円満字二郎のレビュー一覧

  • 政治家はなぜ「粛々」を好むのか―漢字の擬態語あれこれ―

    Posted by ブクログ

    「漢字の擬態語」って何だ? と思いますが、まさに漢字で書かれている擬態語のこと。擬態語というと、ひらがな、かたかなで書くイメージですが、確かに中国では漢字で書くしかない訳です。
    「粛々」は一例として、中国で擬態語として使われていたであろう言葉が日本に伝わり、漢字のまま擬態語になったり、あるいはそれが変化して行ったりということを解き明かしていきます。
    本書のテーマからは外れますが、「粛々」の使用例を新聞DBで検索すると、近年非常に多いそうですが、それは政治家が好むだけではなくて、メディアがそのまま書くからじゃないかなあ、なんて気もするのですが…
    ともあれ、なかなか好きなカテゴリーの本です。

    0
    2011年12月28日
  • 漢字が日本語になるまで ――音読み・訓読みはなぜ生まれたのか?

    Posted by ブクログ

    漢字に興味を持った子ども向け。
    文体が易しいので興味があれば小学校高学年から読める。
    大人が読んで、漢字練習に嫌気がさした子どもに豆知識として教えてあげるのも良いと思う。

    0
    2024年02月12日
  • 漢字が日本語になるまで ――音読み・訓読みはなぜ生まれたのか?

    Posted by ブクログ

    言葉の成り立ちには興味あり。言葉遣いには一家言、みたいなスタンスでいたい。それにしても、”こうしょう”。カウとかコウとか、シヤウとかシヨウとかセウとか。現代語での発音は同じでも、古語とか中国語にすると、それぞれ違ったものになるんですね!そんな目で辞典を引いてこなかったから、正直目から鱗でした。こういう新たな知識が嬉しいですわな。

    0
    2022年10月11日
  • ひねくれ古典『列子』を読む

    Posted by ブクログ

    あべこべ病、孔子の憂鬱、心臓移植(人格の入れ替え)、ウィンクをするロボットなど、妙ちきりんな話がたくさん。
    ひねくれた論法などに道家の流れを汲んでいるのが感じられる。

    0
    2022年04月19日
  • ひねくれ古典『列子』を読む

    Posted by ブクログ

    老荘思想についてや書物の成り立ち等も書かれているが、基本的には著者の読書感想文。列子という思想家の本に触れる入門書としてはいいかもしれないが、この本ではそれほど思想の内容に触れることはできない。

    0
    2017年10月07日
  • ひねくれ古典『列子』を読む

    Posted by ブクログ

    編集者として高校教科書や辞書の編纂に携わった著者がお気に入りの古典『列子』を語ったもの。

    列子はいわゆる老荘思想の一派ですが、内容が雑多で荘子の焼き直しエピソードが目立つことなどから決してメインストリームの思想ではありません。エピソード性が高く、高校漢文の「杞憂」「朝三暮四」などの出典となっています。(これに限らず高校漢文では、たとえ話のエピソード部分のみが取り上げられて本論は語られません)
    しかし、それゆえに自由な面もあり、完璧なお師匠ではない列子の姿があれこれ語られます。これもまた老荘的態度といえましょう。


    ○私たちはときに、"逆説"というひねくれたものごとの見方

    0
    2014年11月23日
  • ひねくれ古典『列子』を読む

    Posted by ブクログ

    円満字二郎(えんまじ じろう)『ひねくれ古典『列子』を読む』(新潮選書、2014年)

    著者の名前がひねくれていると思った。

    本選書は諸子百家の一人である「列子」の紹介本だ。20話の白文、読み下しに著者の解説からなる。

    我々は「杞憂」とか知っているようで知らない。教科書に載らない続きの話が面白い。そうだったのかというわけである。

    そうして列子をもっと読もうとすると、ご親切にも参考文献を載せているのだが、高価だったり重版未定で入手しにくいのである。

    このあたりは、本のタイトルのようだ。面白いぞ、と煽っておいて、でも手に入りにくいぞといっている。出版界へのアピールと受け止めたい。

    0
    2014年09月11日