針生悦子のレビュー一覧
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ネタバレ言葉を学ぶことについて深く学べる。
赤ちゃんはどんなに苦労して母語を獲得しているのか思い知らされる。同時に母語を獲得するというが、大人になった自分自身も日本語を話せはするが、まだまだ磨きをかけないといけないと思うことが多い。
言葉を学ぶことがいかに難しいかがわかる。けど、最後にまとめていたが、1番はそれを学ぶ必要があるかどうかということ。
そして、必要があるかどうかは子ども自身が判断することである。
子どもに何かを教える時、まずやらなくてはならないのは、必要性を持たせることと興味をもって自分から学んでいけるようにすること。それは大人の都合ではなかなか難しい。そして、環境を、整えてあげることと困 -
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ネタバレ最近、流行り?の「おうち英語」を自分も実践しようと調べている中で反対意見も読んでおこうと思って、読んだ本書。
英語を学んだ方が将来の受験勉強が少し楽になるかな?なんて、親の下心もあり、「おうち英語」に興味を持ったが、第二言語を学ぶということが赤ちゃんに取って、どんなに大変で、親も覚悟が必要かと再認識した。
英語を本当の意味で話せるとは、しっかりと思考する力も必要で、そのためにはまず言語の土台(日本人なら日本語)を作ることの大切さが分かった。
まずは、日本語の奥深さをたくさん知ってもらいたい。日本語を楽しんでもらい、思考する力もしっかり身につけていく。
子育て方針を見直した、一児の母なのであっ -
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早いうちから外国語に触れさせると楽にその言語を使いこなせるようになるという親の考えを検証し、それは違うということを研究により解説していく。
最後にバッサリと1歳前後の子供に馴染みのない外国語のオーディオなどを与えてもあまり効果はないと斬っている。
早い段階から母語以外の言語環境の中に入れれば第二言語の習得も早いと思われがちだがそうではない。第二言語を習得していっている裏では母語の習得が遅れていくか、習得した母語が欠落していっていることにも注目すべき。
脳の可塑性がなくなるある程度の年齢8歳頃〜になると、母語も保ちながら新しい言語も習得できるようになる。
英語でコミュニケーションが取れないこ -
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ネタバレ今まさに赤ちゃんの英語教育について悩み中…
当方、英語は幼い頃から習わせてもらったものの、結局習得できずかなりコンプレックス。親のエゴだけれども、できるようになってもらいたい…!
読んでみて、今は"英語を嫌いにならない"くらいに目標設定すべきか…と考える。結局は本人の意思だな。
自分用メモ
8ヶ月で頻出単語は馴れる
オーディオ・ビデオ環境では母語以外の聞き分け向上はみられない。母語のイントネーション等を聞き分けているため、母語以外に注意を向けない、赤ちゃんにとって必要ない。
バイリンガルとは、2人のモノリンガルが内在するという訳では無い。他人からは分からなくても、優位な言 -
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外国語を学ぶにあたって早期教育が必ずしも良いわけではない。
赤ちゃんに話しかければ話しかけるほど言葉が早いと言うが(もちろん少ないより多い方が良いのは前提として)、赤ちゃん自身が単語とそれが指すものの意味が一致していることに気付いていなければならないことに気付かされた。
考えてみれば確かにそうだ、読むまでは考えつきもしなかった、ということが多く書かれていた。私たち大人たちの常識とはかけ離れているところから赤ちゃんの言語習得はスタートする。
赤ちゃんに大変な努力があること、自分にも赤ちゃんのときには知らずに努力していたことを想像し、面白く読めた。 -
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まだメモ状態です。
子供は楽々と言葉を覚える。
3歳くらいで完璧な母語の使い手になる。
子供のうちから英語に触れていたらバイリンガルになれたのに。
そんな巷に溢れる噂の真偽をひとつひとつ実験してあきらかにする。
