木原敏江のレビュー一覧

  • 摩利と新吾 1巻
    木原敏江さんの作品はいつも読後に清純な気持ちにさせられる。終わってからももっとキャラクター達を追いたくなる、そんな魅力と愛を感じる。
    この摩利と新吾もそんな作品で、二人の青春期の成長を描いている。少年期から青年期への雰囲気、心情の変化など描写が細かく、人物描写の多彩さがすごい!
    私の中でこの作品の盛...続きを読む
  • 銀晶水
    お耽美もの、ファンタジー、サスペンス、SFの4篇を収録。
    木原作品はどんなに暗い話でも、根底に明るさがあって救われるところがいいと思う。
    一番気に入ったのは、『花かんむりの牢屋城』。
    おとぎ話を信じられる心が物語をハッピーエンドにもっていくが、それにはやはり健やか部分があってこそだと思う。
    おとぎ話...続きを読む
  • 大正浪漫探偵譚 1 四十七文字
    甘くゆる~くちょっと怖い大正浪漫ミステリ。ワケアリ美貌の御曹司+ぴかぴかお日さま新吾くん的色気ゼロちゃきちゃき庶民娘、という取り合わせは木原さんの超定番パターン。
  • 銀晶水
    寄せ集め感の漂う統一性のない一冊だが、美しいので許す(笑)
    昔読んだ「黄昏のシンデレラ」をまた読みたくなって、
    これが収録されているというので購入。
    表題作を含め、他の3編はお初でした。
    「黄昏のシンデレラ」は遺産相続に纏わるサスペンスもの。
    「銀晶水」は15世紀のブルゴーニュを舞台にした妖しい恋模...続きを読む
  • 夢の碑 とりかえばや異聞
    平安古典「とりかへばや物語」をベースにした作品。
    コミカルな明るさを最初に感じるが、読み進めていく内にキャラクターの薄暗い感情を丁寧にすくい上げるシリアスな面がどんどん出てきて、その匙加減がよい。
    華やかさの裏にある恐ろしさをさらりと描けるのはすごいことだと思う。
  • 伊勢物語
    子どもの頃から、鬼の出てくるお話が好きでした。

    そして、その鬼を意識したのが、木原 敏江の「夢の碑」でした。
    意識して鬼を追いかけ始めてから出会ったのが、馬場 あき子の「鬼の研究」です。わたしは、それまで(そして今でも)、物語の世界が大好きで、物語で泣いたりしたことはあったのですが、はじめて物語の...続きを読む
  • 銀晶水
    木原敏江さんの作品で、すごく好きなお話に異類婚のお話があるのですが、「花かんむりの牢屋敷」は、そのテーマがかなりストレートに出た初期の作品だと思います。

    根底には、「おとぎ話」を信じる心というのがあって、それは、実は、他のすべての木原作品にも通じている気がします。

    表題作の「銀晶水」は、異常な欲...続きを読む
  • 伊勢物語
    丁寧に書かれています。
    調べがしっかりされているだけではなく、きちんと作品へのスタンスが為されています。
    木原敏江さんらしい伊勢物語でした。
  • 伊勢物語
    女性の髪の描写とか一層艶やかになっているような気がします。

    井筒とか、夢幻花伝を思い出しました……。
  • 天まであがれ! 2
    不覚にもマンガで泣いてしまった、久しぶりに。

    新撰組ってそもそも泣かせる題材ではありますが、鴨を暗殺したあたりからどうしても暗く重くなっていく。
    そこをどう描くかが、作家それぞれの想いと工夫と力量の生かし所なのだろうな。

    総司が戦場に向かう歳三を、弱った身体で追うシーン、哀しかった。
    もう生きて...続きを読む
  • 杖と翼番外編 2 赤い石
    健気でかつしっかり者でかわいい女性はいいですね。
    しかし、リュウがよく残ってたものだ。モテモテ(笑)。
  • 仏蘭西浪漫探偵譚 水晶と天鵞絨
    「孤独で陰気な美青年」、その見た目で誤解されがちなフランス貴族カミーユ・ル・フォーブと、チャーミングな婦人記者ベルのラブコメ…とまとめてしまうとあまり魅力的じゃないけれど、そこは木原先生、素晴らしいのです。ポーやルイ・ド・グウルモンの詩と同時に井上靖・宮沢賢治の詩も愛せる木原さんだからこそ、こういう...続きを読む
  • 夢の碑 とりかえばや異聞
    久しぶりの再読。戦国時代の身代わり劇に人外異形が絡むラブロマンファンタジー。時を超えて、わたしが「乙女」に戻れる一冊。
  • 花の名の姫君
    なんだか、木原敏江がというか、「天までのぼれ」が読みたい気分だということで、秋田文庫の木原敏江のシリーズに手を出しています。

    「花の名の姫君」は、歌舞伎を素材にしたマンガなんだそうです。

    いくつもの時代物のマンガを描いているので、こういう作品は、得意です。というか、こう、大げさに見栄をきるそんな...続きを読む
  • 大正浪漫探偵譚 4 望月の祭り
    大正浪漫探偵文庫も、これで完結です。
    「青くゆらめくもの」は、結構好きです。

    あと、女性史向けの短編がいくつか。こうやって読むと制約の多い少女マンガよりも、女性誌の方が、自由にかけることが多くて、木原 敏江には向いているのかも。

    まあ、その制約のなかで、どこまでやれるかというのも、それはそれで楽...続きを読む
  • 天まであがれ! 1
    沖田さんと架空のヒロインこよりちゃんを中心としたお話。結果は史実通りでも、展開がオリジナルだったりして面白いです。そして沖田さんが自分の理想像に近い。優しくて強くて明るくて。本当はどうだったかなんてわかりませんが、なんとなく総司のイメージはこれ。血なまぐさい組織で一・二を争う剣の使い手と言われながら...続きを読む
  • 杖と翼番外編 1 悲歌 elegie
    第一印象は「摩利と新吾」のころからずいぶん絵が変わったなあということ。女の子がかわいくなったし、男の人は精悍になった。ストーリーは別のシリーズの続編みたいだけど、これだけで読んでもOK。フランス革命中期に貴族を外国へ亡命させる秘密結社があった。主人公の二人は仇同士だったが、その仕事を通じてお互いを相...続きを読む
  • 大正浪漫探偵譚 2 見返り美人
    「合掌」の文庫版、2巻目です。

    この人のマンガは、恋愛が1番上位にある価値観で、それのせいでおこる犯罪については、本当にあっさり片付けてしまっています。
    これは、木原 敏江が、物語至上主義だからなのだと思います。

    そして、その人の人格と、作品とは、別のもの。良いものは、良い。
    このきっぱりした考...続きを読む
  • 大正浪漫探偵譚 1 四十七文字
    大正浪漫探偵譚の方は、元の本が完結する前に文庫が出だして、文庫の方は完結するのか、ちょっと心配していました。
    全4巻。ちゃんと完結してよかったです。

    ずっと、「いつも、『合掌』で終わる」と思っていたのですが、最初の数話は、「合掌」なかったんですね。
    今回、読み返して、はじめて気づきました。
  • 仏蘭西浪漫探偵譚 水晶と天鵞絨
    文庫版で「大正浪漫探偵譚」シリーズがとうとう完結ということで、こっちから、順番に読んでいきます。

    「大正浪漫探偵譚」シリーズの方の決めぜりふは、

    「合掌」

    でした(笑)
    今回、そういえば、こっちのシリーズにも決めぜりふがあっただろうとか思って読んでいたところ、

    「愛してるよ おくさん」

    ...続きを読む