朝日新聞特別報道部のレビュー一覧
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この本は2014年に発行されており、震災から3年が経っている。震災直後からの混乱に加え、原発事故による被害がますます拡大して行く様子がわかる。そこに暮らす人たちの葛藤は深い。東電の無責任体質と国の縦割りの支援金、あげればキリがないが、これはまだ未解決のことだ。まだ被害は続いているし、これからも解決に向けた努力は必要だろう。無かったことにはできないのだ。
しかし年月が経つにつれて風化し、支援金なども打ち切られて行く。それは今なお起こり続けている。「復興五輪」などと銘打って行われた五輪は一体この人たちの何の役に立ったのだろうか。日々問い続けなくてはならない。 -
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福島県飯館村。2011年3月11日の東日本大震災の発災後、1か月
が経った4月11日に国から計画的避難区域に指定された。
「村を出るなら死ぬ」。全村避難が報道された後、村の最長老で
ある102歳の男性は一緒に暮らす家族に呟いた。生まれ育った
村だ。男性は一度も村を離れることなく、102年を村で生きて
来た。
家族に呟いた言葉通り、男性は自宅で自死することを選んだ。
102歳の高齢者が、自らの首をくくる為にコンビニ袋をよる
なんてことがあっていいのか。
原発事故がなければ、家族に囲まれ自宅で天寿を全うしたで
あろう人だ。こんな現実があっても、後に弁解をしたものの
自民党・高市早苗は「原発事 -
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朝日新聞朝刊連載記事の書籍化第6弾。月に1冊は東日本大震災
と福島第一原発事故関連の本を読もうを決めているのだが、
なかなか手が回らないのが現状だ。前作第5弾から随分と
時間が空いてしまった。
栃木県の中禅寺湖、群馬県の赤城大沼ではニジマスやワカサギ
のセシウム濃度が国の基準を超えた。両の漁業関係者にとって
は死活問題だ。これだって原発事故の影響i以外ないだろう。
福島第一原発事故で避難を余儀なくされた人たちが奪われた
のは家や財産、ふるさとだけではない。多くの民族伝統が
消滅の危機に晒される。
多重債務に苦しむ人々を救おうと奮闘する司法書士、住民の
姿が消えた地域で増えるイノシシに対応 -
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原発事故は日本人に何をもたらしたのか?人気連載の書籍化第3弾です。早くも風化の兆しが見え隠れする中で、放射能汚染という目に見えない『恐怖』のために引き裂かれていく地域や人々の様子を描いております。
朝日新聞紙上で大反響を起こしている連載記事の書籍化第3弾です。ここに収録されている内容は、2012年6月9日から2012年10月22日(第13~18シリーズ)までのものなのだそうです。僕はリアルタイムでこの連載を見てはおりませんが、書籍化されたものはすべて目を通しているので、震災、原発事故後の「フクシマ」の刻々と変わっていく様子は目を離さずにいるのではないかと思っております。
本書が刊行された2 -
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情報が断片的なので、わかりにくいところもあるが、巻末の事故後の年表を見るとこんなにたくさんのことが同時並行的に起きていたのかと改めて驚く。これはとてもじゃないが誰の手にも負えない状況だ。
テロ対策にしても以前からアメリカから示唆されていたにもかかわらず、きちんとできていなかったというお粗末さ。事故後の対応の酷さ。ダム建設の際の住居移転への補償よりもずっと低いとは…。
あとがきにあった「忘れてほしくない」という被災した方々の声は社会に伝わっているのか心許ない。避難者への補助も打ち切られたと聞く。どちらかと言えば、今の政府は忘れたい、無かったことにしたいのではないだろうか。あの「悪夢の…」のフレー -
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サブタイトルで自画自賛している本書だが、長期連載だけあって
様々な角度から福島原発事故を追っているのは確かだ。
福島沖の放射線調査の為に東京海洋大学が緊急で練習船を
出航させた第1章と、高校生が立ち上げた安否確認サイトから
広がったネットワークを描いた第2章は辛い現実のなかにも
光が見出せる。
人間が避難するのに精一杯。その避難だってまさか長期に渡る
とは思わなかった人々は家族の一員であるペットを連れて避難
することが出来なかった。
置き去りにされたペットや家畜をどうすればいいのか。確かペット
の救出に関しては大勢のボランティアが活動していたが、その
すべてが歓迎されたわけじゃないんだよ