田中優子のレビュー一覧

  • 「トリート・テーブル」の料理教室 小さなお重のおせちと、お正月のつまみ。

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     ずっと高校の家庭科のテキストと料理学校の3品レシピでおせちを作ってきたけど、「もうこの辺でおせちは買う?」と思った矢先に本屋で出会う。

     とにかく1品の量が多く、我が家にはやや作りづらい分量ではあるけれど、「これってあんがいできそう」の連続で8品も作るようになってる。
    とくに「伊達巻」の簡単さには驚いた。
    今年初挑戦した「松風」は子供も少し食べた。御節ダメダメだったのに。

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    2011年01月06日
  • 遊廓と日本人

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    遊郭とは何だったのか。――男の欲望を満たす悲哀の場として語られてきたが田中優子はそこに別の光を見いだす。封じられた女たちはただの犠牲者ではなかった。礼や芸、ことばを磨き、時に権力すら動かす精神の強さを秘めていたという。――遊郭は社会の歪みの象徴でありながら同時に文化の温床でもあった。人の情と理が交わるその場所に日本人の二面性が映る。悲しみを美に変える力こそこの国の底に流れる祈りなのかもしれない。

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    2025年10月16日
  • 大江戸ボランティア事情

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    江戸文化に深い興味があったわけではありませんが、ボランティアについて知りたいと思い読みました。(中島隆信著「障害者の経済学」で取り上げられていたため)
    何でも経済的なサービスに落とし込んで金銭をやり取りする現代とは異なり、江戸時代は公共サービスもボランティアによって成り立っている部分が大きかった。どちらが優れているという結論を求めるものではないが、現代社会の行き詰まりや人間孤独に示唆を与える内容です。
    しかしながら、江戸文化について、”連”の話を深めてと細かく記載している箇所などもありますが、そこはボランティアの話題との関連が薄く、江戸文化に深い興味が無ければ退屈です。
    ほか、文が感情的になり

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    2025年10月01日
  • 春画のからくり

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    事例としてあげられている春画と、その解説は面白かったものの、タイトルとはなんかズレている気がしないでもない。
    広く浅くという感じで、春画というものの変遷が語られている。
    直接に表現せず、周辺を子細に描き込むことで対象をかきあらわすというのが日本のスタイルで、文学でも絵でもこの手法が使われているという論には、なるほどなあと思い当たるものを感じた。
    また隠すこと=見せることという感覚は、昔からあるんだなとか思う。絶対領域的な発想やね。
    覗きに対する論もちょっと面白い。覗くという行為は、そもそも笑われてしかるべき行為であるという。身も蓋もない言い方には笑ってしまった。
    表紙の絵がすごく良い。春画だと

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    2025年08月10日
  • 蔦屋重三郎 江戸を編集した男

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    絵師では謎の絵師、写楽の記述が気になった。
    作家では山東京伝の本を読んでみたくなった。でも、現代語訳は出版されていないようです。岩波さん、これを機に是非!

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    2025年06月14日
  • 昭和問答

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    2025.02.19
    良書。
    しかし、わたしはこの本で述べられる考え方には同意しかねるところが多々ある。本も批判的精神をもって向き合うことが大事と学んだ。

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    2025年02月19日
  • 昭和問答

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    対話による連想的な展開により昭和の輪郭を探るものであった。書籍と時代背景の関連付けを中心に主題の周辺をなぞることで、朧気に何かを掴めるような感触が残った。

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    2024年11月21日
  • 別冊NHK100分de名著 「平和」について考えよう

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    *フロイト
    死の衝動を飼い慣らすには:ギャンブル、ゲーム、マンガ、スポーツ、お笑い
    中井久夫『「意地」の心理』。日本人は目的がある時ではなく、意地になった時に一番粘る。戦争は過程(プロセス)、平和は状態。プロセスには目的、意義、戦略がある。期限もある。

    *ブローデル『地中海』
    現代と相似をなす16世紀の地中海。格差を必須とする資本主義。

    *井原西鶴『日本永代蔵』
    江戸260年の平和とは

    *ヴォルテール『寛容論』
    理想主義、素朴主義。理性的になれないからこそ、ヴォルテールは理解されない。

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    2024年10月28日
  • 遊廓と日本人

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    遊郭と言えば最近では人気アニメの舞台にもなる様な、江戸時代や明治時代の異質な雰囲気漂う場所に感じられる。遊郭は江戸時代にできたものではあるが、それ以前から遊女と呼ばれ、世の男性達と交わる事を生業とする女性は存在した。遊郭の起源は豊臣秀吉が各地に点在するその様な女性達の働く店と遊女達を一箇所に集めた事であるが、最初にできたのは天下の台所大阪。時代が徳川政権になると現在の東京である江戸、日本橋人形町辺りに大規模な遊郭が形成されていく。遊女・遊郭と言えば夜の床を共にするイメージが強く出るが、実際には当時の女性達の中でも高い教養と知識、三味線や唄など芸能、当然ながら筆をとり文章も書ける存在として、現代

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    2024年06月01日
  • 遊廓と日本人

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    遊郭は日本の文化を作りました。喜多川歌麿や蔦屋重三郎などがここから誕生は非常に興味深いです。誰もがもっている遊女のイメージ。実際のところどうだったがわかりました。

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    2022年03月30日
  • 遊廓と日本人

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    以前から興味のあった分野だったので読んでみた。

    前知識は多少あったものの、詳しい遊郭の成り立ちであったり、芸者な一面だったりが見れて面白かった。特に遊郭が廃れていく歴史は全く知らなかったのでつい唸ってしまった。気づくの遅くない?!って思った。井戸の中の蛙状態だったのかなぁ。

