寺脇研のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
監督を語ること、女優を語ることはすでに随分なされているため、それ以外に絞った本とのこと。
筆者の年齢的にも黄金時代がリアルタイムではなかったためか、ロマンポルノ後半に対する記述が多く、また誰もが認める名作に対しての記述が少ない。
リアルタイムを全く経験していなく、そしてその時代と作品と監督を知りたい自分からすれば少しずらされているイメージ。
ただし、根岸吉太郎以降にも当然名監督・名作品は存在するため、それらに目をひらかせてくれた点で読む価値はあった。
また、ロマンポルノ後半中心の本と言ったが、70年代前半のキネマ旬報・映画芸術におけるランキング状況をかなり詳細に、それこそ誰が評価したか -
Posted by ブクログ
著者の文科省の風土に対する愛情が滲み出ている本といえる。当然ともいえる文部科学省と国立大学の関係を痛いほど知ることができた。国立大は「『家族的』」に様々な施策でかわいがられている。国立大学はいくつものゲタを履かせられているので、家族が痛い目に会うことは絶対に放置しない。
他方、私立大学が同じ土俵でまとも勝負してもかなわないことは歴然となる。しかしここからが頭の使いどころなのだなと思う次第。
ただ著者のいう「夜の酒」(p.153)や、カラオケとタンバリンの時代はいつまで続くのだろうか。また、休憩時間や終業後の行事(p.184)もたいへんそうだ。終業後の残業は残業手当頭打ち(いくら残業しても予 -
Posted by ブクログ
28年奉職した古巣ということで,かなり贔屓目に書かれてる。戦前からの歴史に簡単に触れた後,在職中に経験した改革が詳しい。日教組や教育委員会との関係や,臨教審に基づく事業メンテナンス官庁から政策官庁への脱皮,2001年1月の科技庁との統合による変化などが現場の雰囲気を交えて描かれる。
後半は,ちょっと鼻につく。あまり読者の共感を得られそうにない文科省の「吏道」とか伝統とかキャリアとノンキャリの連帯とかの記述が続く。「三流官庁」,「御殿女中」と言われてきた僻みからなのか,文部省絶賛といった感じ。統合による職場文化の変容を寂しく思っているようだ。著者くらいの年代だと,そんなものかもしれないが,いくら