スカイエマのレビュー一覧

  • 優しいおとな

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    渋谷で野宿者として生活する少年イオン。
    NGOのモガミという大人がイオンを助けたいと近寄ってくるが、イオンは逃げる。
    そして闇で暮らす地下の集団に行き着く。
    イオンが暮らす日々は危険と隣り合わせで、読んでいて苦しくなった。
    そしてイオンの幼少期の真実。
    こんな世界が現実になったら…と思うと怖い。

    2023.9.3

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    2023年09月03日
  • 願かけネコの日

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    ★あたしには、成仏して舟に乗り、生まれ変わるために必要な大事なものが、欠けているんだって。(p.178)
    (一)コースケは死んだが生前女神さまたちに三つの願かけをして受け入れられていたので六日間だけ寿命が延びることになりその間に願が成就するよう(自分で)努力しなければならず願かけする気になったくらいなのでどれも簡単ではない。あっさり、さっぱりの「いい話」です。
    (二)「鬼灯の冷徹」を読んでる人には入りやすいかも?
    (三)これも最近気になってる絵師、スカイエマさんの挿画です。偶然、というよりこのイラストレーターさんはとても人気のある方なんでしょうね。せやから必然的にときおり手に取ることになるんで

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    2023年02月12日
  • 一丁目 窓辺の少年

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    5編の短編集。
    奇妙な物語。すっきりしたりもやっとしたり。
    いちばん最後に掲載されている、「未来の手紙」がいちばん好き。

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    2022年02月27日
  • 優しいおとな

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    近未来の小説なので挿画・挿絵にスカイエマさんを選択されたであろう事は想像しましたが、今までの作品とはあまりにも違うので驚きでした。

    内容は近未来の渋谷でしたたかに生き抜くホームレスの少年・イオンを中心に物語は展開して行きます。

    地下のシーンが多いので脳内映像だけで息苦しくなる様な展開です。

    それでも文章も丁寧で想定もわかりやすいので飽きる事無く読み進める事が出来ました。

    本著は好き嫌いに分かれるかと思いますが桐野さんの新たな一面を発見出来る作品となっています。

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    2021年01月25日
  • 優しいおとな

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     2010年単行本化、桐野夏生さんの長編小説。
     今回は、面白く通読できるものの、桐野さんの作品としては幾らか物足りないものを感じた。たぶんその理由は次のような点だ。

    (1)主人公はじめ主な人物は少年であり、いつもの「女性の視点」がほぼ無かった。
    (2)小説ならではの心理描写はさほど優れず、プロットと行動・会話ばかりが浮上して、ジュブナイル風の平易な物語となっていた。
    (3)社会システムや理不尽な「周囲の人びと」への怒りがあまり表面化されないのが、いつもの桐野作品と異なり、苦痛が控えめだった。
    (4)桐野作品がしばしば体現する小説的形式の破綻が無く、「ふつう」に感じられてしまった。

     20

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    2020年12月20日
  • トクベツな日

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    ネタバレ

    小学5年生の大森二葉、高橋真央、佐々木達也、林田勝の4人を主人公に、今の自分の悩み、絡み、時にぶつかり合いながら、お互いを知り、成長していく。

    悩みのない人なんていない・・・自分の悩みだって、受け入れ、解決していくことができると感じれられる物語。

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    2019年09月13日
  • 優しいおとな

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    優しいおとな、厳しいこども。なんとなく、そんな対比を考えてみた。資本主義の北半球の国々は、大体こうだと思う。子供は、小さなおとなだから、今時子供だましのなにかではもう歓心を得られない。
    この小説を、「現代の日本の社会的な問題で……」という視座から云々すると、とたんにテクストが色褪せ、興がさめてしまう。具体的な地理も、アンダーグラウンドも、闇人も照葉も、物語にしかなしえない、普通の階級の日常をおくる私たちの生活のメタファーだと感じた。要するに、希望を失って闇に潜るのはなにもホームレスとかストチルに限った話ではないということだ。私たちは、人生の中で喪失しつつ、得ようともがきつつ、底なしの希望を希求

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    2019年05月10日
  • 優しいおとな

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    ネタバレ

    荒廃し、スラム化した日本の繁華街シブヤでストリートチルドレンとして生きる少年イオン。
    親の記憶が無い彼は人への「愛情」を知らず、自分を助けてくれる唯一の大人モガミにも冷たくしてしまう。
    イオンはかつて一緒に育った仲間を探すため、地下の犯罪者集団に飛び込んでいくが、そこも安住の地では無かった――。

    序盤は近未来のサバイバル小説という様相で、物語についていけるか少し不安でした。
    が、誰のことも信用できないような生活を送ってきた浮浪少年の思考回路や、彼の目から紡がれる路上生活の苛烈さが妙にリアルで、すっと物語に入り込めました。
    読者に違和感を抱かせずに世界観を構築する作者のテクニックは、いつもなが

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    2019年04月28日
  • 優しいおとな

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    福祉システムが破綻した近未来の日本を舞台に、ホームレスの若者・イオンが探し求める希望を描く衝撃の長編。
    作品の発表時がリーマンショック直後ということで、若者の貧困や派遣切りなどが社会問題になっていた。暗い世相を反映して物語も陰鬱で、かつ高揚感もない。桐野作品の中ではあまり記憶に残らない作品。

