【感想・ネタバレ】ラ・ロシュフコー箴言集のレビュー

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Posted by ブクログ 2016年04月07日

フランス・モラリスト文学の最高峰の一つの邦訳。寸鉄人を刺す「箴言集」といくらかまとまった「考察」に加え、枢機卿レによるロシュフコーの肖像、スウェーデン王クリスティーナの感想などを付した「訳注」など、かなり豊富な内容になっている。自己愛の観念を軸にして、様々な徳目の裏側を暴露していく箴言は、痛快である...続きを読むと同時に自省を促さずにはいない。絶対王政期の貴族が育んだこのような人間観察術は、宮廷社会が消滅した今でも、人の心の裏側を探ろうとする人にとって、興味深い。

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Posted by ブクログ 2016年02月14日

精神的に落ち込んだ時によく読む本。
ざっくり言うと「人って自己中だったり知恵足らずだったりして不完全」という感じの内容(※自己解釈)

箴言はよく読むが後半の考察はまだ見ていない。
私が精神的にもっと成熟したら読みたいとは思っているがいつになるだろうか。

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Posted by ブクログ 2015年04月05日

初めて、自分よりもさらにシニカルな視点を提供してもらえた。これで自分の立ち位置を明確にするスタートラインに立てたような気がする。

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Posted by ブクログ 2010年02月07日

フランスの貴族であり武人でもあったラ・ロシュフコーの短い警告文(箴言)を集めた本。人間の本質に対する深い洞察が、非常に短い文章の中に凝縮されている。建前を取り除いた、人間の本音の部分に気づかされる。
人間理解のために、人間の美徳を過大評価しないためにお勧め。
ひとつひとつの箴言にはつながりがないので...続きを読む、ふとした空き時間などに読むのにも良い。

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Posted by ブクログ 2023年12月14日

 人間とはどこまでいっても利己的で、俗にまみれ、怠惰で、愚かである。そんなことを愛や友情などの面から刺し続けた箴言の数々が楽しめる一冊。口の悪さに圧倒されるので、電車では読まないほうがよいかも……?私は何度も笑ってしまった。
 なにか人生訓や学びを垂れている訳ではないので、「言い得て妙だなぁ」と気軽...続きを読むに読めばよいのでなかろうか。たまに読み返すと、そのときそのときで違う言葉が響きそう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月08日

・われわれの持っている力は意志よりも大きい。だから事を不可能だときめこむのは、往々にして自分自身に対する言い逃れなのだ。

・みちたりた仕合わせは好みの中に存在するので、事物の中にあるのではない。だから人は自分の好きなものを得ることによって幸福になるので、他人が好ましく思うものを得るからではないのだ...続きを読む

・恋は燃える火と同じで、絶えずかき立てられていないと持続できない。だから希望を持ったり不安になったりすることができなくなると、たちまち恋は息絶えるのである。

・変わらぬ愛とは一種の絶え間ない心変わりである。つまりわれわれの心が、愛する人の持っているすべての美点に、ある時はここが好き、ある時はあそこが好きというふうに、次々に惚れこんでゆくのである。だからこの変わらぬ心は、同じ一人の相手に局限され、その人の中だけに閉じこめられた心変わりにほかならないのである。

・変わらぬ愛には二通りある。一方は、愛する人の中にその人の愛する新たな理由が絶えず見つかることから来ているもの、もう一つは、心変わりしないのを誇りにしているためのものである。

・人は皆、相手が自分の中に見つけるあらを相手の中に見つける。

・この世で最も仕合わせな人は、僅かな物で満足できる人だから、その意味では、幸福にするために無限の富の集積が必要な王侯や野心家は、最もみじめな人たちである。

・物を見るためには距離を置かねばならないのと同じに、交際においても距離を保つ必要がある。どんな人にも、自分をこう見て欲しいと思う角度がある。あまり近くから光を当てて欲しくないと思うのは、おおむねもっともなことだし、あらゆることにおいてありのままの自分を見て欲しいと思う人は、ほとんど一人もいないのである。

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Posted by ブクログ 2019年02月04日

他人が我々に真実を隠すことを怒ってはならない。そもそも我々は自分自身にこんなに度々真実を隠すのだから。

人は自分にとって願わしいことなら簡単に信じる。

賛辞は自分が得をするため。

われわれは幸福になるためよりも幸福だと人に思わせるために四苦八苦している。

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Posted by ブクログ 2015年02月08日

17世紀フランスの貴族、ラ・ロシュフコー公爵フランソワ六世のお小言集。モラリスト文学などと称される、商業化以前の文学ジャンルです。

ロシュフコー家は王室のすぐ次の上席を占める大貴族でしたが、ブルジョワ革命前夜のこの時期の宮廷では、田舎司教から成り上がったリシュリュー、イタリア出身で国内に地盤のな...続きを読むいマザランといった実力派が台頭しており、封建貴族のたそがれ時代であったようです。

