立川談四楼のレビュー一覧

  • 談志が死んだ

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    一気に読ませる。
    談春の『赤めだか』が出てベストセラーになったのが2008年。談四楼が書評で褒めたら、談志が激怒し、おまえは破門だという。還暦近くになって破門されるとは。なにが悪かったのか、理由がわからない。この時、談志72歳、亡くなる3年前のことだ。
    最初は家元の怒りにまともにとりあっていたが、しかし少しずつ異変に気がつき始める。書いてあるエピソードを読むかぎりでは、強迫的嫉妬、記憶障害や相貌失認の症状。病気なのだ。
    小説風の展開で、モノローグが随所にあり、回想シーンも頻出する。なまなましすぎて、多少脚色しないと書けなかったということなのかもしれない。
    (蛇足。「談志が死んだ」という回文は生

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    2025年05月07日
  • 恋文横丁八祥亭

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    立川談四楼『恋文横丁八祥亭』小学館文庫。

    人気落語家による連作人情事件短編小説。

    立川段四楼と言えば、Twitterで世相をばっさり斬り裂くような鋭いツイートをよく目にする。そんな落語家の方なら小説も面白いに違いないということで初読み。

    こんな殺伐とした大混乱の時代だからか、このような人情話が心に沁みる。期待通り面白い。

    渋谷の居酒屋『八祥亭』を舞台に繰り広げる人間模様。大女将のしのと若女将の典子が営む居酒屋に持ち込まれる様々な事件。事件を解決するのは警視庁のキャリアでありながら、表に出ることのない訳あり落語家の山遊亭八祥こと高倉という面白い設定。

    『第一話 消えた銀二郎』。 落語の

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    2022年08月10日
  • ファイティング寿限無

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    半分ギャグだろうと思って手に取ったら、かなり本格的で完成度の高いスポーツ小説でひっくり返った。ボクシングの試合やトレーニングのシーンは、下手なスポーツライターより達者なのではないか。落語家の世界の義理人情もしっかり描かれていて、主人公が規格外に強すぎる設定もあまり違和感がない。映画化されそうなストーリーだが、映画にはなっていないようだ。検索したらマンガ版はあった。

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    2019年12月18日
  • 記憶する力 忘れない力

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    [ 内容 ]
    芸歴40年の落語家が伝授する秘伝の暗記術。
    「毎日一行の日記」「リズムとメロディーで覚える」「長屋の間取りやキャラの趣味まで考える」。

    [ 目次 ]
    第1章 暗記しやすい人、しにくい人(“覚え上手”は案外大成しない;噺家見習い・立川寸志誕生 ほか)
    第2章 前座(新人)はまず真似なさい(楽屋仕事が認められる第一歩;古参の前座が教えてくれたこと ほか)
    第3章 二つ目(中堅)は状況も覚えなさい(二つ目は自力で生きねばならない;的確なヨイショで味方を作る ほか)
    第4章 真打(ベテラン)は広い視野で物事を見なさい(立川流昇進には唄と踊りも必要;仕事に幅を持たせる厚み ほか)
    第5章

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    2010年10月03日
  • ファイティング寿限無

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    「売れるためには、まず、有名になること」若く売れない貧乏な落語家が師匠に言われ続けた。ケンカをきっかけにボクシングを始めプロボクサーを目指す。それを実現させられた頃、売れた!笑いあり、涙ありのノンフィクションのようなフィクション。落語を聞いてみたい。

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    2025年06月11日
  • 声に出して笑える日本語

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    閉店した横浜野毛の武蔵屋が三杯までだった。
    この本には都内の事例が出ている。
    この本は純粋な暇つぶし用の本。

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    2024年03月10日
  • シャレのち曇り

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    あれ?どういう経過で読もうと思ったか忘れてしまった。普段落語を聞くこともない自分だけど、昭和な物語につい惹き込まれました。

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    2024年02月04日
  • 記憶する力 忘れない力

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    記憶する力忘れない力の題名通りの内容が気になる人におすすめ。著者が落語家なため噺が読みやすく想像しやすかった。才能に関わらず反復することの大切さを学んだ。特にタクシーで噺をさせられたエピソードを一生忘れない思い出と語っていて、やはり日頃からの反復鍛錬が必要だと感じた。

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    2023年11月14日
  • 声に出して笑える日本語

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    落語家である筆者が出会った興味深い日本語のついてのエッセイ。
    題名が「声に出して笑える日本語」なので、自分もそれを期待して読んだけど、それがあったのは最初の方だけだった。「悲しみのズンドコ」とかさ。あとは落語家仲間の面白い言い回しとか、若者言葉とか。落語の言葉遣いってかっこいいと思うので楽しかったけど、「言いまつがい」みたいなのを期待してると、それとは違うと思う。

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    2023年08月19日
  • 恋文横丁八祥亭

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    読みやすいです
    著者のすっとされている、その性格、感性がそのまま作品の登場人物たちにも表現されているからなのでしょう?
    こういった作品は、やはりその方の経験とその経験に対する感受性、観察力からのなせる業なのでしょう。
    完読です。

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    2023年03月06日
  • ファイティング寿限無

