篠原慎のレビュー一覧

  • 戦争の犬たち(下)

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    1970年初頭、動乱のアフリカ大陸を舞台にした傑作傭兵譚。過酷な独裁者が治める失敗国家ザンガロ。資源も出ない筈だったこの小国に、膨大なプラチナの鉱脈があることを突き止めた英国の採掘企業はその強欲さを剥き出しにし、狂信的な独裁者を実力で排除して傀儡の後釜を据え採掘権の独占を図るべく、手練の傭兵シャノンにクーデター計画を持ちかける。「銀行や現金輸送車を襲うのはただの強盗だが、一国をひっくり返すのはまた別のものだ」と嘯くマンソン卿。本編の9割を埋める緻密な計画と準備、湧き上がるイレギュラーに淡々と対処していく傭兵達。そして赤土のアフリカに流れ続ける血と涙、理不尽と服従の歴史を見つめ続けて来た傭兵シャ

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    2025年09月15日
  • 戦争の犬たち(下)

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    ネタバレ

    買ってはいたものの、今まで読んでませんでした。読まず嫌いはいけませんね。最後のツイストは『悪魔の選択』を思い出させます。面白かったなー。

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    2024年06月08日
  • 戦争の犬たち(上)

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    ネタバレ

    <上下巻を通してのレビュー>

    プラチナ採掘権独占を企むマンソン社の会長ジェームズ卿は、新興国ザンガロの独裁大統領を廃すべく、五人の「戦争のプロ」を送り込んだ。消えゆく外人部隊のロマンを謳いあげる雄渾の巨編!


    傭兵を取り上げた一作です。
    100日間で準備からすべてを含めて、独裁者が恐怖政治を行っている国を乗っ取るのです。
    華々しい部分はほんの1割で、その他は綿密な計画や準備などに費やすプロの傭兵の仕事ぶりが伝わってきます。
    殺し屋とは決して違う傭兵たち。リーダーのシャノンがまたカッコいいのです。
    徹底した調査と準備と、そして仲間に対する絶対的な信頼。
    その傭兵をうまく使おうとして、裏をかか

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    2019年09月29日
  • オデッサ・ファイル

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    ”オデッサ”とは、ナチス親衛隊(SS)のメンバーの救済を目的とする秘密組織のことである。
    ルポライター、ペーター・ミラーをオデッサと結びつけたのは、老ユダヤ人が遺した一冊の日記だった。それによればリガの殺人鬼と異名をとったナチ収容所長、ロシュマンは、今もドイツに生きているという。
    日記のある箇所がミラーの注意を惹いた。彼は憑かれたようにロシュマンの追跡を始めた。だが、それはタブーへの挑戦であり、組織の手はしだいにミラーの身辺に及び始めた…。


    奥が深くて、必ずしもラストに読者をスッキリさせる類の本ではないのですが、ペーター・ミラーを通して、SSのメンバーを追い詰めていくストーリーです。
    ヒト

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    2019年03月29日
  • 諜報員アシェンデン

    nao

    購入済み

    面白かったです。
    えっこれで終わり⁈っていう終わり方ですが。
    できれば続編を読みたいですが叶わないのが本当に残念。
    女性のお化粧の仕方とか怖いくらい細かく書いてあって、男の人なのによく見てるなーと興味深かったです。

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    2018年07月17日
  • オデッサ・ファイル

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    ケネディ暗殺のニュースから始まって、ユダヤ系ドイツ人の老人の自殺、その日記のあたりでかなり凹んでしばらく放置してたけど、面白い。60年代が舞台で70年代初めに書かれた小説らしいけど、テンポがよくてさすが名作と言われる社会派ミステリー。実話や実際の人物も多くて、どこからどこまでが本当なのか、よくわからないが、ドイツの抱えていた戦後問題がかなりよくわかる。社会問題、差別問題、戦争、狂気、世界的に見て結局は同じような問題がまた起こるし、起こっているし、力のある者が生き永らえ、民がそのツケを払わされる、と言う矛盾に気付く者は、ことが終わってもどこの国でも少ないのかなあ、と感じた。

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    2016年05月08日
  • 戦争の犬たち(上)

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    フォーサイスの問題小説。本書は、著者自身が傭兵を雇って、赤道ギニア共和国の独裁政権を倒そうとしたことを下敷きに書かれたという噂があるだ。この噂が真実味を帯びるのは本書のディテイルの細かさに他ならない。ぐいぐいと読み手を引き込んでいく。フォーサイスの傑作。

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    2013年04月04日
  • 戦争の犬たち(下)

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    中央アフリカの独裁政権を倒すべく様々な備品や武器を調達するべくヨーロッパ各地に散った傭兵仲間。彼らは着々と用意を整える様子は、特にディテイルが書き込まれており、圧巻である。フォーサイス自身が画策した作戦を彷彿させる展開にどんどん引き込まれる。

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    2013年04月04日
  • オデッサ・ファイル

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    オデッサを執拗に追う主人公の動機に曖昧さを感じるも、ラストで納得。
    やはり個人の恨みがなによりも強い。

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    2012年08月15日
  • オデッサ・ファイル

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    数あるフォーサイスの作品の中で、個人的にはトップクラスに好きなもののひとつである。ドキュメンタリー的な迫力では「ジャッカルの日」に及ばず、スケールの大きさでは「悪魔の選択」 にはかなわない。現代的なトピックスとしてなら「神の拳」等が上だろうし、作品としての余韻ならむしろ短編を勧めたい。

