松原耕二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレフィクションとしてではなく、ノンフィクションとして読みたかったなぁと感じた。本書は小説なんだけど、ノンフィクションなのかなぁと思えるくらい情景やお国事情がリアル。
というのも著者である松原さんの奥さんが国連で勤めていたこともあって、国連やNGOでの課題、コソボ紛争やコンゴ動乱などを目の当たりにしたからだ。
だから、本書を読んで、コンゴやコソボについてパソコンで調べたし、いくつか本も読もうと思っている。
そういう意味ではよかったんだけど、読み物としてはすこし物足りないかなぁという感じ。結末もなんとなく読めたし、ジャンの過去もそこまで驚きを隠せなかったわけではなかった。
とりあえず時間を置 -
Posted by ブクログ
佐藤優氏の「インテリジェンス人生相談」WEB版コラムに本書が引用されていた
ので、手に取った。
分量としては多くなく、読みやすい。(私は一日で読み終えた。)
読後は気持ちが重くなった。
ただ、佐藤優氏が引用していた、ジャンの仕事に対する考え方は胸を打つ。
主人公の仕事は利益とは別だと思っていたが、ビジネスになるということを知
り、驚いた。
(そういえば、ビル・ゲイツ氏はビジネスにならない分野の支援をしていると朝
日新聞のインタビューで見た気がする。)
コンゴのような無政府国家にはどのように支援していくべきなのだろうか。
世界から貧困がなくなる日はくるのだろうか。
個人的な考えを述べると、貧困 -
Posted by ブクログ
コソボでの人道支援のNGO活動を通じて出会ったフランス人・ジャンと日本人・さゆり。彼・彼女が見た現場の最前線をフィクションながらも鮮やかに描く。難民キャンプに運ぶ食糧の紐付の件(ex.ドナー国が学校給食用と指定すれば、自由に使うことが出来ない)や中央(NY)と現場(コンゴ)の対比などは、月と太陽の様でなるほど、と思う。メモ。(1)「ここを出ろ、そして生きろ」(2)月は記憶に似ている。明るい光の中では存在する忘れてしまうのに、暗闇の中にいると驚くほど鮮やかだ。(3)誰もが大聖堂の最終的な姿を見ないまま死ぬだろう。それでも続けるのはなぜか。それが正しいことだと知っているからだ。