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Posted by ブクログ
本書は朝日新聞紙上にて大反響を巻き起こした福島原発事故を追った連籍を書籍化した第4弾です。 被災地に残った人間達の葛藤や、米軍横須賀基地、更にはワシントンの混乱振りや日本への不振が記されております。
『3.11』の東日本大震災と時をほぼ同じくして発生した福島第一発電所の深刻な原発事故。その経過と地元である福島県の『その後』を追い続けた朝日新聞の連載企画第4弾です。
ここでは非難が困難であった障害を持った人に対する取材や、災害時の弱者を救うための個人情報の取り扱いに関する緊迫感あるやり取りが最初に収録されていて、この事件が残した教訓の重さを思い知らされました。
更には柏崎からさいたまに被災した人々やその行政側の混乱。複雑な思いに引き裂かれる被災者の心情は本当に痛切でございました。その一方でアメリカ側の日本に対する事故の対応への不信が本当にシビアで、
『事故が悪化すれば、東アジアの重要拠点である横須賀基地が使えなくなるかもしれない』
という考えの元に判断を下し、さすがはアメリカの核に関する危機管理がハンパじゃないなと思うとともに、彼らの思考が良くわかってとても面白かったです。
そして、事故を『収束』するために動いた自衛隊の専門部隊などの話もあり、『彼ら』の生々しい人間的な姿と、任務に対するその姿勢はとても印象に残っております。
Posted by ブクログ
第21シリーズ「遠野ショック」、第22シリーズ「また年を越す」
原発事故、広範な放射能汚染、その実像が被害を被ったひとりひとりの人生を見つめることで浮かび上がる。放射能汚染が覆った地域には、たくさんの人が人生をかけ情熱を注いで作り上げてきた家業や生活があった。畜産にしろ、食品加工にしろ、その土地の自然と結びついた生産活動だけにそのダメージは大きい。一つの事故がもたらす影響が余りにも甚大、そのリスクを抱えながらも私たちはまだ原発を持ち続けるのか。
第23シリーズ「日本への不信」
米国の危機感に答え、日本政府がこの事故の収束に向けて積極的に対処する姿勢をみせるために、あの自衛隊ヘリからの放水が行われたとしたら、被曝をさせられた自衛隊員はたまらない。本当にあの時点での原子炉の冷却に効果はあったのか。
1979年スリーマイル事故について、「そのとき、対応は事業者任せで最初の1週間ほど混乱した。米国はそれを教訓に危機管理を組み立て直した。日本も同じように改善するだろう」という元米国務省日本部長ラスト・デミングの言葉。汚染水流出問題に見ても、スリーマイルよりも深刻な事態にも関わらず、”事業者任せ”で汚染の拡散を止められずにいる。反省は活かされていない。
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