松下和則のレビュー一覧

  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    フランス文学者の鹿島茂先生が述べますように、この作品は序盤は本当に読んでいて苦しい展開です。

    ユゴーは話の本筋になかなか入ってくれないのです。これは『レ・ミゼラブル』でもそうでした。

    ですが、この苦しい展開を超えると怒涛のごとく物語が進んでいきます。

    中盤以降はもう止まりません。『レ・ミゼラブル』もものすごく面白い作品でしたがこの作品も負けていません。

    強烈な個性を持つキャラクターたちとノートルダム大聖堂を中心にして動いていくストーリー。

    特に終盤のノートルダム大聖堂での戦いはまるでハリウッド映画そのもの。縦横無尽にカメラが動く迫力あるシーンを見ているかのようです。

    この作品はあま

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    2024年08月14日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    (上下巻)アニメやミュージカルにもなった「ノートルダムの鐘」の原作。舞台は1482年のパリ。醜い鐘番のカジモド、ジプシーの踊り子エスメラルダ、司教補佐のクロード・フロロ等の宿命に翻弄される人生が描かれる。なかなか本筋に入らず、建築や歴史、風習などの蘊蓄が続き挫折しそうにもなった。共感度0%のクロード・フロロですが、エスメラルダに対する狂気的な愛憎、聖職者としての苦悩には引きつけられその表現には背筋がゾッとした。下巻の後半部分はホラー小説を読んでいるような気分になった。

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    2024年03月12日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    ネタバレ

    醜いが純粋に人を愛するカジモド。聖職者でありながら肉欲に狂わされるフロロー。一途で美貌を持つも卑しい身分のジプシー。地位も美貌も兼ね備えているのに女癖が悪いファビュス…誰一人として欠点のない人物は現れない。そして、望むものを得られた者も誰もいない。それだからこそ、極限状態の人間の感情が生々しく伝わってきて、怒涛の人間ドラマに圧倒され、下巻は一気に読んでしまった。
    上巻の建物や街の描写にくじけてしまった人も、どうか、下巻までたどり着いて欲しい。これほどまで時間を忘れてページをめくる手が止まらなかった本に出会えてとても幸せだ。

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    2019年12月10日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    ネタバレ

    ノートルダムの鐘で知られる原作。
    アニメとは話が異なるらしい。
    今まで、読んだことも映画やアニメで見たこともないので、完全に初めて。

    読みやすい。

    ヴィクトル・ユーゴーは、『レ・ミゼラブル』の小説を読んだり映画で観たことがあるだけで、本書は2作目。

    どちらも余談が長いが、建築と印刷の解説はしつこく同じことが繰り返して言っているけど、なかなか面白かった。

    昔は建築で主張を残したが、今は印刷になった!…というようなことを長々とあれやこれやと書いている。

    カジモドの鞭打ち刑は悲惨。

    海外ドラマの『アウトランダー』でジェイミーが鞭打ちされるシーンを思い出した。
    このドラマの鞭打ちは、かなり

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    2019年07月20日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    ネタバレ

    ユゴーらしく、比喩や時代背景の説明が多くなかなか物語が進まなかったが後半に来てコロコロと物語が動きだし興味を引き付けられる。

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    2017年03月26日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    ああ無情(レミゼラブル)は面白かったからノートルダムもディズニーでアニメ化されてるし面白いんじゃないかなって思ってたんですが。

    なんと1章まるまるパリの建物や情景を描くのに使っていて驚きました。印刷技術の発達についても。
    下巻を読み始めてから思いますが、様々な有名建築を描いてくれることで(知ってるのがノートルダムぐらいだった)ノートルダムの時代のパリを想像しつつ話を読み進められますね。あくまで私の想像は京都で、ノートルダム=京都タワー的な感じですが。

    あと、今までは石に刻むことが1番情報を残していたが、印刷出来るようになってからもっと手軽に残るようになった。そして色々な表現が自由になり新た

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    2016年12月10日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    邪恋やら暴動やら、そして可憐な乙女の運命。
    フランス版時代物、大ロマン小説。

