朝日新聞特別報道部のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は朝日新聞のルポルタージュ連載記事の書籍化したものです。連載は現在でも続いているそうです。ここでは福島原発事故による放射能汚染は、なぜこれほど多くの被害者を生んだのか。という事が語られております。
僕は日ごろ朝日新聞を読んでいないので詳しいことはわかりませんが、この連載は単行本化された後も続いているみたいですね。それはリアルタイムでは読まずに続編が出たら読むことにいたします。それはさておいて、この本は朝日新聞にて連載された「3・11 あの日いったい何が起こったのか?」という記者がまさに足で稼いだ情報を元につづったルポルタージュです。
これを読みながら、やはりマスコミの組織力はすごいなぁと思ったと同時に、これだけのことを震災当時、リアルタイムに報道してくれればよかったんだけれどなぁと一抹の怒りと寂しさを覚えてしまいました。読んでいて思うのはまさに「隠蔽工作」とも解釈できるような政府側の対応の数々で、放射能の知識がない一般市民に問い詰められても「緘口令」が敷かれていて一切数値を公開しない場面などを読んでいると、まさに「棄民」だなと、登場人物の一人で、自らの職を擲って現地の調査を行っていたたたき上げの学者と同じことを考えてしまいました。
さらに、ほかの文献でもあぶりだされていましたが、政府中枢の混乱振り、これも際立っておりました。まさに「囚人のジレンマ」とも呼ぶべき様子を呈しており当時の菅直人首相をはじめとする閣僚たちは個人的には事態を収縮しようと躍起になっているのはわかるのですが、集団になると混乱し、支持系統がめちゃくちゃになっていたり、肝心の情報が届いていなかったりと、まさにカオスの様相を呈している場面が事態の重さを物語るものでありました。
そのほかにも現在でも被曝を伴いながら現地に留まる人間と、「夜逃げ」のように避難する人間との「相克」が描かれたりと、いつ終わるとも知れない「原発災害」の重さを教えてくれる一冊でありました。 -
Posted by ブクログ
ここまで原子力にヘイトだと逆にすがすがしさを感じます。
もちろん福島第一原子力発電所の事故により避難な精神的な苦痛を被った人へのインタビューは価値があるが、なんでもかんでも原子力のせい、というのは隔たりすぎでしょう。
あと、原子力(≒放射能)が超危険!ということを間接的に言っている表現が多すぎる。
例えばホットスポットで、100マイクロシーベルト毎時が発見されて、年間900ミリシーベルト浴びて国の基準を大きく逸脱する!大変だ!という表現。
そりゃあ、屋外の流動がない水たまりでホットスポットが見つかって、そこに1年365日24時間たっていればそのような線量を浴びるけれど、そんな人いる?
周辺よりも高い線量の場所なので「ホット」スポットと言うのです。
あと、食べ物についても過度に内部被ばくの危険性をあおっており、WHOが定めた科学的に根拠のある数値なんかあてにならない!という論説で、なぜにあてにならないのか、という回答は一切ない。
さすが朝日さんです。
あと、著者は新聞屋であって原子力に精通している人では「まったく」ないので、科学的でもないし、原子力も理解していない。 -
Posted by ブクログ
新聞連載の書籍化第3弾は、福島県広野町の高野病院の奮闘から
始まる。原発から22kmに位置する高野病院は、福島第一原発の
1号機が爆発したあとも、入院患者を避難させることなく入院医療
を続けた。
勿論、避難するよう勧告もあった。病院を訪れた警察官からは「なぜ、
ここにいるのか」と強い言葉で言われている。だが、動かせない患者
もいる。実際に被災地の他の病院では避難の際の長時間の移動中
に亡くなった方もいた。
この高野病院のケースが突き付けるのは、被災地での地域医療
継続の問題だ。住民が帰還するにしても、病院が必要になる。
だが、「福島」というだけで看護師等が集まらない現実がある。
福島県三春町は原発から西に45kmに位置する。原発立地自治体でも
なく、自治体職員も放射能に対する知識はなかった。
しかし、大熊町からの避難住民を受け入れたことで、住民につき添って
来た大熊町職員が集めていたデータから放射性物質が自分たちの町に
