宮永博史のレビュー一覧
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『そんな技術の神話を超えるためには、技術の持つ意味、技術がもたらす価値を素朴に考えることである。神話でなく現実を見る素朴な観察眼を持ち、技術者のプライドではなく顧客が望むものをきちんと考えることである。その素朴な第一歩が、思考停止から抜け出す道の始まりである。
技術は、顧客の望むものを提供するための手段である。その平明な事実に立ち返り、技術を武器としてイノベーションを興すための経営のあり方を考える。それが、本書で解説しようとする技術経営(MOT)の最も簡単な定義である。』
魔の川を渡り、死の谷を越え、ダーウィンの海を航海する長い旅を詳しく分かりやすく説明する良書。
ミニケースも内容とリンク -
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ネタバレ理系の現場力から新製品が生まれるということ。
①松下電器の洗濯機の事例:
②規制緩和を生かすか殺すか:totoのアメリカ市場への参入、伝統産業+最新技術でイノベーションを起こすこと。販売後ののサポート体制が大切であること。(墓の企業がなかなか手がつけられていないため)
③ユーザーのわがままから新技術が生まれる:パーソナル化されて社会の日本は海外市場とは違う。パイロットの消せるボールペン・google
④コンセプトありき:技術ロードマップの作成。消費者・生産者の両者の理解が得られる形にする
⑤技術は感動を生む:消費財メーカーは消費者に知られていないため、消費者のことが見えない。そのため、代替品の -
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MOTはManagement of Technologyのこと。東京理科大学でイノベーションに携わる御二方による一冊。
研究と開発の違い、馬車をいくら改良して も自動車にはならない等、ハッとさせられる分かりやすい事例に加えて、実際にMOT を屋台骨としている企業のミニコラムも面白い。ソニーにおけるCDの開発秘話や、 食品の装置メーカーなのに、どんどん新商品(さける笹かまなど)を作って製作機を売り込んでくるw山口県宇部市のヤナギヤの 事例などが印象的だった。
近視眼的に技術に向かうことが悪い事なのではなく(むしろそのようにしなければ得られないものもある)、課題側からの摺合せを行わずに近視眼的 -
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すばらしい。我々の最高の教科書だと思います。
会社・部署の全員に読んで、ひとつひとつ整理して
認識してほしいと思います。私も含めてですが。
1.イノベーションを経営する。
2.三つのレベルのMOTと現場の学習活動
3.研究開発で技術を育てる。
4.日々の仕事の仕方で技術が育つ
5.技術の筋のよさを見極める
6.技術の大きな流れを俯瞰する。
7.テーマ選択はポートフォリオ思考で
8.コンセプト創造からすべてが始まる
9.製品開発は顧客との行ったり来たり
10.技術を利益に変えるビジネスモデル
11.新事業への初動を工夫する
12.最初のイノベーションのあとが勝負
13.技術外交に知的財産を使う
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高収益企業を紹介する一冊。紹介されているのは、セブン銀行、ネスレ日本、アイリスオーヤマ、中央タクシー、ウェザーニューズ、ディスコ、ARMの7社。
「へぇ」と思うことの連続でした。2018年時点の本なので、今どうなっているのかは要確認。
■セブン銀行:融資無し、店舗無し、コンビニATM特化
■ネスレ日本:顧客がボランティアのネスレアンバサダー
■アイリスオーヤマ:意思決定がメチャ速い。
■中央タクシー:長野で顧客満足特化
■ウェザーニューズ:海洋でも航空でも。独自性マンマン。
■ディスコ:極薄の半導体砥石。ニッチな技術。
■ARM:半導体メーカーが顧客。企業郡を形成。
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マーケティングには分析、創造、説得、参入と4つのフェーズがあると、、、
基本的な理論は大事だが、自ら考えることを怠らないこと、マーケティング手法を自ら開発すること、、、
情報収集で心がけることは、異なる業界についても、異なる機能についても、目を通すようにする。
星の固まりを星座として認識できるように、バラバラに見えていた情報がつながってくるようになる。そうした情報の蓄積こそ、発想の原点であり、一朝一夕には真似されない。長い年月をかけて蓄積した知識やそのノウハウは簡単に真似できません、、、
情報の一つひとつは「点」にすぎませんが、その「点」をつないで「線」に、さらに「面」に次元を高めていくことが -
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マーケティングとはコミュニケーション。
なにか売りたい商品やサービスがあり、その商品をどこでどの様に置きどの様なプロモーションをして売るのか。
の前に、コミュニケーションが重要。
マーケティングを考える上でコミュニケーションは必要不可欠なのだと著者は言います。
キリンフリーのマーケティング戦略やウェザーニューズの戦略などを事例ごとに紹介していて分かりやすかった。
売りたい商品やサービスがあり、そこからセグメント分けしてターゲットを絞り、ポジショニングを大切にする。
それがいかに大切なのかを知れた。
・セグメンテーションとターゲティングは自分視点、ポジショニングはお客様視点。
・「ポジショニ -
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タイトルだけからするとどこかの宗教法人の教祖様がお書きになった本か、自己啓発書のようにも見えるがそうではなかった。
読んでいて、運を手繰り寄せようとするなら、日ごろから準備をしていくことが重要だなあと思った。準部もしないで指をくわえていて幸運が空かどさっと降ってきておしまいおしまいとなるわけがないから。
幸運は、使着きってしまうのもないが、かといって独り占めをするのも良くないと著者は指摘している。運をシェアすることと、運を使い果たさずに貯金しておく、そのバランスのとり方は、難しい。
不運、悲劇をマイナスのままで終わらすことなく、その経験をプラスに転じていくことで明日がやってくると -
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[ 内容 ]
「消しゴムで消せるボールペンがあったら…」→思わず「それは無理。」と答えてしまったあなた、現場失格!!
本書には、そんな「無理難題」を乗り越えた現場力の成功事例がいっぱいです。
・ヒット商品に不可欠な現場の資質とは問題山積で商品企画がままならない。
基本的にモノ余り。
何を作っても売れない。
そんなメーカーの嘆きが聞こえてくる。
一方で、「高くても売れる洗濯機」「消せるボールペン」「安くて、すぐ納品できるカスタムロボット」といった商品を実現したのもまた、現場の技術者たちだ。
成功を手にできた彼らは何が違っていたのか。
技術力だけでヒット商品は生まれない。
理系社員にも企画力が必