    ジプシーゆえに魔女狩りというのか、死刑を宣告されるエスメラルダ。その美しい娘はストーカー的に恋する中年の聖職者に追いかけられ、死刑から救ってくれた醜い背むし男にも純愛をささげられるが、娘は娘でちゃらんぽらん美男に恋焦がれるその行き違いの皮肉さ、どうしようもなさ。

    まあまあと、笑って楽しめたはずなんだけど、今は悠長に物語をたどっていく気がしないリアルの世界情勢。従って感想も何がなし滞ってしまってた。

    悪夢を見ているようだ、いえ、現実がフィクションを超えてしまった。
    人間の文明はどこに向かうのだろうか!

    この『ノ

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    2022年03月28日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    上巻の街並みなどの景観説明が必要だったのかが最後まで分からなかった。
    僕には必要ない駄文としか思えない。
    それに比べると下巻の物語の展開は凄まじく、面白い。
    フロロの鬼気迫る台詞は読む者を圧倒する。
    この物語には本当の悪人は出て来ない。
    精々、フェビュスの人間性に難が有るが時代背景や自分の恵まれた環境を考えれば仕方ない。
    なのに、皆が不幸になる。
    エスメラルダの母親の一生はなんだったのか?
    カジモトはフロロに育てて貰うより、捨て子のまま死ぬ方が良かったのではないか?
    このような酷い仕打ちを受けなければならないのか、遣り切れない嫌な後味が残る。
    人を愛する事は罪なのか?己の欲望を叶えようとする事

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    2021年03月03日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    劇団四季の予習として。

    ディズニーでは「勇敢なフィーバスとかっこよくて美しいエスメラルダの愛」「フロロはただの悪者」のように描かれているけど、実際は卑怯でずるがしこい色男のフィーバス、弱くてわがままで他人に依存的、未熟なエスメラルダ。そりゃ16歳だもんな。わかってはいるが、女としては好きになれない。ディズニーのエスメラルダ程強くてすばしっこいわけでもないし。フロロの苦悩も人間らしい。カジモド、エスメラルダのこと「見た目さえ良ければいいのか!」と言ってるがそれはカジモドもフィーバスも同じなんじゃないかと。

    ディズニーは大衆・子供向きで、劇団四季はまだ原作に近い。カジモドも、ディズニーは弱い存

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    2020年01月21日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    ネタバレ

    全く内容知らずに読んだのだけど…

    どうなるんだろう?!と。
    大丈夫だよね?って。
    レ・ミゼラブルは救いがあったものね…

    って読み終わったら、完全に悲劇やん!

    誰も助からないという。ハムレット かよ。

    冤罪は多かったとのこと、ひどい世の中だ。


    エスメラルダ、フェビュス殺しで絞首刑。
    フェブュス、司教補佐クロード・フロロに刺されたけど生きていた。それなのにエスメラルダの刑が確定しているし面倒なので放置したクソ野郎。
    それなのに、エスメラルダはわかっておらず、最後まで愛していた純粋おバカさん。
    おこもりさんは、エスメラルダの母親だった。最後に再会するけど、母親は頭を打って死ぬ。
    司教補佐

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    2019年08月18日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    やはりユゴー…レミゼラブルと同様にロマンありつつ現実的なところで話が終わる。
    上巻と違ってどんどんストーリーが進むので途中、展開を予想して読み進めたくなかったです。オチまでは読めませんでしたが、悲しいお話だけどリアルな話だったんでしょうかね…。

    どうでもいいですが、私の中で赤毛のアンに続いて長ゼリフを書かせたらすごい人にランクインしました。

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    2016年12月12日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    ディテールすぎる部分は真剣に読むと辛くなるなと思ったので、濃淡をつけながら読むと意外と楽しく読めた。(ユゴー自身、だらだら書いちゃったけどつまり…とサマリーをつけてくれていたのが可愛らしかったw)エスメラルダがグランゴワールを助けるシーンはワンピースばりのドキドキ・臨場感を感じめちゃくちゃ惹き込まれて、そこがあったから上巻は頑張れた。改築に対するお気持ち表明は、いつの時代も同じ議論がされるものだとクスッとしてしまった。

