木原敏江のレビュー一覧

  • 夢の碑 鵺 後編

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    この間の夢の碑の鵺が6-9だったけれど、文庫の後編があったので。
    14-17とどっちにしろ歯抜けだけど、最終回まであるので取り合えず満足。
    他に2編。木原敏江らしい悲劇。

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    2013年09月08日
  • 黄昏のシンデレラ

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    表題作他3編。
    「黄昏のシンデレラ」はニューヨークが舞台のハードボイルドな切ないラヴ・ストーリー。
    他人への成りすましなど、犯罪の手口はありふれているが、
    孤独なヒロインがかわいくて可哀相で……(涙)幸せになってほしかったなぁ。

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    2013年09月18日
  • 夢の碑 とりかえばや異聞

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    時代は元々の平安から少し下って近世(?)に。「異聞」とあるようにストーリーも変わっていてまた別の世界になっている。

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    2013年05月10日
  • 仏蘭西浪漫探偵譚 水晶と天鵞絨

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    ネタバレ

    陰気な夫、テキパキした妻のアンバランスな夫婦のかけ合いが楽しい。
    青髭公をモチーフにした話でもあるので、明るさの中にも仄暗い部分があってそこも楽しめる。

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    2013年05月09日
  • 摩利と新吾 1巻

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    木原敏江さんの作品はいつも読後に清純な気持ちにさせられる。終わってからももっとキャラクター達を追いたくなる、そんな魅力と愛を感じる。
    この摩利と新吾もそんな作品で、二人の青春期の成長を描いている。少年期から青年期への雰囲気、心情の変化など描写が細かく、人物描写の多彩さがすごい!
    私の中でこの作品の盛り上がりのピークは新吾の成長だった。どんどん追い詰められていく新吾だったが、それを受け止めたくましく飛躍する新吾。それまでの人物描写が丁寧であったからこそ、一緒に見守り、涙することができたんだと思う。

    というわけで私の中ではその後は割りと蛇足だったのだが(最後まで一気に読みましたとも)、彼らの最期

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    2013年04月16日
  • 銀晶水

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    ネタバレ

    お耽美もの、ファンタジー、サスペンス、SFの4篇を収録。
    木原作品はどんなに暗い話でも、根底に明るさがあって救われるところがいいと思う。
    一番気に入ったのは、『花かんむりの牢屋城』。
    おとぎ話を信じられる心が物語をハッピーエンドにもっていくが、それにはやはり健やか部分があってこそだと思う。
    おとぎ話のパロディで、はちゃめちゃなギャグなのにきちんと感動できるところがあるのがすばらしかった。

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    2013年04月04日
  • 大正浪漫探偵譚 1 四十七文字

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    甘くゆる~くちょっと怖い大正浪漫ミステリ。ワケアリ美貌の御曹司+ぴかぴかお日さま新吾くん的色気ゼロちゃきちゃき庶民娘、という取り合わせは木原さんの超定番パターン。

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    2013年02月28日
  • 銀晶水

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    寄せ集め感の漂う統一性のない一冊だが、美しいので許す(笑)
    昔読んだ「黄昏のシンデレラ」をまた読みたくなって、
    これが収録されているというので購入。
    表題作を含め、他の3編はお初でした。
    「黄昏のシンデレラ」は遺産相続に纏わるサスペンスもの。
    「銀晶水」は15世紀のブルゴーニュを舞台にした妖しい恋模様。
    ドキドキしてしまったぞな……(赤面)

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    2013年09月18日
  • 夢の碑 とりかえばや異聞

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    ネタバレ

    平安古典「とりかへばや物語」をベースにした作品。
    コミカルな明るさを最初に感じるが、読み進めていく内にキャラクターの薄暗い感情を丁寧にすくい上げるシリアスな面がどんどん出てきて、その匙加減がよい。
    華やかさの裏にある恐ろしさをさらりと描けるのはすごいことだと思う。

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    2012年05月30日
  • 伊勢物語

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    子どもの頃から、鬼の出てくるお話が好きでした。

    そして、その鬼を意識したのが、木原 敏江の「夢の碑」でした。
    意識して鬼を追いかけ始めてから出会ったのが、馬場 あき子の「鬼の研究」です。わたしは、それまで(そして今でも)、物語の世界が大好きで、物語で泣いたりしたことはあったのですが、はじめて物語の形をしていないものでも、感動するのだなぁと知った作品でした。
    そして、その「鬼の研究」のなかで、1番印象に残っていた話が、この「伊勢物語」のなかのエピソードでした。

    そのエピソードが、このマンガの1話目になっていて、なんか、木原 敏江からはじまって深まっていったものが、また、一周して戻ってきたよう

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    2012年03月17日
  • 銀晶水

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    木原敏江さんの作品で、すごく好きなお話に異類婚のお話があるのですが、「花かんむりの牢屋敷」は、そのテーマがかなりストレートに出た初期の作品だと思います。

