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Posted by ブクログ
編集者として高校教科書や辞書の編纂に携わった著者がお気に入りの古典『列子』を語ったもの。
列子はいわゆる老荘思想の一派ですが、内容が雑多で荘子の焼き直しエピソードが目立つことなどから決してメインストリームの思想ではありません。エピソード性が高く、高校漢文の「杞憂」「朝三暮四」などの出典となっています。(これに限らず高校漢文では、たとえ話のエピソード部分のみが取り上げられて本論は語られません)
しかし、それゆえに自由な面もあり、完璧なお師匠ではない列子の姿があれこれ語られます。これもまた老荘的態度といえましょう。
○私たちはときに、"逆説"というひねくれたものごとの見方をして、そこに、"人生の真実"を発見したような気になって、満足してしまうことがあります。しかし、列子さんに言わせるとそれではまだまだ甘いのでしょう。
"常識"をひっくり返すというのは、"常識"にまだとらわれている証拠なのですから。"常識にとらわれるな"をさらにひねって、"常識にとらわれるな、という考え方にもとらわれるな"というのです。列子さんは"ひねくれ者"ではありますが、"ひねくれ方"に念が入っているのです。
○老荘思想では、"自然のまま"であることを尊びますから、"意識して何かをする"ことを嫌います。その立場からすれば、"天を楽しみ命を知る"なんて意識してやっているうちは、まだまだダメなのです。
"まわりは気にしないで、自分にできることだけをやればよい"と力み返っていると、かえって雑音に惑わされかねません。よけいな意識は持たないで自然のままに生きることこそが、"天を楽しみ命を知る"ことなのだ、というのです。
Posted by ブクログ
円満字二郎(えんまじ じろう)『ひねくれ古典『列子』を読む』(新潮選書、2014年)
著者の名前がひねくれていると思った。
本選書は諸子百家の一人である「列子」の紹介本だ。20話の白文、読み下しに著者の解説からなる。
我々は「杞憂」とか知っているようで知らない。教科書に載らない続きの話が面白い。そうだったのかというわけである。
そうして列子をもっと読もうとすると、ご親切にも参考文献を載せているのだが、高価だったり重版未定で入手しにくいのである。
このあたりは、本のタイトルのようだ。面白いぞ、と煽っておいて、でも手に入りにくいぞといっている。出版界へのアピールと受け止めたい。
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