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    2023年01月07日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    ノートルダム聖堂が火事になった時に、『ノートルダムのせむし男』というタイトルで、子供時代に読んだ記憶があり、原作を読み直したいと思っていました。

    『レ・ミゼラブル』もそうなんですが、ユゴーは知識豊富で物語の合間に、地理的説明や歴史やはては建築学、印刷機の発明など、薀蓄を滔々と述べる部分が、読み進むのにしんどいです。19世紀文学の特徴ですね。

    その19世紀から300年さかのぼった、つまり、15世紀のパリを鳥瞰にしたり、ノートル=ダムの建築学的説明や、当時のパリ市政・人事関係や、また一般民衆の風俗や暮らしの仕組みなど、微に入り細を穿つ記述でありまして、なおややこしく感じるのです。

    そんな合間

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    2022年02月25日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    子供の頃からホラー映画の傑作の一つと認識していたが、NHKの「100分で名著」を観て、人間の業や欲望の醜さを、まざまざと見せてくる人間模様が面白そうと思い読み始めた。
    ところが、カジモトやエスメラルダやフロロの話がなかなか始まらない(汗)。
    観光ガイドのようなノートルダム寺院とパリの景観の説明が長すぎるのが辛かった。
    ユゴーの歴史的価値の有る建築物への強い想いは十二分に伝わって来たけどね。

    私のような者には、建築が印刷に駆逐されると言う論理も、いまいち理解出来なかった。なんで??

    ドロドロの醜い人間模様が本格的に語られる下巻に期待したい。

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    2021年02月21日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    映画、劇団四季のストーリーが好き過ぎて原作に手をつけたのですが…
    難しい、本当に難しい。
    全然関係無い話が多過ぎる、それが逆にいいのだろうけど僕には難しかった笑

    100ページくらいして、ようやくエスメラルダが出てくるので、そこまでは我慢。
    にしても原作ここまで内容が違うとは。
    映画と違いを確かめられながらなんとか読み進められました。

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    2020年06月16日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    建築が思想を語った時代から、グーテンベルク以降の印刷術が建築学を席巻したというこらしい。
    ストーリー展開の合間にユゴーの哲学、思想がちりばめられている。

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    2018年05月09日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    退屈極まりなかった上巻とは違って、一気にドラマチックになって、最後は救いのない怒涛の展開に。ミュージカルを観る前に読み終わって良かった。

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    2017年02月02日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 下

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    気分悪い。

    登場人物すべて考えが足りない。レ・ミゼラブルより救いがない。

    それでもなお、ディズニー等の二次作品において、この世界観を崩してほしくはない。本作品はこれで完成している。手を加えるのは侮辱だ。

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    2017年01月08日
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上

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    たまたま書店で見つけて購入。レ・ミゼラブルは既読だが、それに比べると、まだ荒い印象を受ける。

    とりあえず総合的な感想は、下巻を読み終わってからにします。

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    2016年12月11日
  • ノートルダム・ド・パリ(上)

    購入済み

    電子書籍なのに

    物語は面白いので問題はないが、電子書籍版についていくつか不満な点がある。
    (1)電子書籍なのに、目次が設定されていない。
       目次のページには第1編・第2編とあるのみで、その中の章は記載されていない。
       たぶん親本がそうなっていると思われるが、電子化するときに目次の設定くらい
       してもよいのではないか。
    (2)原註が一切ない。
       ユゴーによる原註があるはずなのだが、それらが一切ない。原註も本文の一部な
       のだから載せるべき(親本に原註がないとは考えにくい)。
    (3)そもそも親本の記載がない。
       この電子書籍の親本が不明。どの版の訳を使用したのか、テクスト

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    2017年05月20日