    根底には、「おとぎ話」を信じる心というのがあって、それは、実は、他のすべての木原作品にも通じている気がします。

    表題作の「銀晶水」は、異常な欲望のお話ですが、そこに「おとぎ話」としてのそれでも根底に流れる「愛」が語られています。

    異常さに目を背けて、否定していくのではなくて、それをふくめた上で、物語として昇華させていくということは、他人を理解していく上でも、かなり大切なことのような気がします。

    そこは、自分自身もっとも見たくないところ

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    2011年12月29日
  • 伊勢物語

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    ネタバレ

    丁寧に書かれています。
    調べがしっかりされているだけではなく、きちんと作品へのスタンスが為されています。
    木原敏江さんらしい伊勢物語でした。

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    2011年11月27日
  • 伊勢物語

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    女性の髪の描写とか一層艶やかになっているような気がします。

    井筒とか、夢幻花伝を思い出しました……。

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    2011年10月19日
  • 天まであがれ! 2

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    不覚にもマンガで泣いてしまった、久しぶりに。

    新撰組ってそもそも泣かせる題材ではありますが、鴨を暗殺したあたりからどうしても暗く重くなっていく。
    そこをどう描くかが、作家それぞれの想いと工夫と力量の生かし所なのだろうな。

    総司が戦場に向かう歳三を、弱った身体で追うシーン、哀しかった。
    もう生きて会うことはないだろうとわかっていて、希望を捨てずお互いを思いやり笑って別れる。
    現実ではできないからこそ想像の世界で鮮やかに描ききった、この時代(幕末ってのもそうだし70年代というのも)ならではの作品。

    最後まで摩利と真吾の原点だなあと思う作品だった。

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    2011年10月15日
  • 杖と翼番外編 2 赤い石

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    健気でかつしっかり者でかわいい女性はいいですね。
    しかし、リュウがよく残ってたものだ。モテモテ(笑)。

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    2011年07月25日
  • 仏蘭西浪漫探偵譚 水晶と天鵞絨

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    「孤独で陰気な美青年」、その見た目で誤解されがちなフランス貴族カミーユ・ル・フォーブと、チャーミングな婦人記者ベルのラブコメ…とまとめてしまうとあまり魅力的じゃないけれど、そこは木原先生、素晴らしいのです。ポーやルイ・ド・グウルモンの詩と同時に井上靖・宮沢賢治の詩も愛せる木原さんだからこそ、こういう作品が書けるんだろうなあーとしみじみ。木原さんの漫画で嫌いなものは無いです。

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    2011年06月23日
  • 夢の碑 とりかえばや異聞

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    久しぶりの再読。戦国時代の身代わり劇に人外異形が絡むラブロマンファンタジー。時を超えて、わたしが「乙女」に戻れる一冊。

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    2011年03月08日
  • 花の名の姫君

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    なんだか、木原敏江がというか、「天までのぼれ」が読みたい気分だということで、秋田文庫の木原敏江のシリーズに手を出しています。

    「花の名の姫君」は、歌舞伎を素材にしたマンガなんだそうです。

    いくつもの時代物のマンガを描いているので、こういう作品は、得意です。というか、こう、大げさに見栄をきるそんなのを楽しんで描いているような気がします。

    すごく、陰性の人間を描いても、カラリとしているところは、もしかすると、こういったお芝居からきているのかなぁとも思います。

    お気に入りは、「轟く滝の下で」。
    まか不思議な仙人(美形。暗い)が出てくると、この人の世界だなぁと。
    しかも、あっさり、すくわれちゃ

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    2010年12月28日
  • 大正浪漫探偵譚 4 望月の祭り

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    大正浪漫探偵文庫も、これで完結です。
    「青くゆらめくもの」は、結構好きです。

    あと、女性史向けの短編がいくつか。こうやって読むと制約の多い少女マンガよりも、女性誌の方が、自由にかけることが多くて、木原 敏江には向いているのかも。

    まあ、その制約のなかで、どこまでやれるかというのも、それはそれで楽しいものですが。

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    2010年12月19日
  • 天まであがれ! 1

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    ネタバレ

    沖田さんと架空のヒロインこよりちゃんを中心としたお話。結果は史実通りでも、展開がオリジナルだったりして面白いです。そして沖田さんが自分の理想像に近い。優しくて強くて明るくて。本当はどうだったかなんてわかりませんが、なんとなく総司のイメージはこれ。血なまぐさい組織で一・二を争う剣の使い手と言われながらちっとも怖いイメージがわかないのは、近藤さんや土方さんをまっすぐに信頼する純粋さにあるのだろうかと勝手に妄想しています。2巻も楽しみ☆

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    2011年06月26日