松原耕二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレコソボの紛争地で支援をしているNGO職員の男女の恋愛小説。
フィクションなのに、ノンフィクションのような、
圧倒的展開に引き込まれます。
自分も関心がある、人道支援。
その現地での支援の厳しさ、難しさ、暴力の連鎖。
…
飢餓や貧困、戦争といった問題はあまりに大きすぎて、
考えれば考える程途方にくれてしまう。
でもぼくらの仕事は、大聖堂をたてるようなもの。
サクラダ・ファミリアのように、自分たちが死ぬまでに建物が完成することがないと知っている。絶対に。
それでも彼らはやめない。毎日、レンガをひとつひとつ、積み重ねていく。
僕らの仕事も同じだ。それでも続けるのは、それが正しいことと知っているか -
Posted by ブクログ
情報過多な現在において、どうやってメディアと向き合っていけばいいのか?というような本。フェイクニュースのあふれる昨今、本質を見極めるには、みたいな。
もともとテレビの中の人のようなので、ハッキリとは言わないがネットにはちょっと懐疑的な意見が見え隠れしてるような。とはいえ、絶対的にテレビ寄り、とまではいってない感じ。
個人的には、今、テレビの方が全然信用ないけど、ネットは自分に都合の良い情報だけを拾ってしまうというのは、確かにその通りだなと思う、
トランプ大統領や、いろんな戦争、東京MXテレビの「ニュース女子」の件も出てきて、なかなか興味深かった。
「メディアを使いこなす」という考え方には賛成 -
Posted by ブクログ
ドライブ感溢れる小説だけど、決して軽くはない。著者は現役のTBSのキャスター。自身の経験をベースに魑魅魍魎が跋扈する報道の現場を描く。主人公は在東のテレビ局に勤務する敏腕記者。20年前の現役大臣へのインタビューで蹉跌を踏む。それはインタビュアーとしての矜恃がさせたものとは言え、相手を袋小路に導き、そこから呻きにも似た本音を引き出す「官能」さに嵌まってしまい、大臣を辞任へと追い込む。首魁を挙げた快感は微塵もなく、インタビュー直後には茫然自失に陥る。その報いとして、かけがえのないものを喪う。以後、長き彷徨を経て再生していく物語。エピローグは圧巻。天職を得たことによる悲劇。また、その悲劇を救うのも天