立川談四楼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「声に出して笑える日本語」3
著者 立川談四楼
出版 光文社
p57より引用
“要するに鑿は飲みというしゃれでね、
だから飲み助のことを左利きとか左党と言うんだよ”
落語家である著者による、
日本語に関する面白いエピソードを集めた一冊。
同業者の名言からアルバイトの何気ない一言まで、
あらゆる場所でいろんな人の言葉の間違い等が拾われています。
上記の引用は、
酒飲みが左利きと呼ばれる所以についての一文。
大工さんの道具からきていて、
右手で金槌左手でノミを持つからだそうですが、
左利きなら左手に持つのは金槌なのでは?
言葉遊びにいちいち細かい事を言っていると、
無粋だと怒られそうですが。
落語家らしく、
伝統的な日本語の使い方に関して、
なかなかに辛辣な意見も書かれています。
しかし、
全体として気楽な雰囲気で楽しい一冊です。
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Posted by ブクログ
ネタバレハウツー本だと思ったら違っていました。タイトルを見たら、覚える方法と、覚えたら忘れないようにする方法を教えてくれる本だと思ったのです。著者はたくさんの噺を記憶している落語家ですし、きっと何か良い方法があるんだろうなぁと。でも、違いました。
本書に書いてあるのは、覚えたり忘れたりが付き物の落語家のエピソード集みたいなものです。
固い話ではなく、気楽に読めばいい類の本です。
記憶し、忘れないためのヒントくらいにはなるかもしれませんが、そこに期待しすぎてはいけません。
本書で面白かったのは、むしろ名人といわれる落語家たちのエピソードでした。落語好きの方ならすでにご存知の話でしょうが、初心者の私には面白いものでした。
ある高座で「戸を開けないで家に入っちゃった」と演ったとか、「寝ちゃった」ことがあるという古今亭志ん生。天衣無縫、落語の登場人物さながらの方のようでした。
志ん生の息子二人、馬生と志ん朝のうっかり間違いの話もありました。
文楽の最後の高座での絶句もありました。
いずれのエピソードも面白かったのですが、とても笑えるものではありません。振り返れば、大なり小なりそういう経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
あの名人でも多くの客の前でしくじったことがある。どんなに焦ったことだろう、なんて想像してしまったら身につまされて笑えないのです。笑ってもらうのが本望の落語家ですが、普通なら笑われてしまうような失敗をしたとき、笑われるどころかかえって悦ばれたり感心されてしまうところも名人の為せる業なのですね。
失敗した時の対処法、悪く言えば胡魔化し方には、それぞれの人柄が覗きます。面白いところで、ここなんかは忘れた時の対処法のヒントになる気がしました。
志ん生と文楽は実に好対照だったのですね。
融通無碍の志ん生は「草書の芸」精密機械のような文楽は「楷書の芸」そう言われていたそうです。うまいことを言うものですね。正反対の二人ですが、私はどちらも好きです。
立川談志一門の落語協会脱退騒動。
本書の著者・立川談四楼が落語協会の真打昇進試験に落ちたのに談志が激怒した結果だったんですね。寄席に出れなくなるなど、弟子たちは大変だったようです。それでも現在、立川一門には人気の落語家がたくさんいます。独演会のチケットが取れないという話を聞きます。人気は努力、実力なくして得られません。落語界の事情はよく知りませんが、協会脱退も良い方に転がってなによりです。いや失礼しました、転がったのではなく、立川一門の皆様が奮闘努力したからこそ成しえることができたのですね。