戸田山和久のレビュー一覧
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ちょっと固そうな内容の印象を与える署名と
装丁ですが、素晴らしい本です。
まだまだ知らない著書があり、「無知の知」
を思い知らせらます。
この本はこれから大学で学ぼうとする高校生
向けに書かれているらしいです。
しかし大人も読むべきです。
特に池上彰などを読んで「大人の教養」を身
につけようとしている人達にこそ、です。池
上氏とは違った教養へのアプローチを示して
くれます。
前半の「ダイ・ハード3」の解説でハートを
グッと掴まれます。
ただのドンパチアクション映画と思っていた
のが、実は教養があれば見抜くことができる
深淵なテーマが隠されていることに驚かされ
ます。
まさしく「無 -
Posted by ブクログ
コロナウィルスの猛威により、国家や常識を疑うことが多くなりました。自分で物を考えて行動するためにこの本からヒントを得ようと読みましたが、とても感動しました。
知のバトンを引き継ぎ、現代に生きる自分が世界とどう関わっていくのか。この本を読んでバトンすら見えていなかったことに気付けただけでもありがたいです。大学生、高校生向けに分かりやすく書いていますが、十分30代のおっさんにも深く刺さりました。あとがきまで読むと目頭が熱くなるほどの情熱を作者から感じることが出来ました。長文で駄文で読みづらいレビューですが、この本をこれから読む人、読んだ人に伝われこの思い! -
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煽られました。揺さぶられました。脳内体温(そんなものあるかどうか、わからないけど…)上がりました。いや、頭というより心がざわつきました。軽い語り口…じゃなくて書き口に乗せられてページを次々めくっていきますが、作者が伝えようとしていることはヘビーです。甘くて飲みやすいカクテルだと思ったらアルコール度数がメチャ高い感じ。そう、「教養」という領域は、大学で専門に入る前の食前酒的な位置づけが共通イメージでしたが、どうしてどうして学問というもののど真ん中なのかもしれない、が読後の変化です。世界のさまざまな問題が専門家の狭くて深くてマニアックな研究に任しておくだけじゃ…、という時代にリベラルアーツに光が当
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Posted by ブクログ
「ああ,なんて浅はかなんだ」
本書を読んで強く思いました。もちろん,浅はかなのは本書でありません。私です。
「教養が大事」と頭ではわかっていましたが,「では教養とは何か?」「なぜ大事なのか?」と問われたらしどろもどろです。
博識(知識が多いこと)が教養の条件だったらうんちくを披露する隣のおじさんは教養人になってしまうし(おじさん,ごめん!),だからといって,教養の条件として知識が少なくていいかといわれるとそうではない気もするし。
知識が多いと何が良いのかと言われても,,,
うーん。。。
「安心してください。定義していますよ。」
「はっきり言って自信作だぜ。」(p.125)と -
Posted by ブクログ
大学生向けの論文執筆の指南書だが、わざとアホでも読みやすい文体で書かれていながら、きちんとした論文作成の基本を抑えている。真面目な学生のみならず、普段本など読まない学生をも対象として読ませようとする筆者の努力が伝わる。
そもそも、まともに文章の書き方などならわず作文のようにベタに最初から最後まで書いて終わり、のような指導が一般的な高校までの文章作成から、大学でいきなり論文のような長編を書くのは新入大学生にとって至難の技である。そういった学生に、準備段階としての段取り、論証のテクニック、アウトライン➝トピックセンテンス➝パラグラフという展開の仕方から、わかりやすい文章を書くための構成や語の選び -
Posted by ブクログ
最後まで読み終えて、感無量だ。
まず哲学観が変わった。西欧とか東洋とかそういう伝統を踏まえた議論ではなくて、神が死に、ニーチェも死んだ現代のための哲学だ。「にもかかわらず」「だからこそ」考える営みだ。
次に、力強い解放感を感じた。究極の目的なんてないんだと著者は説得力を持って結論する。破壊力満点だ。なにに今までとらわれてきたのだろう。専門的な問題意識だけではなく、ごくごく普通の人間が囚われている問題意識=悩みの虚構性を見破っている。
最後に、進化論を始めとする科学的妥当性が無視できない時代に、著者の言う概念工学としての哲学的思考スタイルは底知れぬ意義を持つだろう。