スカイエマのレビュー一覧

  • 優しいおとな

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    福祉システムが崩壊した近未来の東京で生きる身寄りのない少年イオンの物語。東京は中流や金持ちが住む世界と、そこからはみ出したまま一生を終えるホームレスの人々が住む世界に分かれており、さらにその地下に陽の目を避けて生きる地下住民たちの世界がある。ホームレスは毎日がサバイバルで、女子供はかたまって派閥のようにして身を守りながら生きている。少年は守られたい気持ちと自由になりたい気持ちの両方を持ち、生き延びつつ成長もしているという、危ういながら伸びやかな存在として描かれている。最期の最後で両親を思う気持ちが切なく、人はみな、愛を注がれて育ちたいものなんだなと思った。いくつになっても、「優しいおとな」を求

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    2022年07月11日
  • 一丁目 窓辺の少年

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    かなり不思議な5つのお話し。「未来の手紙」では、自分で自分を励ます小学生が登場。やがて大人になった彼、しかしその心には5年生の頃と同じ弱さが潜んだままだった。スカイエマさんの挿絵も魅力です。

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    2021年04月25日
  • 六丁目 不自然な街

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    電車で出会った和服姿の黒髪の少女。違和感を拭えないままコウヤが降りた先は…。
    誰かに起きてるかもしない、5つの奇妙な物語。

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    2020年12月27日
  • かなりや

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    2回目か3回目。物理は苦手なのでそこの部分で、星ひとつ減点。悩みのない人はいない。幸せってなんだろう。自分らしく生きるとは?お金を稼ぐとは?などなど考えてしまう。何かの役割を全うするために生きるのだろうか。完璧に全うなどできなくても。

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    2020年09月10日
  • 優しいおとな

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    ここ30年、家族が壊れてきた。

    昔のようではないということは目安にはならない、とは知っている。

    変んだ、変んだと他人事に思って、 というより おかしくなってしまっているのを身近に経験する。

    身内に感じる、ためいき。子育てを誤ったのか?親が悪いのか!?

    言い訳をすれば一度しか経験できないものを、 失敗だってあるさ!

    じゃあ、この物語のように親が誰だかわからずに、育っていくのって、どうか?

    本人の拠りどころの無さは過酷だと思う。親代わりを見つけてしまうのも無理は無い。

    だったら

    失敗を恐れず親になるしかないのじゃない!?

    出版されたらさっそく購入して読みたくなる作家さんの一人。

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    2020年07月22日
  • 優しいおとな

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    桐野夏生『優しいおとな』中公文庫。

    何故か気になり、手にした2013年刊行の文庫本。福祉システムが破綻した希望無き近未来の日本を舞台にした小説である。

    全編に漂う絶望感。何とも言えない退廃的な雰囲気の中で主人公イオンの成長の物語が展開する。ラストの描写は……

    どうしても今の日本と比較したくなるのだが……今の日本は福祉システムの破綻どころか、新型コロナウイルス感染と相次ぐ未曾有の天災により、破滅への道をまっしぐらに突き進んでいるとしか思えない。本作には微かな生きる望みが描かれているが、今の世の中はどうだろうか……

    スラム化したかつての繁華街シブヤで、他人とは距離を置いて独り暮らすホームレ

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    2020年07月15日
  • 優しいおとな

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    リアルすぎて悲しい。
    こんな世の中にはなって欲しくないなぁ
    でも、日本にもホームレスや貧困の人は思っている以上にたくさんいる。
    本の中だけの世界ではけっしてない。

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    2020年04月06日
  • 願かけネコの日

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    願かけに行った帰りに事故で死んだコースケは、その願いをかなえるために現世に戻ってくる。残された時間は127時間44分!? 

    死から戻ってきた主人公の物語というとアレコレ思い出しますが、これはそこにテニスを絡めて青春ものとしての色合いを強めています。
    那須田作品の中学生は飄々として大人びているイメージがありますが、この主人公コースケは少し違いました。
    何事にも適当に済ませていたコースケが真剣に取り組もうとした時に、周りの人たちの関係が変わっていく。周りの人とも真正面に向き合うことで変わっていく。
    真剣になるきっかけは何であれ、部活も人間関係もきちんと取り組んだ方が楽しい。勝つためだけじゃない、

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    2020年03月12日
  • アサギをよぶ声 そして時は来た

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    ネタバレ

    父親の罪を背負い、村で仲間外れにされているアサギが、何もないところから始めることのできる自分の力を信じて、モノノミカタ(=ものごとをありのままに見て、なにものにもとらわれずに、その意味するところを考えること)を駆使して運命を切り開く物語。

    面白かった。オモテから見える姿とウラから見る姿、それに立ち向かうときのモノノミカタや工夫、ファンタジーだからこそ伝わる「本当のこと」が詰まっている。キレイごとな道徳なんかじゃなくて、こんな本をあふれるほど子どもに届けたい。もっともっと注目されていい本だと思う!!

