さんの日常をただビデオに撮って短編映画と言い切る様子は…やっぱり変態ですね(爆)
矢野さんの犬の話もよかったな〜。しんみりさせて最後落とすっていうね…さすが矢野さんw最高(*≧艸≦)