不遇の貴族が不平不満をぼかしつつも語るという"あれもいかん、これはけしからん"スタイルはイスラムのコーランに近いものがありますが、著者ロシュフコー公爵のひねくれっぷりが素敵です。これもまた知識人的態度といえましょう。

近刊"他人を攻撃せずにいられない人たち""プライドが高くて迷惑な人"が評判を取った精神科医の片田先生がこれらロシュフコーの箴言を随所で引用しておられます。

◆解説より
○「私は読書を好む」(「自画像」)というラ・ロシュフコーが、戦いの合間の休息や隠棲の日々を過ごしたヴェルトイユ城の豊かな蔵書には、もちろんキケロもセネカもあった。彼らの説く結構な美徳に対して、対人関係でさんざん苦汁を飲まされてきたラ・ロシュフコーが、懐疑と反発を抱いたであろうことは、想像に難くない。これに反してエピクロスのアタラクシアには共感できたであろうし、諸家が指摘するように、モンテーニュは彼の愛読する作家だった。


◆箴言

○哲学は過去の不幸と未来の不幸をたやすく克服する。しかし現在の不幸は哲学を克服する。

○自分が偉いときめこんでいる人の思い違いを正してやることは、港に着く船は全部自分のものだと信じていたあのアテネの狂人に人びとがしたのと同じくらい、けしからぬおせっかいである。

○あの男は恩知らずだ、ただし彼の忘恩は、彼が悪いというよりも、むしろ彼に恩恵を施した男のほうに罪がある。

○誰かからいったん善いことをしてもらうと、その人に悪いことをされても甘受しなければならなくなる。

○自分の内に安らぎを見出せない時は、外にそれを求めても無駄である。

○われわれは、どちらかといえば、幸福になるためよりも幸福だと人に思わせるために、四苦八苦しているのである。

○何かを強く欲する前に、現にそれを所有する人がどれだけ幸福かを確かめておく必要がある。

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Posted by ブクログ 2014年12月04日

132他人に対して賢明であることは、自分自身に対して賢明であるよりもたやすい。
などなどフックのある言葉かっこいい。

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Posted by ブクログ 2012年11月30日

元気が出たり前向きになれるような言葉も良いのですが、モラリストの鋭い洞察から出てきた言葉や考察は見えなかったもの、見ようとしなかったものに気付かせてくれ、行き詰ったときのヒントや図に乗っているときの戒めとなりますので、こういう路線の方が好みです。一言一句おぼえて誰かに自慢げに言う機会を窺うなんて野暮...続きを読むな事はせず、何気なくページをめくりその時の自分に合う言葉をみつけて「ああ、そうだよね」と確認する。そんな付き合い方をしたいです。偉そうな語り口で納得のいかない言葉もいくつかあるんですけどね。

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Posted by ブクログ 2011年05月03日

「ラ・ロシユフコー箴言集」岩波文庫

 資生堂の福原会長が座右の書として、読まれている本である。

 17世紀の公爵の言葉であるが、現在に生きる私たちにも心に響く
 
 言葉があふれている。その中のひとつを紹介すると’年’について

 以下のような箴言がある。

 「我々は生涯のさまざまな年齢に全く...続きを読むの新参者としてたどり着く。

  だから、多くの場合、いくら年をとっていても、その年齢においては
  
  経験不足なのである」

 よく、「年齢は背番号である」、「これから始まる、一番若い年である」

 といろんな言葉があるが、考え一つですね。

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Posted by ブクログ 2010年10月29日

的を射ているが故、ともすれば批判の対象となるようなおいそれとは口にできない箴言の数々。厭世的かつ理性的な人間批評に唸らせられます。
ただの「人情家・人格者」として無遠慮・無思考に人間を礼讃することはけして無かったロシュフコー。その理性的な格言は兎に角一節読めば間違いなく感服させられます。

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Posted by ブクログ 2010年09月02日

・我々の憎悪があまりに激しくなると、憎んでいる相手よりも下劣になる

・我々はみんな、他人の不幸を平気で見ていられるほどに強い

・薬が調合されるときに、そこに毒が入るように、徳が組み合わされるときに、そこに不徳が入る。知恵は徳と不徳をうまく調合し、それを人生の不幸に対して役に立てる

・愛の...続きを読む喜びは愛することにある。相手に抱かせる愛情によってよりも、自分の抱く情熱によって幸福になるのである

・物事をよく知るためには細部を知らねばならない。そして細部はほとんど無限だから、われわれの知識は常に皮相で不完全なのである


お気に入りはこのあたり。
どれも辛辣で切れ味抜群です。

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Posted by ブクログ 2010年07月28日

1613〜80年代に生きたフランスの公爵。名門中の名門
貴族で、時の権力争い、国家闘争など人間のきたない部
分をたくさん見てきたんだろうな。人間の裏の裏をズバ
リ暴きだす!昔も今もどの国であろうと人の本質は一緒。

人の本音を知りたいあなたへ!