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    2019年10月20日
  • アサギをよぶ声 新たな旅立ち

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    ネタバレ

    背負わなきゃいけないものって、なんでこうも容赦ないんだろう。現実を生きてると、何もかもをそのせいにしたくなることがある。でもそれって甘えだ。どんなときだって自分で切り拓くしかない。努力なんか報われないことのほうがずっと多い。でも、努力は成果じゃなくて過程だとか、よくキレイごとなカンジで言われるけど、こんな風に描かれると、ああ、そうだよなぁ、どう向き合うか、その姿勢を育ててもらえるんだよなぁ、その姿勢が視野を広げてくれて繋がりを作ってくれるんだよなぁと思える。
    ファンタジーだからこそ描ける真実かも。

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    2019年10月20日
  • アサギをよぶ声

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    ネタバレ

    最初からどうしてもこれをやりたいと思って、自分の好きな道を見つける子も、いるだろう。でも、もしかしたらアサギのように、親の反応がその子の方向性を決めていることもあるんじゃないかと思う。
    親がみんな強いわけじゃない。自分自身が誰よりもかわいいと思っている親だっている。
    そこをまっすぐ書いてくれているのも、うれしい。
    自分の出口を自分で必死に模索してあがくアサギに強く共感する。

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    2019年10月20日
  • 優しいおとな

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    読むにつれ悲しくなり結果が気になった。
    結果、どうなったか分からないんだけど‥
    誰か教えて。
    怖い世界を読みました。

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    2019年08月28日
  • 群青ロードショー

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    Tぬがとにかくきゅんきゅんします!とオススメしてくれた本。
    も、ほんと、きゅん!きゅん!しました。
    3年周期で友達が変わってしまう(終わってしまう)陽。
    転勤族だった私にとってはかなり共感してしまうところ。
    好きなジャンルは違っても、とにかく映画が好きな4人が高校最後の1年で自分たちのための映画を撮る。
    いおりの脚本がうまく自分たちを投影していて、一緒に泣きそうになってしまった。
    こんなふうに友達と過ごす時間をもう一度持てたらなぁなどとちょっと思ってしまった。

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    2019年07月17日
  • 群青ロードショー

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    「自分たちのために映画を撮ろう」
    映画好きな女子高生4人は高校最後に、仲間たちと過ごす楽しい今を残そうと映画作りを始める。
    撮影を通し、気付く仲間の新たな一面、強まる絆。手探りで始めた中、完成した映画とは?

    学校への不満、閉塞感を形で示し、打ち破った最後の爽快感。
    読後、いつか成長した彼女たちが映画を見返して、楽しそうに笑い合ってる画が想像できる。
    好きなことに、がむしゃらでいきいきと走り抜ける描写が眩しすぎて、光って見えた。
    自分が無邪気に好きなことをやっていた日を思い出す。

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    2019年06月04日
  • 優しいおとな

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    貧富の差が拡大して荒廃した日本。ホームレス、地下世界…テーマは重い。
    親を知らないイオンの目からその世界を見る。
    次々に展開する話に引き込まれた。

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    2019年02月17日
  • 優しいおとな

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    ネタバレ

    わたしは?どっちつかずなおとな。
    貧困、逃避、自棄、愛着、無関心、優しいおとな、優しくないおとな、どっちつかずなおとな、登場人物に大人は少ないけど多分みんな優しいおとな。
    最後の救いがあって助かった。

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    2018年01月22日
  • 「リベンジする」とあいつは言った

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    ネタバレ

    沢田は山下と橋口一緒に江本の眼鏡を奪って、キャッチボール?みたいな事をしていた。途中で沢田は江本の眼鏡を落としてしまった。そこに、林さんが走ってきて、その眼鏡を割ってしまい、そのせいで江本は帰りに、段差で転んで、骨折してしまった。
    沢田は江本の病院に見舞いに行った。
    (えらい!)
    それからは、沢田は江本の病院によく見舞いにいくようになった。
    そして、解決へと向かっていく…………。
    (イジメはやっぱりいけないよな~。これからは、イジメられている人がいたら、助けてあげよう!)

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    2017年01月22日
  • 優しいおとな

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    コミューンとか、共同平等とか、桐野作品らしい。本当の悪人が出ないのとかも
    (私がどんくさいから気付かないだけかもだけど)。みんなピュア。
    最後の最後に、イオンがやっと自由になれてよかった。救われない感じもするけど、
    これはこれでいい。
    メタボラと同じような、登場人物と疾走した連帯感と喪失が嬉しかった。

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    2016年12月02日
  • アサギをよぶ声 そして時は来た

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    ネタバレ

    おもしろかった。
    完結編。

    救えた人と救えなかった人と。
    なかなか1人の少女には重すぎる展開。
    なのに、よく頑張ったなあ。

    結局「声」とはなんだろう?
    直観?客観視?観察力?
    迷い躊躇いつつも、選んで進んでアサギは戦った。

    いやあ、ほんと見事。

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    2016年02月22日
  • 月のうた

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    早くに母を亡くした民子はしっかり者の祖母にきちっと育てられる。継母のほうがのんびりキャラ。陽一とその母とのつながりなど、なかなかよかった。

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    2016年02月20日