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    2018年01月16日
  • 優しいおとな

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    福祉システムが破綻した日本。スラム化したシブヤのなかで生きるホームレスの若者たち。
    ありそうな生々しさ、息苦しさが漂う作品だった。
    読み進めるのはきつかったけれど、途中でやめられない力強さがあった。映像が見えてくるような感じ。
    『誰かと仲良く暮らすということは、響き合う楽しさを知ることだ』の言葉がしみた。

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    2017年11月06日
  • アサギをよぶ声

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    ちょっと期待しすぎたかも。
    当たり前だけど児童書でした。
    いや、これでは本好きな子供には「なんか浅いなあ」と思われてしまうと思う。

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    2017年07月08日
  • かなりや

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    ネタバレ

    苦しい思いをして、つらい思いをして、それでも人は生きていく。苦しさの中に見える、人と人との関わりの優しさ、温かさに心をじんわりと暖められるお話でした。

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    2016年10月27日
  • 優しいおとな

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    松本大洋や大友克洋の世界観だろうか。リアリティを失う代わりに、少しSF的な要素を取り入れつつ、しかし巻末にはこれ見よがしに参考文献を並べて来るあたり、桐野夏生の凄さがあるのだと思う。まさに、物語の中のシーンみたいに、闇から地上に出てきて、目がやられそうになるような感覚だ。

    ストリートチルドレンには、色んな性質や成り立ちの背景や性格や生き方がある。その一つ一つの設定を背負った役者が織りなすストーリーである。漫画。まさに、漫画のように楽しめるエンターテイメントである。

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    2016年02月23日
  • アサギをよぶ声

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    読みやすく、そこそこ面白い。この本はまだ始まりで、これから物語がどう展開し、纏まるかが、作品の価値になるだろう。
    村八分にされている娘が、他の娘とは違う、男と競って戦士になることを決意するわけだが、見た目美人で戦士的な才能があるという御約束の設定には、大人としては鼻白むし、選ばれし戦士には「声」が聞こえるというのも、読み手に説得力があるように書けるのかという不安を抱かせる。
    でも、まあ、続きを読んでもいいかという気持ちにはなった。
    それにしても、スカイエマは売れっ子だと理解していても、絵が荒れてないか。PCで描くことは否定しないが、それは一定のクオリティがあればこそ。手描きより劣るならやめた方

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    2016年02月11日
  • 明日は海からやってくる

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    『地球のまん中 わたしの島』の続編だった・・・。
    もちろん、『明日は海・・・』から読んでもいけるのですが。

    離島・辰島に暮らす竜太(りょうた)・中学2年。
    同じく中学2年生は東灯子。中学1年の勇気と、島で中学生は3人だけ、小学生も6人の小中併設の分校に通っている。周囲3キロほどの小さな島の住民のほとんどは漁業に携わり、本土の町へは高速定期船が1日1往復あるのみだ。

    竜太の家も漁業をしているが、同級の灯子の家は、島で唯一の民宿をはじめて5月に転入してきたばかりだ。
    9月。2学期に入って、灯子の発案で、辰島ニュースという新聞を作るため、竜太と勇気は、島の歴史に詳しいトクさんを訪れた。記事にする

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    2014年11月27日
  • 月のうた

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    ポプラの文学賞受賞って、あのヒロくんの次?

    それはさておき、この作家さんを全然知らなかったのだけれど、この作品はツボ。
    もんのすご~く手馴れているわけじゃなくて、初々しいっていうか、大事なことがストレートなところが、良いなあ~

    お母さんとなった、祥子さんと美智子さんの高校時代の物語に涙・・・
    婆ばに宏子さんの母親が、カッコいいなと思えるのは、私がその年齢に近いからかもね。
    生きるっていうのは、若いだけじゃどうにもならないことが大きいんだよね、きっと。
    民ちゃんは例外中の例外。
    心が鍛えられたから、人にやさしくなれる稀有な存在!

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    2014年10月15日
  • ぼくとあいつのラストラン

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    じいちゃんが死んだ日、武は自分と同じくらいの男の子ヒサオと出会う。初めてあったのにヒサオは何故かなつかしい。意気投合して二人で走ったり、相撲をしたり。別れ際にヒサオは宝物の隠し場所を武に教え、「ユウコに教えてくれ」と頼む。ユウコっていったい誰??

    時空を超えた贈り物。初めて味わう身近な人の死と向き合う少年へのやさしい気持ち。

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    2014年10月06日
  • 優しいおとな

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    桐野作品の中では毒が薄くて読みやすいけれど、何か中途半端なまま終わってしまった感じ。ただただ切なくて、桐野作品なのに毒がまわってこないのが不思議でした。何が言いたかったのかわからないままになってしまったけれど表にでない部分でやはり毒が潜んでいる気がします。

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    2014年10月04日
  • 優しいおとな

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    福祉制度が崩壊した日本においてホームレスとなった子供たちが生き抜いていく姿を描いているというもの。近未来小説か、すでに現実か。爽やかさのかけらもない書きっぷりは恐ろしさもあるが、作者はここで何を描きたかったというのか今ひとつ受け止められず。地上とアンダーグラウンドの対比はどういう意味があったのだろう。

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    2014年08月14日
  • 「リベンジする」とあいつは言った

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    イライラしていてつい意地悪してしまう事ってある、調子に乗って、ひっこみがつかなくなってしまう事ってある。それを認めて挽回しようともがく主人公。それは分かる。
    が、いじめられる側の少年に今ひとつ感情移入できなかったなあ。

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    2014年07月12日