立川談四楼のレビュー一覧
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一気に読ませる。
談春の『赤めだか』が出てベストセラーになったのが2008年。談四楼が書評で褒めたら、談志が激怒し、おまえは破門だという。還暦近くになって破門されるとは。なにが悪かったのか、理由がわからない。この時、談志72歳、亡くなる3年前のことだ。
最初は家元の怒りにまともにとりあっていたが、しかし少しずつ異変に気がつき始める。書いてあるエピソードを読むかぎりでは、強迫的嫉妬、記憶障害や相貌失認の症状。病気なのだ。
小説風の展開で、モノローグが随所にあり、回想シーンも頻出する。なまなましすぎて、多少脚色しないと書けなかったということなのかもしれない。
(蛇足。「談志が死んだ」という回文は生 -
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立川談四楼『恋文横丁八祥亭』小学館文庫。
人気落語家による連作人情事件短編小説。
立川段四楼と言えば、Twitterで世相をばっさり斬り裂くような鋭いツイートをよく目にする。そんな落語家の方なら小説も面白いに違いないということで初読み。
こんな殺伐とした大混乱の時代だからか、このような人情話が心に沁みる。期待通り面白い。
渋谷の居酒屋『八祥亭』を舞台に繰り広げる人間模様。大女将のしのと若女将の典子が営む居酒屋に持ち込まれる様々な事件。事件を解決するのは警視庁のキャリアでありながら、表に出ることのない訳あり落語家の山遊亭八祥こと高倉という面白い設定。
『第一話 消えた銀二郎』。 落語の -
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[ 内容 ]
芸歴40年の落語家が伝授する秘伝の暗記術。
「毎日一行の日記」「リズムとメロディーで覚える」「長屋の間取りやキャラの趣味まで考える」。
[ 目次 ]
第1章 暗記しやすい人、しにくい人(“覚え上手”は案外大成しない;噺家見習い・立川寸志誕生 ほか)
第2章 前座(新人)はまず真似なさい(楽屋仕事が認められる第一歩;古参の前座が教えてくれたこと ほか)
第3章 二つ目(中堅)は状況も覚えなさい(二つ目は自力で生きねばならない;的確なヨイショで味方を作る ほか)
第4章 真打(ベテラン)は広い視野で物事を見なさい(立川流昇進には唄と踊りも必要;仕事に幅を持たせる厚み ほか)
第5章 -
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落語家として売れるために、マスコミに対する“引き”を作ろうとしてプロボクサーを目指してみたら、あれよという間に才能が開花。本人の望みとは裏腹に、落語家としてではなく、落語もできるボクサー『ファイティング寿限無』として一躍有名人になってしまう小龍。
お前には才能があるからボクシングに本腰を入れろというボクシング界の師匠と、本人の好きにしろよと突き放した態度の落語の師匠。
さてさて、小龍はどうするんだろ?とドキドキハラハラしながら読みました。
終盤は涙。そしてラストは爽やかです。
本物の落語家さんの著作とあって、言葉のリズムがよく、あっという間に読めました。
面白かったです! -
ネタバレ 購入済み
ある老紳士の言葉…
に大いに頷いた。
「粋な言動を、と意識した時点で、すでに野暮なのではなかろうか」というくだりだ。
小生に云わせると、「粋」とは自覚出来るものではない。他者にしか見えないものだ。他者が粋と評して、初めて「粋」になる。
その点では、これは野暮の極みな本なのだが、著者から見た他者の粋な言動・行動の集大成みたいなものだと解釈すれば、面白いのだ。 -
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これは本の雑誌ランキングから、だったかな?落語のことを殆ど知らず、談志といえば第1回M-1での辛辣コメントしか思い浮かばないんだけど、ランキング上位に選ばれる以上、門外漢でもいけるのかな、と思って入手。偏ってはいるけど基本的にはお笑い好きだし、立川一門のことなら意外に楽しめるかも、っていう思いも抱えつつ。とはいえ、そもそも本著者のことも知らないし、出てくる名前も殆ど初めて聞く人ばかりとなると、さすがにハードル高めだった(苦笑)。とはいえ、巨星が墜ちたときの一門の混乱とか、だいぶ頭が怪しくなってきていた最後の日々とかは、かなり楽しく読めました。
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●私にとっての「一万円選書」第3冊目! この第3冊目にして、”どうしてこの本を自分に選書してくれたのか?”がわかり、ニヤニヤしながら読み進めた。最後のエンディングが若干自分の好みとは違っていたため、惜しくも★4つとしたが、充分満足の一冊。
●落語家なのに、プロボクサーという”大谷翔平”とはまた違った形の”二刀流”が主人公。この二つの職業ともに、あまりなじみがなかったせいで、逆に興味深く、飽きることなくサクサク最後まで読めた。(落語については、『しゃべれども しゃべれども』、ボクシングについては『はじめの一歩』を読んでいた為、内容の理解はしやすかった)
●著者も落語家なのに、小説家という”二