【感想・ネタバレ】世説新語 1のレビュー

あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

乱世が生んだ中国的レトリックの精華。後漢末(2世紀末)から東晋末(5世紀初)、「清談」が流行し、竹林の七賢が現れる。エピソードの集積による、魏晋の貴族の機智あふれる逸話集。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

井波律子氏の訳注で読む劉義慶撰『世説新語』。『世説新語』は1,120条のエピソードが後漢末から東晋末にかけて集められ、5世紀の中頃書かれた。これらのエピソードをそれぞれ原文、訓読、注釈、口語訳、解説をほどこしたもの。

全5巻のうち本巻は、徳行第一、言語第二、政事第三からなる。

徳行第一
(一)後漢末の清流派知識人の人物批評ではじまる。資治通鑑で党錮の禁を読んで知っていた陳蕃も陳仲挙として最初に出てくる。「言為士則 行為世範 登車攬轡 有澄清天下之志」となるとべた褒めです。

言語第二
(五)は孔融が曹操の逆鱗に触れ逮捕処刑されたときのエピソード。二人の幼い息子の助命を嘆願する孔融に対し、子供達が冷静に反駁する。「お父さん、どうしてひっくりかえった巣の下に、つぶれない卵などありましよか」。

政事第三
(二三)謝安が行政責任者だったとき、逃亡した兵士や人夫が岸辺に並んでいた船にその多くが隠れた。捜索したいと願い出たものを許可せず、「若し此の輩を容置せざれば、何を以って京都(けいと)為らん(たらん)」と鷹揚たる態度を示した。

エピソードはいつの時代にもつきものだけど、井波氏の博識によりコンテクストが分かって読むとさらに感慨深い。

0
2014年01月28日

「小説」ランキング