スカイエマのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
西條八十の童謡『かなりや』をタイトルにした四編からなる連作。四編全てが人間が生きて行く上で背負う重圧や悩み、そういう悩める人を救おうとする人々の連鎖が温かく描かれた大傑作である。最初は四編が独立した物語かと思うのだが、全てを読むと一つの物語として成立していることが解る。
実は単行本で読んでいるのだが、文庫化されたので再び手に取った。分かっているのに読みながら、じわじわと涙がにじんだ。
主人公はお寺の長男・広海。彼はどの話でも脇役のような立ち位置なのだが、非常に重要な役割を果たしている。小さな船に乗って現れる広海…
途中に童謡『かなりや』の…象牙の船に 銀の櫂…という歌詞が紹介されているが、なるほどと思った。そういえば、単行本の装丁は全体がエメラルドグリーンで、表紙には淡く浮かんだ白い船が描かれていた。文庫本の表紙には広海とサチが青空の下に佇む姿がステキなタッチで描かれている。
四編のタイトルが『アポトーシス』『インピーダンス』『マグデブルグの半球』『シュレーディンガーの猫』と物理科学の用語になっており、物語の中の面白い仕掛けになっている。
心が疲れてる人に是非お勧めしたい作品です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ雨続きで、クラスも僕(沢田直人)も苛ついていた。10日ほど前に転入してきた江本は、太っていて、とろくて、分厚いメガネをかけていて、なんだか女っぽいので、影でオネエと言われていた。その江本がぶつかって、僕のペンケースが落ち、大切な鉛筆キャップが壊れてしまった。僕は江本のメガネをクラスのみんなと投げ合った。江本は這いつくばって泣いて「やめてよ」と言った。偶然 教室に入ってきた女子に踏まれて、メガネは割れた。
江本は帰り道で歩道を踏み外して足を骨折、入院した。
先生がクラスのみんなに問いただした時、みんなで口裏を合わせてウソをついた。江本が女の子のスカートをのぞこうとして、転んで、メガネが飛んだところに、そしてメガネが割れた・・・というウソ。
僕は息苦しくなった。あやまろう。
しかし、一緒になってメガネを投げていた山下と橋口はそう思わなかった。
僕は一人で病院に行った。そこで、江本は思いがけない事を言った。
「きみたちは、うまく先生をだましたつもりでも、ぼくはそんなことで、引きさがるつもりはないからね。必ずリベンジするよ」と。
そして、僕は江本の言いなりに、パシリのようになった。・・・
江本はどんなリベンジを計画しているのか。
それは実行されるのか。
江本にはむかつくが、江本の事を知っていくようになる。
ラストは江本も、沢田もかっこいい。男子の友情物語。