中原淳のレビュー一覧
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2020年5月再読
「物事の意味とは客観的事実ではなく、社会的な構成物である」というのが、社会構成主義の考え方。要するに、客観的に存在していると思っている「物事の意味」が、実は人々の社会的なやりとりの結果としてつくり出されてきたものである、という考え方。
難しい考え方であるが、私の理解は、ある集団の中での、普段のやり取りが、その集団の現実になるという感覚。悲観的なやり取りばかりの職場の現実は、決して明るいものにならないということ。言葉が、コミュニケーションが現実社会を構成する、ということ。
面白いと、思うが、まだ何となく眉に唾をつけて読んでいる。もう少し、ちゃんと社会構成主義の勉強しないと、な -
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企業の人材育成部門にとって研修の実施は「手段」であるべきであり、「目的」ではない。目的はあくまでも、研修で学んだことを研修受講者が現場で使って、かつ、成果をあげることである。学習者が実際に現場で使い、成果をあげることを研修転移と呼ぶ。
こう書いてしまうと、当たり前のように聞こえるが、企業の人材育成部門の担当者にとって、これは簡単な話ではない。
研修のニーズ・目的を設定し、それに沿って研修内容を設計する。実際に研修を実施してみて、受講者の学びの程度を確認し、改善すべき点があれば、研修の内容にフィードバックし、改善していく。
担当者の意識する範囲は、ここまでに限られることが多いし、実際には、こうい -
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成功のメルクマールであった課長の椅子も、仕事のスピード化、管理業務の煩雑化、プレイヤー要素の拡大に伴い、場当たり的問題解決屋としての悲哀が蓄積、お金を積まれても拒否したいポジションとなった。
ミドルマネジャーには、かのアルフレッドチャンドラーも、野中郁次郎も、連結ピンをつなぐ変革マネジャーの役割は大きいとの期待が寄せられてきたが、仕事の断片化は進むばかり。それでも、忙しいから大きな絵が書けないのではなく、絵が書けないから振り回されて忙しいとジョン•P•コッター先生に指摘されるのだから、ぐうの音も出ない。
茹でガエルになるな!とも言われたが、「ミドルが活力の源泉ではあるが、多忙で余裕を失い、 -
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大人が学び続ける必要性について3つの法則と7つの行動わを提案。
特にヴィゴツキーの最近接発達領域については、この地域の臨床研究においては、課題になりそう。
繋がりの法則については部門内でも取り組むことが大事だけれど、他の病院とも繋がって効率を高めていくことが重要。
また、今の臨床思考も明らかに経験に偏った介入が多い。
それも大事だけれど本書の中のリベレーションのようにどこかで一度リセットしたり、最新の情報を追い続けて、不要と思うものは捨てる勇気が大事。
そうして知識はアップデートしていく必要がある!
臨床を次に活かすにも
何があったのか?
何が原因か?
どのように活かすのか、より具体的に -
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ネタバレ残業はメリットがあった。でも今はそうじゃない。残業のメカニズムがいろんな視点から書いてあって面白かった。
・残業のメリット
日本は解雇が難しく労働市場に流動性が低いため、景気の波への対応を残業時間の増減で実施していた。
日本の労働者(男性)は、残業は増えるが、残業代確保と安定雇用と昇給というメリットがあったため耐えられた。
・現状
ー残業の見返りの約束が果たされなくなってきた
ー成長できない
・成長のためには、背伸びした仕事、振り返りすること、信頼できる人からフィードバックをもらえること
ー残業は集中する
・できる人に仕事が集中するため、残業は集中する
・その人は意 -
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ネタバレ私自身も入社当時は、時間が助長されているとまでは言わないまでもサービス残業が当たり前で、それによって自己成長を得ていたと思っており、それ自体を悪いことだとは考えなかった。逆に労基法順守、働き方改革や生産性向上という名目でサービス残業撲滅や時間外抑制を会社から求められることに対して、反発を覚えたこともあった。本書でいうところの「昔の武勇伝」を部下に語ることもあり、今の若手たちは自由に残業もできず仕事をやりたいのにできないという環境をかわいそうにおもってしまうことさえあった。
しかし、自分が若いころに得られていた成長感は効率の悪いものであり、誤った考え方であると大いに反省させられた。
一方で、これ -
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働き方改革について、アカデミックなアプローチ。特にアンケートの結果を重回帰分析している点が勉強になった。以下、本文からメモ。
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・世の中の「働き方改革」関連情報は、枝葉ばかりを見て、木も見てないし、ましてや森も見ていない。重要なのは森を見ること。本来問われなければならないのは、「日本をどのような社会にしていくか」ということ。
★このような絶望的なすれ違いをもたらすのは、「データに基づく対話がされていない」ため。
×人は自分に関心がある分野にだけスポットライトをあてて、全体を見ようとはしない
★残業の個人リスク=健康リスク+学びのリスク
★残業の企業リスク=採用リスク+ -
Posted by ブクログ
仕事上での困難を乗り越えるために、とにかく何か学ばなければならないけど、何をどう学べば良いかわからない人にはヒントになると思う。
特に、大人の学びのための3つの法則と、7つの行動は学びを進める上での指針になると感じた。
ただし、学生までの学びに比べて、社会人の学びはその対象や目的など個々人による差が大きい。したがって、ここに書かれている指針には従ったとしても悩むことは多そうである。
これは自分に合っているのだろうか、と適宜振り返り、“違和感”を感じたら方向を修正するという作業を繰り返すのが良さそうだ。
個々人による差は大きいが、先達の学びの具体例も出しており、参考になる。正直なところ、紹介され