針生悦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ周囲で0歳から英語を習わせる親御さんたちがあまりに多く、少し不安になり、手に取った。
結論。苦手意識を持たない程度にほどほどに触れるくらいでちょうど良いのかな、と思った。その後は、文法などをきちんと勉強してから、本人が必要だと思えばきっとなんとかなるはず…。
赤ちゃんの言語学習が決して楽ちんではないことがよくわかった。その中で必要のない聞き分けはしなくなっていく。バイリンガル環境で育つ子どもは一時的にどちらかの言葉でしか使わない音を聞き分けられなくなるという研究結果には驚き!その後、聞き取りの絶対量が増えると、両方聞き取れるようになるようだが…。ただ、バイリンガル環境で一見しゃべれるように -
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自分が赤ちゃんを育てるようになって、
改めて人間の脳や心理の発達について興味を持つようになった。
知りたい、という単純な欲望から本を読むことの面白さ。
日本語は大事にしたい、とはなんとなく思っていたけれど、
それを科学的・論理的に説明してくれて、スッキリ。
母語で考えて、外国語を学ぶ。
人は言葉で考えるのだから、
知らないこと、知らない気持ちを
自分で発見したり、相手に伝えたりできるように、
我が子には日本語は深く大事にして欲しい。
それにしても、赤ちゃんってひとつの単語を習得するのにも、
とっても考えてもがいているのだなぁ。がんばれ~~!がんばろ~~! -
Posted by ブクログ
小さいうちから英語に触れれば、大人になってから学習するよりすんなり身につけることができる
この問いに、「それは大人の都合のいい解釈である」と研究結果を持ってそうではないことを説明してくれている良本。
母語だって少なくとも3年、大人の会話レベルであればもちろんそれ以上の期間が必要で、さらに日々新しい単語に触れてその必要性を感じているからこそ身に付くのであって、第二言語がまだ子子も完成してない時期に数年間触れた程度で使えるレベルになるのは期待できない。
海外転勤をした日本人の親が、全く英語が使えなかった子供がすぐに現地の子供と英語で会話して打ち解けている姿を見て、「子供はあっという間に言語 -
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見えないことは、何も起こっていないことを意味するわけではありません(39頁)
英語は苦手だ。
高校では赤点ばかり。
TOEICを受け続けてやっと英検二級レベルになったとはいえ、分布を見ると、文法の出来はとにかく悪く、とても大卒とは思えない。
一方で第二外国語として履修していた中国語は、好きだが初中級から先に進まない。
あー、小さい頃からやってたらできたかもしれないのに!
バイリンガル、トリリンガルになれたかもなのに!
よーし、子供たちにはバイリンガル教育を!!
と、意気込んだものの、子供たちはやる気を見せず、飽きて放置。
私が見たり聞いたりしている語学講座こそ、「なにやってるのーえーご?」と -
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娘が生まれたので、赤ちゃんはどのように言葉をおぼえていくのかな、というところが気になって手にとりました。
具体的な実験方法からその考察まで書かれており、そういった意味では結構学術研究的な内容ですが、興味深い実験も多く、個人的には面白く読めました。
名詞の基礎カテゴリーを即時マッピングしていくという能力にすごい!と感心したり、一方で、動詞や形容詞の意味をいろいろなヒントを得ながら学習していくのにもすごい!と感心したり。
自分もどのように日本語を学習してきたのかもちろん覚えていませんし、今まさに学習している子どもたち自身もその仕組みはもちろん分からないわけで、それを明らかにしようとさまざまな実 -
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赤ちゃんが言葉を覚えるとき、効率よく学習するため、生まれ持ったバイアスを適用して、語が表すことの可能性を絞る。単語の種類によってかけるバイアスが異なる。
名詞の場合、同じような形をしたものは同じ名前を汎用して適用する。
しかしこれだと粘土などの物質名の学習が妨げられるので、柔らかそうなものには形バイアスは使わないなど、うまく適用している。
初めてあれはコップだと聞いた時に、コップのことなのか、ガラス製のもののことなのか、そのものの固有名詞なのかは区別できないが、うまくバイアスを使って驚くほど正確に一度で覚えられる。
動詞の場合、AがBを持つ等、関係する後の数が多いので安易には汎用せず、多く -
Posted by ブクログ
ネタバレ子どもが生まれ、いつから話し始めるのか、話し始めるまでにどのように言語を習得するのかに興味を持ち、手に取りました。
今、0歳の我が子に最も話しかけている単語は子ども自身の名前ですが、それが自分の名前だとどうやって認識するのだろう?そもそも「名前」という概念をどう知るのだろう?また私のことを「お母さん」とどうやって紐づけるのだろう?不思議でたまりません。
上記の問いに直接的な回答はありませんでしたが、ヒントとなる研究はいくつか示されていました。
・7〜8ヶ月ごろは「指差し」の意味(指された先を示していること)を認識できず、人差し指を向けた手をじっと見つめるだけだが、1歳半ばにもなると対象に -
Posted by ブクログ
なんだかちょっとまどろっこしいです。同じようなことが何度も書かれていて……。学術書といった感じです。子供の語彙についてどのような実験を行っているのかを知りたい方には良いかもしれません。
子供がなにもない状態から言葉を学ぶとき、「形の似たものを同じ名前で呼ぶ」みたいなある種のバイアス(本書ではメタ知識と呼ばれています)を持っているから、一度新しい言葉を聞いただけですぐにその言葉を(他の対象にも)使えるようになる、とのこと。
以前『ことばの発達の謎を解く』を読んだときのほうが感動が大きかった気がします。内容的な問題なのか、読解力の問題なのか……。 -
Posted by ブクログ
難しかった〜〜。
論文等、難しい文章を読み慣れているような方からしたら読みやすいのでしょうが、普段エンタメ小説ばかり読んでいる私には読むのが大変でした。
しかししかし、内容はちゃんと理解できて、とても興味深かったです。
普段当たり前に話している日本語ですが、たしかにこのクオリティで話せているのすごすぎるよな〜と思いました。
ぱっとわかりやすく印象的だったのは、実験の方法が素晴らしいなあということです。
界隈の方からしたら当たり前なのかもしれませんが、実験を正確に行うということ自体がそもそもとても大変なことだと気付きました。
今後も言語に関する本は読んでいきたいと思います。
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一つ一つの