も危険を及ぼすことを悟る。
政府はSPEEDIのデータを公開しなかった。海外の放射能観測機関の
拡散予測を参考に、風向きを確認して全町民にヨウ素剤の服用を
促した。これがのちに、県やマスコミから批判されるようになるのだが。
他にも除染の問題、核廃棄物の地下保存施設の問題を扱っている。
マスコミもそうなのだが、原発の安全神話に加担した戦犯として
批判の矢を浴びてもおかしくない広告代理店なのだが、誰も批判
しないんだよね。
電通、博報堂、東急エージェンシーの有名広告代理店は原発安全
神話で大儲けした上に、今度はがれきの広域処理や除染でも
大儲けしている。
環境省ががれきの広域処理の啓蒙の為に、日刊紙に全面広告を
打ったことははっきりと覚えている。これも広告代理店が絡んで
いるし、被災地にオープンさせた除染プラザも環境省が電通に
丸投げ。
いつ終わるとも知れぬ避難生活を送っている人たちを尻目に、
二重三重に甘い汁を吸っている奴らがいる。それは、財政難の
自治体に核廃棄物の地下保存施設を作らせようと暗躍する
有象無象の奴らと同じじゃないのか? -
Posted by ブクログ
本書は朝日新聞紙上にて大反響を巻き起こした福島原発事故を追った連籍を書籍化した第4弾です。 被災地に残った人間達の葛藤や、米軍横須賀基地、更にはワシントンの混乱振りや日本への不振が記されております。
『3.11』の東日本大震災と時をほぼ同じくして発生した福島第一発電所の深刻な原発事故。その経過と地元である福島県の『その後』を追い続けた朝日新聞の連載企画第4弾です。
ここでは非難が困難であった障害を持った人に対する取材や、災害時の弱者を救うための個人情報の取り扱いに関する緊迫感あるやり取りが最初に収録されていて、この事件が残した教訓の重さを思い知らされました。
更には柏崎からさいたまに被災した人々やその行政側の混乱。複雑な思いに引き裂かれる被災者の心情は本当に痛切でございました。その一方でアメリカ側の日本に対する事故の対応への不信が本当にシビアで、
『事故が悪化すれば、東アジアの重要拠点である横須賀基地が使えなくなるかもしれない』
という考えの元に判断を下し、さすがはアメリカの核に関する危機管理がハンパじゃないなと思うとともに、彼らの思考が良くわかってとても面白かったです。
そして、事故を『収束』するために動いた自衛隊の専門部隊などの話もあり、『彼ら』の生々しい人間的な姿と、任務に対するその姿勢はとても印象に残っております。 -
Posted by ブクログ
朝日新聞の人気ドキュメンタリーの第3弾。このシリーズを読むために朝日新聞を取ってるという人もいるほど。
福島原発事故において唯一住民にヨウ素剤を配布し服用指示を出した三春町。町長と職員の混乱と苦悩を描いた「吹き流しの町」は読みごたえがあった。事故から半年の後、担当課長が住民からかけられた「子どもたちを救ってくれてありがとう」の言葉はグッときた。
それに引き換え「カワセミ日記」での原子力災害現地対策本部、福島県、原子力安全委員会のぐだぐだぶりといったらない。
核廃棄物最終処分地探しにまつわるエピソード「地層をねらえ」は、産廃同様に胡散臭い話ばかり。六ヶ所村での再処理は困難を極め、最終処分地のメドが全く立たない。日本の原子力政策は、バックエンドの問題にて完全に破綻していることを思い知らされ、気が重くなる。 -
Posted by ブクログ
第2弾は我が家が朝日新聞を止めた後のため、全て初見。
ネタ切れ(?)なのか、前作と比較すると事故そのものより周辺エピソード中心の構成。
六ヶ所村に再処理施設が出来るまでを綴った「ロスの灯り」も読みごたえがあったが、衝撃的だったのは気象庁の津波警報の顛末を追った「遅れた警報」。
以下、要約。
~気象庁が出した当初の津波警報(マグニチュードから自動計算)は「岩手3メートル、宮城6メートル、福島3メートル」。一方、三陸沖の水圧計は5メートルの津波を計測。沿岸になるほど津波は高くなり、気象庁の計算式では沖合の5倍(=30メートル!)が沿岸の津波の高さ。しかし水圧計の数値は活かされず、気象庁が「10メートル以上」と修正したのは、大津波が襲ったあと。もし水圧計を重視していたら、死者行方不明者1万9千人のうち1万人は助かった(!)との見方もあるという~