    もちろん、ナチスドイツの戦争犯罪の話は、今読んでも褪せることのない迫力で迫ってくる。冒頭の日記は胸がしめつけられるようだし、途中明らかになってくるさまざまな「事実」には事実ならではの説得力があり、怒りで胸が苦しくなる。ラストに近い主人公と敵役の言葉による対決シーンは、単なる小説の世界を超えた力を持つ名シーンだ

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    2011年07月09日
  • 戦争の犬たち(下)

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    初めてこの本を読んで、十数年後
    まさか、自分がプラチナの取引をするとは思わなかった。
    初めて読んだ頃は、漠然としたイメージだったが、今思えばアフリカの小国どころの話じゃなくなってると思う。
    やはり、当時 そんなイメージを持ったフォーサイスはすげぇ作家だと思う。

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    2009年10月04日
  • 戦争の犬たち(上)

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    読むべき!!!
    中学生の頃? 兄のプレイボーイ(日本語版)の洋画紹介にのってたかな。
    それ読んだら、面白くてその後 アフリカ各国の独立についてや、ベルギーについて興味を持ったきっかけになった。

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    2010年10月25日
  • オデッサ・ファイル

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    高校の時に読んだ本 フレドリック・フォーサイスの小説の中では一番好きです。ナチスの親衛隊を追い詰めていくのはスリルがあって最高です。 自分的には主人公の彼女がストリッパーってのがちょっと。。。。でした。

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    2009年10月04日
  • オデッサ・ファイル

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    戦後のナチスの秘密組織という大きな背景を持つ問題に一人で切りかかる勇敢な記者の手に汗握るサスペンス。

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    2009年10月04日
  • 戦争の犬たち(上)

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    この本はお金で雇われる傭兵が主人公のストーリーです。イラクで死亡した傭兵・斉藤さんの事が読む終わるまで頭から離れませんでした。
    そして、傭兵とは?という部分でお金だけではこの仕事は出来ないのではないか?とも感じました。彼らは戦っていない人生なんて、ありえないのではないか?とも。
    戦える事自体が生きているって感じられる事なのかなぁ・・と。

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    2009年10月07日
  • オデッサ・ファイル

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    最後の最後でストーリーをど〜〜んと上げてしまうような展開。
    何冊か、彼の本を読んだけど最初の書き出しの頃から、わざと抑えて書いてるのかな?
    それを狙っているのかな。
    私は、彼の本で泣いてしまいました。
    海外作家の方は、風景や建物、周りの景色や感情など、とっても詳細に情景を書くみたいです。
    そうすると、読んでる最中に映画で画像を見ているか?の様な感覚になるから好き。
    オデッサ(ナチス親衛隊)のメンバーをなぜ?そこまで執拗に追いかけるのか?
    最期の最期に判明する場面が今でも、心に焼き付いています。
    この場面で、涙が止まりませんでした。

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    2009年10月07日
  • オデッサ・ファイル

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    フリーのルポライター・ミラー。取材力を生かして収容所の所長として悪行の限りを尽くしたSS大尉ロシュマンを追ううち、SS隊員を支援する組織オデッサに、イスラエル諜報機関の陰の協力により、潜入に成功。しかし、潜入も早々にミラーの不注意により、その正体は露見しオデッサの処刑人に追われることになるのだが……間一髪のところで追及をするりとかわす。オデッサの詰めも甘い。ハリウッド映画のようだ(笑)。それでもミラーがロシュマンに迫る描写に惹き込また。ミラーの動機が、自殺したユダヤ人の手記の中に伏線としてあった!

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    2025年06月21日
  • オデッサ・ファイル

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    1972年の世界である・・フォーサイスの視点、執筆は何処までが事実でどこからがフィクションか混然となっていることは重要なキーポイント。

    当時、アルツハイマーになって行った亡き父が「こんな面白い小説はない」と絶賛しており、20歳台で読んだ記憶がある・・がちんぷんかんぷんで私の孫綱頭では分析、玩味不可だった痛い記憶がある。
    今、読み返し「今年最高の読んだ本」になかにランク☆
    ページターナーと化した。

    21Cに入り、化学的分析も加わり、ナチス追及の手は再び鋭くなっているとか・・出版も相次いでいる。
    作品内の文に在るように「SSという特定の存在は独国民全体有罪論の陰に身を隠している。RSHA内の2

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    2022年06月15日
  • 戦争の犬たち(下)

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    資本主義が 国家相手にクーデターまで画策し、実施するまで。これがフィクションのようで、半ばフィクションでないのが恐ろしい。戦闘シーンより、それに至るまでが9割を占めている構成が秀逸。

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    2017年09月23日
  • オデッサ・ファイル

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    一人の青年ルポライターが戦後のナチスドイツの親衛隊の救済組織に鋭く迫っていく。モサドやユダヤ人側の訴追組織の思惑が複雑に絡む中、中核へと一歩一歩近づく程に高まるスリルは本書の醍醐味である。

    後年のフォーサイスの作品と比較するとプロットの緻密さにおいてはやや欠けるが補って余りあるテーマの深みがある。

    1972年当時、本書に記載・言及されている内容は、後日、事実として報道されたことが多い。この小説が当時の事実を超える真実を多く語っていると当時の読者が感じたことは想像に難くなく、このジャンルでの卓越した作者の才には感服する。

    主題となるナチスドイツの親衛隊は、血の団結力を誇り、優秀な人材を取り

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    2013年08月15日