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    非常にテンポ良くスラスラと読める内容でした。
    主人公は落語家をメインとしながら、ボクシングの世界チャンプを目指します。
    全ては「落語のため」という思いを持ちながら、ボクシングの才能が開花し、関係者からはボクシングに専念することを勧められます。

    好きなことを追いかけるのか、得意なことを追いかけるのかという難しい選択を迫られている主人公の置かれた立場は少なからずみんな経験してることと思います。
    そういう目線で、自分の人生における様々な選択を重ねながら共感して読めたからスラスラ読めたのかもしれません。

    面白かったです。

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    2022年06月14日
  • ファイティング寿限無

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    落語家として売れるために、マスコミに対する“引き”を作ろうとしてプロボクサーを目指してみたら、あれよという間に才能が開花。本人の望みとは裏腹に、落語家としてではなく、落語もできるボクサー『ファイティング寿限無』として一躍有名人になってしまう小龍。

    お前には才能があるからボクシングに本腰を入れろというボクシング界の師匠と、本人の好きにしろよと突き放した態度の落語の師匠。

    さてさて、小龍はどうするんだろ?とドキドキハラハラしながら読みました。
    終盤は涙。そしてラストは爽やかです。

    本物の落語家さんの著作とあって、言葉のリズムがよく、あっという間に読めました。
    面白かったです!

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    2020年06月02日
  • 粋な日本語はカネに勝る!

    ネタバレ 購入済み

    ある老紳士の言葉…

    に大いに頷いた。
    「粋な言動を、と意識した時点で、すでに野暮なのではなかろうか」というくだりだ。
    小生に云わせると、「粋」とは自覚出来るものではない。他者にしか見えないものだ。他者が粋と評して、初めて「粋」になる。
    その点では、これは野暮の極みな本なのだが、著者から見た他者の粋な言動・行動の集大成みたいなものだと解釈すれば、面白いのだ。

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    2020年05月19日
  • 声に出して笑える日本語

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    アナウンサーや解説者の恥ずかしい言い間違いを突っ込んだ本。落語家さんだからこそ気づくポイントで、ほんとに読んでて笑い声が出た。新幹線移動のお供に最適。

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    2020年04月05日
  • ファイティング寿限無

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    落語家でありながらプロボクサー、しかも世界チャンピオンを目指す男の物語。

    16歳の小林博は憧れの人、橘家龍太楼の弟子「橘家小龍」となって3年
    師匠龍太楼がいつも言う 落語以外の特技を身につけろ、落語以外で売れる方法を考えろの教え通り プロボクサー ファイティング寿限無となる。

    橘家龍太楼のモデルが 立川談志 だというから頷ける。

    全般的にうまく行き過ぎる感があって。。。
    でも何故か次の展開が気になってドンドンと読み進めてしまった。

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    2020年07月02日
  • 談志が死んだ

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    これは本の雑誌ランキングから、だったかな?落語のことを殆ど知らず、談志といえば第1回M-1での辛辣コメントしか思い浮かばないんだけど、ランキング上位に選ばれる以上、門外漢でもいけるのかな、と思って入手。偏ってはいるけど基本的にはお笑い好きだし、立川一門のことなら意外に楽しめるかも、っていう思いも抱えつつ。とはいえ、そもそも本著者のことも知らないし、出てくる名前も殆ど初めて聞く人ばかりとなると、さすがにハードル高めだった(苦笑)。とはいえ、巨星が墜ちたときの一門の混乱とか、だいぶ頭が怪しくなってきていた最後の日々とかは、かなり楽しく読めました。

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    2019年01月31日
  • ファイティング寿限無

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    ●私にとっての「一万円選書」第3冊目! この第3冊目にして、”どうしてこの本を自分に選書してくれたのか?”がわかり、ニヤニヤしながら読み進めた。最後のエンディングが若干自分の好みとは違っていたため、惜しくも★4つとしたが、充分満足の一冊。

    ●落語家なのに、プロボクサーという”大谷翔平”とはまた違った形の”二刀流”が主人公。この二つの職業ともに、あまりなじみがなかったせいで、逆に興味深く、飽きることなくサクサク最後まで読めた。(落語については、『しゃべれども しゃべれども』、ボクシングについては『はじめの一歩』を読んでいた為、内容の理解はしやすかった)

    ●著者も落語家なのに、小説家という”二

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    2018年12月06日
  • 談志が死んだ

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    師匠 談志の死と、かつて同じ師匠の下で修行しながらも袂を分かれることになった同期 小談志の死。

    師匠 談志の陰陽を虚実合わせて紡ぐストーリーに引き込まれた。

    あくまで、ノンフィクションではなく長編小説という形にしているのが粋。

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    2017年03月10日
  • 談志が死んだ

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    物書きでもある落語家が描く、稀代の落語家の晩年の日々。師匠の心身の異常による理不尽な仕打ちへの恐怖と悩み、自分も年齢を重ね、かつての師匠が通った道程と照らし合わせたときの思いなどが軽快なリズムの文体から体験できます。
    談志はピカソ、と称する山藤さんの言葉が、その生涯を表すのにぴったりだと感じられました。 

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    2016年05月30日
  • 談志が死んだ

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    まさに虚実皮膜の間。どこまでが実話でどこからが創作なのか判然としない。

    ただ、孤高の天才が直面する老いの問題を巧みに救いとっていると感じた。

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    2016年02月16日