赤ちゃん相手にはそんな実験方法をとるのか、と面白い。
その言語ならではの音を聞き分けること(しかし、男性vs女性、機嫌の良い時vs怒っている時の声色は同じ音だと捉えなければならない)の難しさ。
1歳半ごろには「私とモノ」「私とあなた」の二者だった世界が「私とあなたとモノ」の三者の世界になる。
ガバガイ問題
ものを指したときに出てくる名前は「基本レベル」のカテゴリー名。
それは -
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ネタバレ赤ちゃんの言語習得のプロセスを明らかにした本。何も知らない赤ちゃんがいかに苦労して言語を習得していくのかがわかった。ようは赤ちゃんも必要に迫られないと、習得しないよって話。自身の経験と本書から、小さい頃から英語と日本語のバイリンガルに育てようとすると、日本語の読解や語彙力、空気を読む力などが中途半端になるというジレンマがあると認識した。もちろん子供には英語を話せるようになってほしいが、方法は子どもにとってよいものを選択できるようになればいいと思う。今のところ小5~6になるころに海外移住しようかと検討中。それ以前に行っても外国語を忘れてしまうし。2~6歳対象のバイリンガルキッズとかディズニープラ
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購入済み
ほぼ全ての疑問が解決
"リスニング力くらいはつけてあげたい"
子育てに迷いが生じたので購入しました。
子どもが言葉を獲得する過程が分かりやすく説明されています。各章が様々な先行研究と筆者の研究で裏打ちされており、とても納得感がありました。
同時に、読み進める中で読者が抱くであろう疑問も投げかけそれに答えてくれていて、かゆいところに手が届いた感じでした。
また研究の引用ばかりでなく筆者の研究が筆者の言葉で描かれていること、さらに筆者の研究体験から具体的な子供のエピソードも挿入されており私にとってとても、新鮮な内容でした。
アメリカで0歳児を育てています。
数年で日本に戻る予 -
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読み応えがありました。子供が言葉を覚えていく仕組みを研究する。2歳、3歳、5歳などの幼児を使っての実験で単語を切り取る方法、名詞、動詞、形容詞、助数詞などを覚える方法を調べる。言語による差異もあるので、日本語児、中国語児、英語児、韓国語児、等々での実験も行っている。基本文法を人間は生得的に持っているという学説もあるが、この研究で分かるのは、人間は、発話された言葉の切れ目を把握して単語を切り出し、まずは名詞と想定して知っているカテゴリーに当てはめ、使っていく内に修正して、語と語の関係や上位のカテゴリーや下位のカテゴリーなどを埋めていき、大きな語彙のネットワークを作っていくようだ。名詞と違って動作
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Posted by ブクログ
赤ちゃんは母語を楽に習得しているのではない。単なる連続した音の山から、意味のある音を聞き取り、単語を覚え、文を作るルールを覚えていくのは相当な困難と努力が必要である。周りの大人が優しく喜んで協力して応援してくれてどうにか達成できるもの。
転じて幼少期から英語に触れさせれば自然と努力しなくてもネイティブやバイリンガルになれるという幻想を丁寧に分析していく。そのようなイメージを作ってしまう逸話として、外国に駐在した人が子どもをインターナショナルスクールに通わせたら、半年で現地の子どもと会話をしながら遊ぶようになるのを見て、子どもはすぐに簡単に新しい言語を覚えてしまうんだ、と感じるエピソードがある。 -
Posted by ブクログ
赤ちゃんがことばを覚えるしくみ、その不思議で驚くべきプロセスを解説してくれる。
そして、たとえば「小さいうちから英語に触れさせれば簡単に話せるようになる」というような常識はどうやら嘘らしいことも解説してくれる。
海外勤務になった人の子供が、いつのまにか現地の子供たちと喋ったり遊んだりしているのを見て「やっぱり子供は語学の天才だ」と思った、みたいなエピソードがあるが、それは「喋れない親」目線での判定であって、実は全然ネイティブ並みではない場合が多い。調査によればきちんと話せるようになるには3〜7年かかるとのこと。
私たち自身が母国語を話せるようになるまでに「苦労した」実感がないから、このよう