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▼3 つの共感ポイント▼ 

■われわれの美徳はほとんどの場合、偽装した悪徳にす
 ぎない(P11)

■精神の強さとか弱さというのは当を得ない言い方だ。
 それが実は肉体の諸器官の状態の良し悪しに過ぎない
 からである(P22)

■自分は人に好感を与えるという自信は、えてして人を
 不愉快にする決め手になる(P163)

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Posted by ブクログ 2010年08月01日

ゲーテの格言集と違って人間の自己愛や虚栄心などの負の面について扱った本。人間の本性に深く切り込む本。
露悪趣味というか、ペシミズムが全体的に流れている。人間の負の側面の真実を的確に現しているのは確かだが、「それでどうした?」という思いがどうしてもぬぐえない。
  「批判してれば偉くなった気になれる」...続きを読むという言葉がさすように、言うほど含蓄があるかどうかは疑わしいのが怖いところ。
   自分がペシミズムを嫌うのはそういった「いいっぱなし」「非生産性」という面が嫌いだからだが、たとえ生産性があったとしてもそれは「成長」や「資本主義」に毒された現代人の価値観に根ざしたものでないかと思うと一概に批判も出来ない。時代によっては悲観こそが美徳だった時代があるかもしれない。
 そして著者本人が報われない軍人だったらしいが、それが少なからずこの本の内容に影響を及ぼしていることは疑いがない。著者本人の思想・世界観が年齢によってどのように変遷しているかが知れれば、もっとこの本に深みが出てくるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

面白い。
やっぱり格言とか、みんな好きなのね。

短いから読みやすい…というのもあるけど、試行錯誤した苦労のあとも窺えていい。
人間の思考回路なんぞ、ついぞ変化しとらんね(笑)

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

友人に「ビアスに興味あるならこっちもオススメするよ」と言われ借りた本。
普通に面白かったです。ただ全部には納得がいかないかなー…。まぁ個人的に論語よりかは面白かったです。が、内容がウロ覚えなので☆4つ。

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Posted by ブクログ 2021年02月27日

1.メンタリストDaiGoさんがお薦めしていたので読んでみたいと思いました。
バカな人の特徴をまとめてくれている本はあまり見かけないので興味を持ちました。

2.ラ・ロシュフコーという文学者がバカな人と頭がいい人の違いを説いた本です。
バカな人は自分への理解が浅はかであったり、自分の価値観だけで物事...続きを読むを語ったりしてしまいます。しかし、頭の良い人は自分を理解することに学んだり、他者との関係性について学んだりしています。
バカは自分の赴くままに生き、賢者は自分の価値観を問いながら生きていくといったことが書かれてます。

3.読むのは2回目なのですが、理解できてない部分が多くて困りました。理解できる範囲で言うなら、賢者は「常に考えている」ことです。日常生活では多くの選択を迫られます。この選択の仕方でその人のレベルがわかるのではないでしょうか。人間として魅力的になるために、また、人生をより有意義にするためにも学ぶことと思考することが大事だと思いました。

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Posted by ブクログ 2020年07月15日

箴言の一つ一つが、一度読んだだけでは、解しにくいが、二度三度読むと、ジワリと思い当たることが出てくる。まるで、するめのようなかみきれなさ、味わい深さ。

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Posted by ブクログ 2014年02月17日

フランスのモラリスト文学の最高傑作とされている古典作品。モラリストとは人間の慣習や風習、性格や生き方などを省察し、断章形式や箴言のような独特の非連続的な文章で綴り続けた人々のことである。人間性探究の姿勢というのはフランス文学の一つの伝統でもある。

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Posted by ブクログ 2012年01月14日

皮肉満載の箴言録。
人間の本質をこれでもか言うほど突いてくる、嫌らしい一冊。
天の邪鬼な人、厨二病な人にお勧め。

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Posted by ブクログ 2011年09月08日

「人間性を剔抉して最も奥深く踏み込んだ残酷の書。読書の痛苦は、この薄い一冊と沈黙の対話を続ける忍耐に尽きるかも知れない。」(谷沢永一『読書人の悦楽』253頁)

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