二宮フサのレビュー一覧
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17世紀フランスの貴族、ラ・ロシュフコー公爵フランソワ六世のお小言集。モラリスト文学などと称される、商業化以前の文学ジャンルです。
ロシュフコー家は王室のすぐ次の上席を占める大貴族でしたが、ブルジョワ革命前夜のこの時期の宮廷では、田舎司教から成り上がったリシュリュー、イタリア出身で国内に地盤のな...続きを読むPosted by ブクログ -
元気が出たり前向きになれるような言葉も良いのですが、モラリストの鋭い洞察から出てきた言葉や考察は見えなかったもの、見ようとしなかったものに気付かせてくれ、行き詰ったときのヒントや図に乗っているときの戒めとなりますので、こういう路線の方が好みです。一言一句おぼえて誰かに自慢げに言う機会を窺うなんて野暮...続きを読むPosted by ブクログ
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「ラ・ロシユフコー箴言集」岩波文庫
資生堂の福原会長が座右の書として、読まれている本である。
17世紀の公爵の言葉であるが、現在に生きる私たちにも心に響く
言葉があふれている。その中のひとつを紹介すると’年’について
以下のような箴言がある。
「我々は生涯のさまざまな年齢に全く...続きを読むPosted by ブクログ -
的を射ているが故、ともすれば批判の対象となるようなおいそれとは口にできない箴言の数々。厭世的かつ理性的な人間批評に唸らせられます。
ただの「人情家・人格者」として無遠慮・無思考に人間を礼讃することはけして無かったロシュフコー。その理性的な格言は兎に角一節読めば間違いなく感服させられます。Posted by ブクログ -
・我々の憎悪があまりに激しくなると、憎んでいる相手よりも下劣になる
・我々はみんな、他人の不幸を平気で見ていられるほどに強い
・薬が調合されるときに、そこに毒が入るように、徳が組み合わされるときに、そこに不徳が入る。知恵は徳と不徳をうまく調合し、それを人生の不幸に対して役に立てる
・愛の...続きを読むPosted by ブクログ -
1613〜80年代に生きたフランスの公爵。名門中の名門
貴族で、時の権力争い、国家闘争など人間のきたない部
分をたくさん見てきたんだろうな。人間の裏の裏をズバ
リ暴きだす!昔も今もどの国であろうと人の本質は一緒。
人の本音を知りたいあなたへ!
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ゲーテの格言集と違って人間の自己愛や虚栄心などの負の面について扱った本。人間の本性に深く切り込む本。
露悪趣味というか、ペシミズムが全体的に流れている。人間の負の側面の真実を的確に現しているのは確かだが、「それでどうした?」という思いがどうしてもぬぐえない。
「批判してれば偉くなった気になれる」...続きを読むPosted by ブクログ -
面白い。
やっぱり格言とか、みんな好きなのね。
短いから読みやすい…というのもあるけど、試行錯誤した苦労のあとも窺えていい。
人間の思考回路なんぞ、ついぞ変化しとらんね(笑)Posted by ブクログ -
友人に「ビアスに興味あるならこっちもオススメするよ」と言われ借りた本。
普通に面白かったです。ただ全部には納得がいかないかなー…。まぁ個人的に論語よりかは面白かったです。が、内容がウロ覚えなので☆4つ。Posted by ブクログ -
1.メンタリストDaiGoさんがお薦めしていたので読んでみたいと思いました。
バカな人の特徴をまとめてくれている本はあまり見かけないので興味を持ちました。
2.ラ・ロシュフコーという文学者がバカな人と頭がいい人の違いを説いた本です。
バカな人は自分への理解が浅はかであったり、自分の価値観だけで物事...続きを読むPosted by ブクログ -
箴言の一つ一つが、一度読んだだけでは、解しにくいが、二度三度読むと、ジワリと思い当たることが出てくる。まるで、するめのようなかみきれなさ、味わい深さ。Posted by ブクログ
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フランスのモラリスト文学の最高傑作とされている古典作品。モラリストとは人間の慣習や風習、性格や生き方などを省察し、断章形式や箴言のような独特の非連続的な文章で綴り続けた人々のことである。人間性探究の姿勢というのはフランス文学の一つの伝統でもある。Posted by ブクログ
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「人間性を剔抉して最も奥深く踏み込んだ残酷の書。読書の痛苦は、この薄い一冊と沈黙の対話を続ける忍耐に尽きるかも知れない。」(谷沢永一『読書人の悦楽』253頁)Posted by ブクログ