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シャノンはジェームズ卿の依頼を引き受け、名うての傭兵4人を集める。武器弾薬、輸送船等、襲撃に要する一切を地下ルートに通じて調達すべく、“戦いの犬”たちはヨーロッパ各地に散った。シャノンはジェームズ卿の娘に近づき、計画の目的を探り出すことに成功。その時から、アフリカをこよなく愛するシャノンの胸のうちには、卿の意図とは異なる、ひそかな野望が芽生えはじめていた。 ※この電子書籍は1981年に刊行された文庫に、新たに校正を加えた形で電子版のみ発売。
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Posted by ブクログ
1970年初頭、動乱のアフリカ大陸を舞台にした傑作傭兵譚。過酷な独裁者が治める失敗国家ザンガロ。資源も出ない筈だったこの小国に、膨大なプラチナの鉱脈があることを突き止めた英国の採掘企業はその強欲さを剥き出しにし、狂信的な独裁者を実力で排除して傀儡の後釜を据え採掘権の独占を図るべく、手練の傭兵シャノン...続きを読むにクーデター計画を持ちかける。「銀行や現金輸送車を襲うのはただの強盗だが、一国をひっくり返すのはまた別のものだ」と嘯くマンソン卿。本編の9割を埋める緻密な計画と準備、湧き上がるイレギュラーに淡々と対処していく傭兵達。そして赤土のアフリカに流れ続ける血と涙、理不尽と服従の歴史を見つめ続けて来た傭兵シャノンがとった選択とは。 「俺は戦いに行くかどうか、どこで戦うか、どちらの側に立って戦うか、を自分で決めるんだ。誰にも動かされない。政治家が、体制が俺たち傭兵を憎むのは、そのためさ。連中が俺たちを憎むのは、俺たちを支配できないからさ。俺たちが連中の命令を受けようとしないからさ。俺たちは、連中が「撃て」という相手を撃たず、「はじめろ」と言われた時に始めず、「やめろ」と言われた時にやめない。だから俺たちは無法者呼ばわりされるんだ。俺たちは契約によって戦う。どの契約を取るかは自分で決めるんだ」
中央アフリカの独裁政権を倒すべく様々な備品や武器を調達するべくヨーロッパ各地に散った傭兵仲間。彼らは着々と用意を整える様子は、特にディテイルが書き込まれており、圧巻である。フォーサイス自身が画策した作戦を彷彿させる展開にどんどん引き込まれる。
初めてこの本を読んで、十数年後 まさか、自分がプラチナの取引をするとは思わなかった。 初めて読んだ頃は、漠然としたイメージだったが、今思えばアフリカの小国どころの話じゃなくなってると思う。 やはり、当時 そんなイメージを持ったフォーサイスはすげぇ作家だと思う。
資本主義が 国家相手にクーデターまで画策し、実施するまで。これがフィクションのようで、半ばフィクションでないのが恐ろしい。戦闘シーンより、それに至るまでが9割を占めている構成が秀逸。
買ってはいたものの、今まで読んでませんでした。読まず嫌いはいけませんね。最後のツイストは『悪魔の選択』を思い出させます。面白かったなー。
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