松下和則のレビュー一覧
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フランス文学者の鹿島茂先生が述べますように、この作品は序盤は本当に読んでいて苦しい展開です。
ユゴーは話の本筋になかなか入ってくれないのです。これは『レ・ミゼラブル』でもそうでした。
ですが、この苦しい展開を超えると怒涛のごとく物語が進んでいきます。
中盤以降はもう止まりません。『レ・ミゼラブル』もものすごく面白い作品でしたがこの作品も負けていません。
強烈な個性を持つキャラクターたちとノートルダム大聖堂を中心にして動いていくストーリー。
特に終盤のノートルダム大聖堂での戦いはまるでハリウッド映画そのもの。縦横無尽にカメラが動く迫力あるシーンを見ているかのようです。
この作品はあま -
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ネタバレノートルダムの鐘で知られる原作。
アニメとは話が異なるらしい。
今まで、読んだことも映画やアニメで見たこともないので、完全に初めて。
読みやすい。
ヴィクトル・ユーゴーは、『レ・ミゼラブル』の小説を読んだり映画で観たことがあるだけで、本書は2作目。
どちらも余談が長いが、建築と印刷の解説はしつこく同じことが繰り返して言っているけど、なかなか面白かった。
昔は建築で主張を残したが、今は印刷になった!…というようなことを長々とあれやこれやと書いている。
カジモドの鞭打ち刑は悲惨。
海外ドラマの『アウトランダー』でジェイミーが鞭打ちされるシーンを思い出した。
このドラマの鞭打ちは、かなり -
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ああ無情(レミゼラブル)は面白かったからノートルダムもディズニーでアニメ化されてるし面白いんじゃないかなって思ってたんですが。
なんと1章まるまるパリの建物や情景を描くのに使っていて驚きました。印刷技術の発達についても。
下巻を読み始めてから思いますが、様々な有名建築を描いてくれることで(知ってるのがノートルダムぐらいだった)ノートルダムの時代のパリを想像しつつ話を読み進められますね。あくまで私の想像は京都で、ノートルダム=京都タワー的な感じですが。
あと、今までは石に刻むことが1番情報を残していたが、印刷出来るようになってからもっと手軽に残るようになった。そして色々な表現が自由になり新た -
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邪恋やら暴動やら、そして可憐な乙女の運命。
フランス版時代物、大ロマン小説。
ジプシーゆえに魔女狩りというのか、死刑を宣告されるエスメラルダ。その美しい娘はストーカー的に恋する中年の聖職者に追いかけられ、死刑から救ってくれた醜い背むし男にも純愛をささげられるが、娘は娘でちゃらんぽらん美男に恋焦がれるその行き違いの皮肉さ、どうしようもなさ。
まあまあと、笑って楽しめたはずなんだけど、今は悠長に物語をたどっていく気がしないリアルの世界情勢。従って感想も何がなし滞ってしまってた。
悪夢を見ているようだ、いえ、現実がフィクションを超えてしまった。
人間の文明はどこに向かうのだろうか!
この『ノ -
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上巻の街並みなどの景観説明が必要だったのかが最後まで分からなかった。
僕には必要ない駄文としか思えない。
それに比べると下巻の物語の展開は凄まじく、面白い。
フロロの鬼気迫る台詞は読む者を圧倒する。
この物語には本当の悪人は出て来ない。
精々、フェビュスの人間性に難が有るが時代背景や自分の恵まれた環境を考えれば仕方ない。
なのに、皆が不幸になる。
エスメラルダの母親の一生はなんだったのか?
カジモトはフロロに育てて貰うより、捨て子のまま死ぬ方が良かったのではないか?
このような酷い仕打ちを受けなければならないのか、遣り切れない嫌な後味が残る。
人を愛する事は罪なのか?己の欲望を叶えようとする事 -
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劇団四季の予習として。
ディズニーでは「勇敢なフィーバスとかっこよくて美しいエスメラルダの愛」「フロロはただの悪者」のように描かれているけど、実際は卑怯でずるがしこい色男のフィーバス、弱くてわがままで他人に依存的、未熟なエスメラルダ。そりゃ16歳だもんな。わかってはいるが、女としては好きになれない。ディズニーのエスメラルダ程強くてすばしっこいわけでもないし。フロロの苦悩も人間らしい。カジモド、エスメラルダのこと「見た目さえ良ければいいのか!」と言ってるがそれはカジモドもフィーバスも同じなんじゃないかと。
ディズニーは大衆・子供向きで、劇団四季はまだ原作に近い。カジモドも、ディズニーは弱い存 -
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ネタバレ全く内容知らずに読んだのだけど…
どうなるんだろう?!と。
大丈夫だよね?って。
レ・ミゼラブルは救いがあったものね…
って読み終わったら、完全に悲劇やん!
誰も助からないという。ハムレット かよ。
冤罪は多かったとのこと、ひどい世の中だ。
エスメラルダ、フェビュス殺しで絞首刑。
フェブュス、司教補佐クロード・フロロに刺されたけど生きていた。それなのにエスメラルダの刑が確定しているし面倒なので放置したクソ野郎。
それなのに、エスメラルダはわかっておらず、最後まで愛していた純粋おバカさん。
おこもりさんは、エスメラルダの母親だった。最後に再会するけど、母親は頭を打って死ぬ。
司教補佐 -
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ノートルダム聖堂が火事になった時に、『ノートルダムのせむし男』というタイトルで、子供時代に読んだ記憶があり、原作を読み直したいと思っていました。
『レ・ミゼラブル』もそうなんですが、ユゴーは知識豊富で物語の合間に、地理的説明や歴史やはては建築学、印刷機の発明など、薀蓄を滔々と述べる部分が、読み進むのにしんどいです。19世紀文学の特徴ですね。
その19世紀から300年さかのぼった、つまり、15世紀のパリを鳥瞰にしたり、ノートル=ダムの建築学的説明や、当時のパリ市政・人事関係や、また一般民衆の風俗や暮らしの仕組みなど、微に入り細を穿つ記述でありまして、なおややこしく感じるのです。
そんな合間 -
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子供の頃からホラー映画の傑作の一つと認識していたが、NHKの「100分で名著」を観て、人間の業や欲望の醜さを、まざまざと見せてくる人間模様が面白そうと思い読み始めた。
ところが、カジモトやエスメラルダやフロロの話がなかなか始まらない(汗)。
観光ガイドのようなノートルダム寺院とパリの景観の説明が長すぎるのが辛かった。
ユゴーの歴史的価値の有る建築物への強い想いは十二分に伝わって来たけどね。
私のような者には、建築が印刷に駆逐されると言う論理も、いまいち理解出来なかった。なんで??
ドロドロの醜い人間模様が本格的に語られる下巻に期待したい。 -
購入済み
電子書籍なのに
物語は面白いので問題はないが、電子書籍版についていくつか不満な点がある。
(1)電子書籍なのに、目次が設定されていない。
目次のページには第1編・第2編とあるのみで、その中の章は記載されていない。
たぶん親本がそうなっていると思われるが、電子化するときに目次の設定くらい
してもよいのではないか。
(2)原註が一切ない。
ユゴーによる原註があるはずなのだが、それらが一切ない。原註も本文の一部な
のだから載せるべき(親本に原註がないとは考えにくい)。
(3)そもそも親本の記載がない。
この電子書籍の親本が不明。どの版の訳を使用したのか、テクスト