田中優子のレビュー一覧

  • 春画のからくり

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    日本で本格的に春画研究が始まった90年代後半〜2001年にかけて書かれた春画論。

    本論に入る前の「江戸はトランス・ジェンダー」という若衆論が、日本の男性アイドル観のようで面白かった。「男にとっても女にとっても、若衆は自分と同じ性をもっていて、しかも非現実的な存在だった。男にとっては女の生々しさがなく、女にとっては男のむさくるしさがない。この世の者ではないかのような浮遊した存在なのである」。肝心の春画紹介では若衆は一、二枚しか出てこず残念。
    日本のポルノである春画は(というか浮世絵全体だと思うが)、服飾芸術と強く結びついてハイコンテクストな世界を作っていた。それは文学においても同じで、のちの鏡花まで続いていく。黎明期からたくさんの絵師が紹介されるのだが、やっぱり歌麿だけ笑ってしまうくらいクオリティが高い。北斎は「関係を描くことや、絵を見る側の内面を想像することのできない絵師だったのかもしれない」という指摘が面白かった。

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    2020年09月13日
  • 春画のからくり

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    近世の見立て絵を理解するための読書。春画であっても時代の美意識を理解していないと読み解けない。それもやはり、源氏から脈々と続く伝統の上に成り立っている。「隠すー見せる」の関係性や着物の生地や柄に対するこだわりなどなど。深い世界だなぁ。

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    2020年06月03日
  • 春画のからくり

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    日曜朝のTV番組「サンデーモーニング」に準レギュラーとして登場している田中優子先生、の著作。

    田中先生は法政大学の教授で、「江戸学」の権威。この4月からは、なんと総長になられるらしい。

    めっぽう、和服がお似合いになる。
    江戸学の人だものそりゃあね、と言ってしまえばそれまでだが、そもそも和服が似合う体型(超なで肩)だからこそ江戸を目指したのかも、なんてTVで拝見するたびに下世話な想像をしてしまう。

    で、この本。春画考である。
    あの方がこのような本を…と思うと下世話がさらに下ぶれしそうな雲行きになるが、いたって真面目な本である。

    大英博物館で春画のワークショップが開催されたところから話は始まる。訳のわからない検閲があるために、肝心の日本國内ではさっぱり研究が進んでいない分野であるという。

    この本の核心は、やはり服装なりテキスタイルにある。粋と野暮、高貴と卑賤、さらには不倫だったり行きずりだったりの事情が、ただ服の柄なり着合わせなどを観察するだけで見えてくる。さらには、目的がエロだけなら素っ裸でやってりゃいいものを、春画はおしなべてそうなってはいない、と話は進んでいく。

    春画と言えば、リアルかつ細密に描かれた巨大な男根とかが世界的に有名だが(ウタマーロ、である)、問題は、そのものズバリではなくむしろ服なり布なりでいかにうまく隠すか、にあったらしい。その技巧の頂点に歌麿がいる。

    呉服商がスポンサーで、要するに生地なり服なりのカタログであったり、いまで言えばモード雑誌でもあったのよ、という面もあったようだが、第一義的には、つまりチラリズムにこそ日本人のメンタリティがあったというのである。すっかり即物的になった現代日本のエロシーンは、そういう機微を忘れてしまったということなんでしょうな。

    モノクロだけど「検閲」の入っていない図版も豊富で、ちょっと下世話に目を寄せて見ちゃったりもしつつ、へえ、これにはそういうからくりだったのかと大いに納得のいく、大変面白い本であった。

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    2019年06月20日
  • 池波正太郎「自前」の思想

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    失敗表彰、恩送り、陋規。今まで知らなかった素敵な理念がいっぱい学べた。とくに清規と陋規については、自分の仕事上ほんまに考えさせられる考え方で胸に残った。自前と自立は違うよ、というのは、橋本治も一人前になる/自立するは違うと言っているのと同じかなぁと思う。

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    2012年11月03日
  • 池波正太郎「自前」の思想

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    池波正太郎本はほとんど読んでます。
    小説、エッセイも 彼が書いたお店で美味しくいただいています。
    佐高さんはあまり好きではなかった、法政の田中さんは良く解らなかった。今までは。
    この一冊は、普段偉そうにしてテレビに出ている二人を身近に感じさせました。
    池波正太郎に蘊蓄はいりません。とりあえず一冊読みましょう。それが二冊、三冊に

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    2012年09月18日
  • 大江戸生活体験事情

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    書物で江戸の事は知っているけれど、じゃあ実際体験したらどんな感じなの?と、2年もの間旧暦で日を読み、着物を着て行灯で生活をした著者お二人のエッセイである。
    江戸時代の筆が現代で使われている筆と全く作り方が違うという事や、和紙に墨の書物は行灯の明るさでも読む事が出来るなど、実際に体験しないと分からない事が書かれていて大変為になった。
    ただエッセイなので、著者さまの色々な思いも書かれているのが少々息苦しく感じるかもしれない。

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    2012年04月29日
  • 春画のからくり

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    買うときちょっとどきどきしちゃった。
    だって帯の文句が…w

    春画は江戸のパワーみたいなものが、ものすごく強力に出ていると思う。
    いや、だって、ほんと、すごいんですね。

    まだ読んでいる途中です。


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    2009年10月04日