井波律子のレビュー一覧
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井波律子氏の訳注で読む劉義慶撰『世説新語』。『世説新語』は1,120条のエピソードが後漢末から東晋末にかけて集められ、5世紀の中頃書かれた。これらのエピソードをそれぞれ原文、訓読、注釈、口語訳、解説をほどこしたもの。
全5巻のうち本巻は、徳行第一、言語第二、政事第三からなる。
徳行第一
(一)後漢末の清流派知識人の人物批評ではじまる。資治通鑑で党錮の禁を読んで知っていた陳蕃も陳仲挙として最初に出てくる。「言為士則 行為世範 登車攬轡 有澄清天下之志」となるとべた褒めです。
言語第二
(五)は孔融が曹操の逆鱗に触れ逮捕処刑されたときのエピソード。二人の幼い息子の助命を嘆願する孔融に対し、子 -
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中国は、実におもしろい国だ。
これだけたくさんの人がおれば、また、
変わった人がたくさん生まれてくることだろう。
いわゆる「贅沢」ということを基準にして
中国の歴史をみるならば、
人生の生き方も明らかになることだろう。
皇帝、貴族、商人、宦官という階層での
贅沢を分析していくと、
その形態が大きく違ってくる。
皇帝は、権力を持つがゆえに、
財力を費やしても自分の野望をとげていく。
それと引き替えに、国さえ滅ぼしてしまう。
殷王朝(BC1700年からBC1100年)の
第30代 紂は、酒池肉林をおこなう。
それは、質ではなく、量であった。
秦の始皇帝(BC259年からBC210年)
成り -
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白川静先生の「孔子伝」の読後、なんとなくモヤモヤしたものがあり、論語について読み返すことにした。つまり、孔子先生の理想のイメージが判らなくなったということ。
もっとも論語を読んだのは、40年前に中学の週1回のクラブ活動。
孔子伝のお蔭で、論語の成立には孔子死後のかなり後から付け加えられている条もあることを知り、また全体像が知りたくなったが、読み通す根性もないので、適当な入門書を探すことにしたわけ。
孔子伝では論語の基礎は、孔子の放浪につき従った顔回と孔子の家をその死後も守った子貢にあるとしている。本書は孔子と子路、子貢、顔回を中心に紹介されている。それ以外では孟子につながる曾子、荀子に繋がる -
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[ 内容 ]
中国四千年の歴史のなかに生起する数々の名場面。
そこには名君、暴君、英雄、詩人、はたまた美女たちが入り乱れ、多くの含蓄ある言葉が生まれました。
覆水盆に返らず、背水の陣、井のなかの蛙、登龍門…。
それら珠玉の言葉は古びることなく、今もわたしたちの生活のなかに息づいています。
故事成句をキーワードにたどる、ものがたり中国史。
[ 目次 ]
第1章 「覆水盆に返らず」―名君と暴君の時代
第2章 「呉越同舟」―乱世の生きざま
第3章 「水清ければ魚棲まず」―統一王朝の出現
第4章 「破竹の勢い」―英雄・豪傑の時代
第5章 「春眠暁を覚えず」―大詩人のえがく世
第6章 「山中の賊を破る