    あと歌舞伎とは切っても切れない関係みたいで、さらに興味が増した。著者によって見方・考え方に差が出てきそうだなと思ったので、もっと色々読んでみたいと思う。

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    2022年03月22日
  • 遊廓と日本人

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    鬼滅の刃の放送でも「子供に説明できない」と、疎まれる遊郭。炭治郎のいる大正時代ならそうかもしれない。でも江戸時代には、文化人がこぞって足を運ぶ、格式高い社交場があったという。光と闇が混ざり合う、白黒つけられない存在で、いいじゃないか。

    ※※※※※
    ■ Before(本の選定理由)
    遊郭が江戸の文化発展に寄与したって?
    何故そんなことを言えるのか、気になった。

    ■ 気づき
    遊郭は、歌の文化、もてなしの文化、文芸にも影響を及ぼした。トップ層だけの話だが、そんな時代もあった。食事が芸術を言えるのと同様、欲求を昇華した匣が、遊郭という存在だったと思う。

    ■ Todo
    印象だけで毛嫌いしない。でも

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    2022年03月19日
  • 遊廓と日本人

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに
    第1章吉原遊郭の誕生
    第2章遊郭とはどういう場所か
    第3章遊女とはどんな人たちか?
    第4章男女の色道と吉原文化
    第5章吉原遊郭の365日
    第6章近代以降の吉原遊郭
    終章遊郭をどう語り継ぐべきか
    おわりに

    芝居、芸事のスタート地点でもあった、吉原。

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    2022年02月10日
  • 遊廓と日本人

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    江戸の捕物帳、人情もの等々に出てくる色街の裏表について整理して書いてあるのだが、いちいち説明されなくても知ってたよ〜、というぐあいに読めてしまったのが驚きというか、時代小説の効能とでもいうか…

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    2022年02月07日
  • 遊廓と日本人

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    ●なぜ読んだか
    →遊廓というものがどんな場所なのか、
    遊女とはどんな女性たちだったのか気になったから。

    ●感想
    →遊廓とはどんな場所でどんな遊女たちがどんな理由で働いているのかを知れた。歴史には疎いため少々聞きなれない用語が多く何度も読んでしまう部分もあったが、大まかに遊廓というものを知りたい人にはいいと思う。

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    2022年01月13日
  • 遊廓と日本人

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    遊郭と聞くと煌びやかで雅やかで不夜城って呼ばれる現代のネオン街よりもっと格式の高い大人の遊び場って言うイメージがあったが、ジェンダーの観点や歴史的な目線で見ると色々違うものが見えて来て面白いかった。途中ダレてきたけど、まとめが良かった。歌舞伎に女性は禁止って言うのは知っていたが、元々は女性のみでやっていたと聞いて、過激になっちゃったんやろぉなぁ、と想像してみた。

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    2021年12月27日
  • 遊廓と日本人

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    <目次>
    はじめに
    第1章   吉原遊郭の誕生
    第2章   遊郭とはどのような場所か?
    第3章   遊女はどんな人たちか?
    第4章   男女の「色道」と吉原文化
    第5章   吉原遊郭の三六五日
    第6章   近代以降の吉原遊郭
    終章    遊郭をどう語り継ぐべきか

    <内容>
    この時期に田中優子がなぜ?だったのだが、中世から江戸初期は、「遊女」は売春よりも芸能に重きがあり、様々な日本の芸能のルーツになっている(歌・楽器・踊り・工芸品・服・化粧など)ことだ。むろん、ジェンダー論から見ても必要な所はあるのだろう。ただこの本は興味本位ではなく、微に入り細に入りではなく、本筋をサーっと流す感じ。歴史上の

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    2021年11月06日
  • 春画のからくり

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    日本で本格的に春画研究が始まった90年代後半〜2001年にかけて書かれた春画論。

    本論に入る前の「江戸はトランス・ジェンダー」という若衆論が、日本の男性アイドル観のようで面白かった。「男にとっても女にとっても、若衆は自分と同じ性をもっていて、しかも非現実的な存在だった。男にとっては女の生々しさがなく、女にとっては男のむさくるしさがない。この世の者ではないかのような浮遊した存在なのである」。肝心の春画紹介では若衆は一、二枚しか出てこず残念。
    日本のポルノである春画は(というか浮世絵全体だと思うが)、服飾芸術と強く結びついてハイコンテクストな世界を作っていた。それは文学においても同じで、のちの鏡

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    2020年09月13日
  • 春画のからくり

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    近世の見立て絵を理解するための読書。春画であっても時代の美意識を理解していないと読み解けない。それもやはり、源氏から脈々と続く伝統の上に成り立っている。「隠すー見せる」の関係性や着物の生地や柄に対するこだわりなどなど。深い世界だなぁ。

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    2020年06月03日
  • 春画のからくり

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    日曜朝のTV番組「サンデーモーニング」に準レギュラーとして登場している田中優子先生、の著作。

    田中先生は法政大学の教授で、「江戸学」の権威。この4月からは、なんと総長になられるらしい。

    めっぽう、和服がお似合いになる。
    江戸学の人だものそりゃあね、と言ってしまえばそれまでだが、そもそも和服が似合う体型(超なで肩)だからこそ江戸を目指したのかも、なんてTVで拝見するたびに下世話な想像をしてしまう。

    で、この本。春画考である。
    あの方がこのような本を…と思うと下世話がさらに下ぶれしそうな雲行きになるが、いたって真面目な本である。

    大英博物館で春画のワークショップが開催されたところから話は

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    2019年06月20日