あらすじ
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身の上を隠し祖父の工場で働くようになったペリーヌは、その語学の才能が買われ、秘書となる。大きな工場の経営者として、工員たちから孤立する祖父ヴュルフランを、影ながら支えるペリーヌ。かたくななヴュルフランもペリーヌの優しさに触れ、工場の劣悪な状態を改革しはじめる。そして、ペリーヌが実の孫であることがわかる・・・アニメ「ペリーヌ物語」の原作。「家なき子」とともに19世紀フランス児童文学の傑作の完訳。
感情タグBEST3
ずっとずっと
テレビの子供向けのアニメで、「ペリーヌ物語」を見た時から、ずっとずっと、原作を、きちんと、読んでみたかった。今、この本に出会えて、とても幸せを感じている。
Posted by ブクログ
これは違う翻訳者、出版社でも読んでみたい。思慮深く、忍耐強く、そして分からない事は聞く。私には全てにおいてもっていない性格で、母親と孫娘を批判し会う必要もないと言われた時も辛抱強く、全否定するのではなくもしかしたらいい人かも。会えば考え方が変わるかもと周りの大人のへりくだる態度ではなくもしかしたら出ていけと言われるかも知れないのにちゃんと自分の意見を言えるのはすごい。そして自分の母親を悪く言っているし、もしかしたら自分が孫娘だと知ったら放り出されるのを承知で正しいと思える事をいう勇気と強さは多分何度読んでも感動すると思う。
書いていて手元にもっていたい一冊となってきた。
Posted by ブクログ
(上巻感想の続き、ほとんどアニメ版との比較)
下巻はほとんどアニメと同じなのだけど原作はロザリーの父親がいなかったりファブリの役目が違ったり女性の家庭教師がかなり重要で、どれも本筋やテーマは変えてないけれどベローム先生はアニメにも出してほしかった。あとヴュルフランの誕生日のやって欲しかったなあ。
アニメではペリーヌがファブリさんと気が合いそうでいつか結婚するのでは?と思ったけれど原作でも描かれるのはペリーヌの少女期だけだった。とりあえず原作を読んでよかった。ほんとうにドラマチックな名作だと思う。
おじいさまの「しあわせに暮らそうね…家族で」という柔らかい言葉が好き。
それにくわえて解説もかなり興味深い内容で、作者のマロが入念な取材を繰り返し、ペリーヌをうみだしたことがわかって面白かった。そして訳者の二宮フサさんが撮ったモデルとなった工場と屋敷の写真!小さなモノクロだけれどアニメで描かれてた工場と屋敷そっくりで感激した。アニメ版好きなひとにもおすすめです。
Posted by ブクログ
おじいさんが息子の葬儀に会社の人間が誰も来てくれなかったことに腹を立てて、自分も会社の人に病院なりきれいな集合住宅を作りたくないと主人公にもらしたら、主人公は他人が自分にしてくれなくても自分が人と同じことをしなくてもいい、自分が人に何かをしてほしかったら、まず自分が人に与えないといけないと諭したところは何事にも通じるものがあると思った。
Posted by ブクログ
10歳未満のお子さんなら、アニメから入るのが自然かもしれません。
10歳くらいになるまで、アニメの家なき娘を見ていないのなら、文庫を先に読むのがお勧めです。
文庫を読んだ上で、なぜ、アニメでは、まとめてしまったかを考えるのもよいかもしれません。
Posted by ブクログ
1978年のアニメ『ペリーヌ物語』原作の完訳版。フランス人を父に、インド人を母に持つ、聡明で強い意志を持つ少女が、苦難と悲運を乗り越えながら父の故郷を目指し、幸せをつかむまでの物語。
序盤のペリーヌに降りかかる不幸(母の死・貧困)は、『レ・ミゼラブル』のコゼットの境遇を彷彿とさせる。しかし、作者はペリーヌに鋼の意思と思慮深さを与え、逆境をものともしない逞しさで運命を切り開いていく少女に仕立て上げた。
読んでいて楽しいのは、不衛生で息苦しい女工の木賃宿を抜け出して、近くの沼沢地の小島でのサバイバル生活。手作りのエスパドリーユは誰か再現してほしい。
母の遺言「幸せになるんですよ」を実現するために、ペリーヌは一歩ずつ確実に、今ある状況に不平を漏らすことなく、目的に近づいていく。理不尽な言葉に何度も反論したい気持ちを呑み込むペリーヌには、身につまされるお勤め人の方も多いのではないだろうか。
物語は祖父の営む繊維会社で通訳として働くことになってからは、小気味よい展開に。しかし、思わぬ伏兵がペリーヌの前に立ちはだかる・・・!
最後は涙涙の大団円。巻末には訳者によるエクトール・マロ―の簡単な評伝、いくつか登場する馬車の図版、そして、訳者が尋ねたマロクールのモデルとなったフランス北西部のかつての繊維工業地帯の短い紀行文も添えられて、物語のイメージを膨らますのに一役買っている。
Posted by ブクログ
小さな小屋でのサバイバル生活が終わるので、ちょっと楽しみが薄れた。でも、すっかり少女を応援する気になっていたので、きちんとした終わりに導いてもらえてうれしい。後半は、人間関係を泳ぎ抜く、また別のサバイバル生活のような気もする。