円満字二郎のレビュー一覧
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言葉や文字って面白い。故事来歴はもっと面白い。漢字に限って言えば、じっと眺めていて想像します。この漢字はこういう感じかしら。いやいやそんなことよりもっと深いものでした。
まず目次から
1 食べる漢字と飲む漢字
2 体育会系の漢字たち
3 漢字で見る夢のいろいろ
4 理数の国の漢字たち
5 漢和辞典的人生訓
6 ニュースの漢字、気になる漢字
7 季節はめぐり、漢字はうつろう
8 漢和辞典編集者の悩み
私は子供の頃祖父母がいた山の中で育ちましたので、年上の叔父たちの教科書や読み古した本や、屋根裏にある、枚数が少し足りなくなって散らかった百人一首の札、古くなった雑誌や本を読んでいました。 -
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これは眼から鱗。「ぶつぶつ」「どきどき」といった和語の擬態語はなじみ深いけど,中国から伝わってきた漢語の擬態語もあって,日本人も長い間親しんできたんだよという話。
漢字は表意文字で,字自体が意味をもつという固定観念があったので,今まで意識したことがなかったが,漢語に擬態語があるのはまったく自然で,何の不思議もない。説得力のある一冊。
「堂々」「丁寧」「揶揄」といった,漢字の意味だけからは解釈しきれない言葉で,音をリズムよく重ねることで何らかの状態を現す言葉が漢字の擬態語と言える。「堂々」は同じ音が続く畳語,「丁寧」は終り方を重ねた畳韻語,「揶揄」は始りを重ねた双声語で,和語の擬態語も,「う -
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温かい 触れて感じる、人柄や雰囲気
暖かい 感覚的な暖かさ
暑い 気温や室温が高い
熱い 気温室温以外、感情が高ぶる
厚い 奥行きや高さがある、中身が豊か、心がこもっている
篤 病気が重い危篤、ひたむき篤志
足 短い
脚 長い
元 ほとんどの場合
基 土台や根拠であることをはっきりさせたい(基礎基盤
本 全体を成り立たせる重要なぶぶんであることをはっきりさせたい(本質本体
素 原材料はっきりさせたい(素材画素
許 あるもののすぐそば(耳許枕許
全部? あるものの近くの低いところやあるもの自体の低いところ
下 影響を受ける範囲
耐える 苦しみに負けない
堪える 苦しみを乗り越える
納め -
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ネタバレ四字熟語を元に、返り点や句形など漢文の基本に触れた漢文入門書。分かりやすいし、取り上げられている四字熟語は有名なものから「城狐社鼠」「南郭濫吹」など知らないものまであって、面白かった。句形の基本形にサ変の「せ」を加えると混乱しがちなんだよなぁとか思うところはあるけど、かといって「しむは未然形接続だからここは未然形で…」とかいうとそれはそれで古典文法の知識が必要になるから、一般向けの新書としてはこれくらいが分かりやすいかなぁ、と偉そうに思うなど。麻姑掻痒の、仙女の爪が鳥の爪みたいだったのを見て背中を掻くのによさそう、とか思ってしまう仙人が人間味があって面白い。孫の手、はもともと、麻姑の手、だった
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この本めちゃくちゃ面白くない???????日本の古典文学が好きで、古典を真に理解するには中国の古典からやらねば…漢文勉強しないと…と思いつつ、漢文てハードル高そうだよなあ…と尻込みしていたわたしにとって、救世主のような本だった。
四字熟語の元となった話をベースに、漢文の基礎となる文法を学べる。当たり前だけどめちゃくちゃ忘れてたよね!レ点くらいしか覚えてなかった。でもあくまでも文法はおまけみたいな感じで、ストーリーを紹介してくれるのがめちゃくちゃ面白い!漢文の文法書?って結構取っ付きにくい本が多いイメージだから、本書はわかりやすいしイメージつきやすくてとっても良かったな…
おそらく文法の基礎の -
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著者も「おわりに」で言っているように、漢文を学ぶための「“教材“ではなく、内容的にも読む価値がある”本物の文章“を通じて学習を進めていく(p211)」ことをコンセプトにした漢文入門。訓点のついた原文が、本当に初心者にちょうどいいくらいの難易度と量でとってもよい。
有名無名の四字熟語を例に、元となった故事を説明する合間合間で、決め台詞となる部分が原文で出される。ちょっと漢文に触れた感もあって、特別、漢文の専門家になりたいわけではないけれど、漢文に触れたい人にとっては、内容もわかって満足感もある。個人的には、「画竜点睛」の龍が飛び立つシーンが、漢文で引かれているところが好き。
須臾雷電破壁、両 -
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漢字が伝来してから、現在のように日本語を書くための文字の形になるまでの歴史を書いた本。取り上げられる漢字にまつわる一つひとつの知識は、中学校までに習うようなものだけれども、そうした漢字にまつわる出来事が、どのように日本の中で受け入れられていったのかを丁寧に説明しているところが面白かった。
この本の中では、繰り返し漢字という文字が、中国語を書くための文字だったことを強調される。それ自体、当たり前のことじゃないかと思うが、だとしたら、中国語を知らなかった日本の人々は、どのようにしてそうした文字の意味を知り日本語として読んだり書いたりできるようになったのか。第1章では、この問題について、全く言葉の -
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円満字さんのファンなので、はじめは前にも読んだことある内容だなあと思いながら読んだ。
中学生向けの本だから、わかりやすいよう、とっつきやすいよう、文体にも気を配って書かれている。
しかし、簡単で知ってることばかりだったかというとそんなことは全くなく、通読すると、やっぱり「なるほど!」と思うことが多かった。さすが。
国語の教科書に書いてあるようなこと(漢字のできかた:象形・指示・会意・形声、二字熟語の構造:修飾語タイプ・目的語タイプ・類義語タイプ・対義語タイプなど)の説明もスッキリとわかりやすく、面白い。
私が一番面白かったのは、なぜ同音異義語(こうしょう、など)が多いのかというところ(そのメリ -
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以前、この人の本を一冊読んだと思う。
『漢和辞典に訊け』だったかな。
その時以来、気になっていた疑問が本書で解決した。
「円満字」さん、というお名前は本名なのか?という疑問だ。
漢和辞典編集者、ということは、会社員の立場がある人として、あえてペンネームなのか、とも思っていたから。
それで、今回分かったのは、これが本名といえば本名だったこと。
「本名といえば」なのは、戸籍名としては旧字体だからだそうで、まあ、その字面の迫力と言ったら。
本書の最後の方にこの話が出てくるのだけれど、いろいろインパクトがありすぎて、そこまでの本の内容が吹っ飛んでしまったほど。
本書は、一字を取り上げ、見開き2ペー -
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ネタバレ書くのは正直面倒くさいけど、漢字を読むのはすごく好き。
読み方、意味だけではなく、成り立ちというストーリーがあるのが素晴らしいと思う。
さすが表意文字。
表音文字ならこうはいかない。
ただ、この本を病室のベッドで読んでいて、しみじみ年を感じてしまったのは、画数の多い似たような文字の違いがなかなか分からなくなっていたこと。
目を近づけたり遠ざけたりしながら、間違い探しのように文字の違いを探す。…しんどい。
漢字好きは若いうちの趣味なのかもしれない…なんてね。
日ごろ漢和辞典を使うのは、目にした漢字の読み方や意味を調べるとき。
しかし著者は「こんな意味の漢字はあるかな?」と調べものをしている様