スカイエマのレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ続きが読みたいと思っていたのでまた読めて嬉しい。
戦士の道は閉ざされたものの、自らの力を信じて前に進もうとするアサギだが、女屋での機織りの仕事にはやはり魅力を感じず、つらそう。
しかし、思いがけない展開で再び弓を手にすることになる。
なんとなく縄文文化と弥生文化の対決っぽく。
塩、という重要なものを手に入れるため、
村の為、という名目での人売り。
それを神のせいにして、目隠しするも、事実を突き合わせてみえる真実にアサギは気づく。
攫われた、のではなく塩と交換された、と考えるべきだろう従姉たちを、どう救うのか?
連れ帰ったとしても、村内、村外で争いが生じるのは必定。大きな村に飲み込まれるか、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ福祉システムが破綻した日本が舞台。スラム化したかつてのシブヤの野宿者、イオンは闇を根城にする若者たちと出会い、アンダーグラウンドに足を踏み入れる。NGO「ストリートチルドレンを守る会」。女性ホームレス集団「マムズ」。彼の「優しいおとな」はどこにいるのか…?
「平等」とは?「優しさ」とは?「闇」と「光」、「絶望」と「希望」。人によっては「闇」が「希望」で「平等」となっている世界。
今の日本がこの作品の世界に一歩ずつ近づいているように思えて、かなり怖いです。
真実を知るためにどんどんイオンが悪い方に悪い方に転がっていくのを見るのが辛かったです。鉄と再会できたのはよかったけど、とにかくラストが悲 -
Posted by ブクログ
初、穂高明さんでした。
夜明けのカノープス、アンソロジー「東京ホタル」の「夏のはじまりの満月」のように星空とのつながりが深いのですね。
まだ幼い頃母親を亡くし、父、おばあ、継母、そして亡き母の友人、幼馴染の陽一とともに育った民子。しっかりし過ぎで自分に甘えない民子の姿が周囲の4人の視点で描かれています。文体はやさしく温か。
星月夜
アフアの花祭り
月の裏側で
真昼の月
設定はちょっと陰のある家庭の日常なのですが、月を繋がりに民子の心のありようの表現が上手く、おもわずほろりの場面もしばしば。しっかりし過ぎ、気負い過ぎの民子ですが、なにもできない継母の宏子との関係で、気負った心もやがて融けて -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分にとって桐野夏生作品を読むことは、一種の自傷行為なのだと最近自覚するようになった。でもこの作品は自傷にはあたらない優しさがあった。
舞台は福祉が崩壊した近未来日本のシブヤ。近未来といいながら、主人公イオンのまわりの地上風景はすでにこの国が現実に抱えている問題そのものだった。企業による炊き出しや公園村、女性ホームレス、NPO支援団体。見たことあるものばかりだ。そうすると、この物語の地下風景も実在するのではないかと本気で思えてくる。
特にリアリティを感じたのが、夜光部隊が暮らしていた地下までサブとイオンが進む洞道。自分がふだん暮らしている東京アンダーグラウンドは、きっとこのままに違いない。 -
Posted by ブクログ
島で暮らす少年、竜太は祖父、父と代々続く漁師の仕事を継ぐ気でいる。しかし、島を出ていた兄・航平が戻ってきて漁師の仕事を始めたり、都会から島に越して来た同級生・灯子に惹かれていくうちに自分の生き方を自問する…
都会の子にこそ読んで欲しい物語。きっここんな世界は想像もつかない、もしかしたら読んでもこの「島」という環境に生きるということはこういうことなのだ、と理解できないかもしれない。けど、だからこそ手渡したい、一言添えて手渡したい物語。何もかもを手に入れるために生きることはできない、けど足りないことを嘆く必要も無いし、そういう生き方でも幸せに生きられる。そういう生き方をこの本で知って欲しい。 -
Posted by ブクログ
イラストが素敵です。
出口が欲しい。
心の底からの願い。
アサギの必死さが、心を打つ。
が、あの猿は結局なんなのかなあっとちょっと疑問。
いや、なんかいきなり友達?的な関係になっていたような・・・・。
怪我したのを助けた、とかゆーならまだしも、ちょっと手当したくらいの
ような気が・・・・。
まあ、同じひとりもんどうし心通わせるって感じなのかなあ??
結局戦士にはなれなかったわけで、ええっ?そーゆー展開なんだ?
っとちょっとびっくりしたのだが、
なんだかここからまたなにか始まるような気配。
外の変化もあるし、アサギがこのまま女屋に行って村の仲間になっていく
という未来はないような気もする。