朝日新聞特別報道部のレビュー一覧
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ネタバレ第21シリーズ「遠野ショック」、第22シリーズ「また年を越す」
原発事故、広範な放射能汚染、その実像が被害を被ったひとりひとりの人生を見つめることで浮かび上がる。放射能汚染が覆った地域には、たくさんの人が人生をかけ情熱を注いで作り上げてきた家業や生活があった。畜産にしろ、食品加工にしろ、その土地の自然と結びついた生産活動だけにそのダメージは大きい。一つの事故がもたらす影響が余りにも甚大、そのリスクを抱えながらも私たちはまだ原発を持ち続けるのか。
第23シリーズ「日本への不信」
米国の危機感に答え、日本政府がこの事故の収束に向けて積極的に対処する姿勢をみせるために、あの自衛隊ヘリからの放水が行わ -
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ここでは住み慣れた故郷を原発事故によって追われ、いまなお帰還のめどすらたたない被災者たちの苦悩、新たに発掘された事故の原因と背景などを詳細にレポートした朝日新聞の人気連載を書籍化したその第二弾です。
本書は福島原発事故の再検証をテーマに、朝日新聞に長期に渡って連載されているルポルタージュ記事を書籍化したものです。僕はリアルタイムでは読んでいないので、こうして単行本化されるのは本当にありがたいことです。
先日ここでも紹介させていただいた第1弾は、2012年の3月に発売して大きな反響を呼び、10万部突破のベストセラーとなったのだそうです。ここで記されているのは、まさに慟哭ともいうべき被災者た -
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福島第一原発事故を追った、朝日新聞の連載記事を
まとめた一冊…これ以降も連載は続き、本書は冒頭巻にあたる。
新聞紙上で断片的に読んでいたが、一度きちんと
目を通しておきたくて手にしたのだった…
なにをどう云おうが、これが現実なのだろう…
本連載記事をうけもった特別報道部のスタンスは、
報道に身を置く者でなくとも、忘れてはならないことだ。
ポイントは実にシンプル…
・徹底的に事実を書き、主観を省く。そして、わかりやすく書く。
しかし、現実は程遠い…本書から一例をひく…
―放射能は誰のものか。2011年夏、それが裁判所で争われた。
・・・(中絡)…答申書で東電は放射性物質を
「もともと無 -
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朝日新聞もやればできるんだと言うのが第一感、主観を省き事実を書く。誰の発言かを明確にすると言う方針が奏功したようだ。
官邸、対策本部のコミュニケーションの無さ、何とかしたいとあがく末端の研究者、医者に対し責任のがれに終始する官僚機構。国民がパニックを起こすのを恐れてと言いながら対策を取るべき組織が全く機能して来なかった。パニックに陥ったのは対策本部だったようだ。
SPEEDIのデーターは官邸に上がらず無駄になった。
放射線衛生学の専門家木村真三は地震直後すぐに現地入りするが労働安全衛生総合研究所からはストップがかかり、辞表を出した。調査結果はNHKの企画で一度没になるも復活し放射能汚染地図が -
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いまや朝日新聞の〝看板〟ともいえる連載シリーズをまとめた本。現在、本としては3冊目が出ている。その一冊目。(なぜか関連会社の朝日新聞出版からではなく学研が出している)
本1冊に6つの連載がまとめられている。出来不出来の差はあるが、1冊目には勢いを感じる。『防護服の男』『官邸の5日間』あたりが緊迫感があった。日本の話ではないが、『学長の逮捕』が個人的には好み。
日本の報道姿勢に手厳しい、ニューヨーク・タイムズのマーティン・ファクラー支局長もこの連載には好意的だ。(連載開始の遅さも指摘していたが)
朝日新聞の特報部という存在も面白いが、他の部(政治とか社会)とその姿勢が乖離しているような気がして、