「人生相談」とまとめてしまうと、荒っぽい感じがするので。各対談の表題を。
・動物から人間になる時/谷川徹三
・月征服は人間に幸福をもたらすか/谷川徹三
・日本語のリズムと音/外山滋比古
・「書く」ということ/鮎川信夫
・初対面/鶴見俊輔
・昔の話 今の話/野上弥生子
・いま、家族の肖像を/谷川賢作
谷川俊太郎の、自分が恵まれて育ってきたことへのありがたさと、だからこそ立てない視座があることへの辛さ?が繰り返されていて、驚いた。
父、谷川徹三との対談、息子、谷川賢作との対談から、息子というのは、どこか父とは離れた位置にいる存在なんだなと、ふと感じた。
「人間」と「人類」という言葉の持つニュアンスの違いについて語られた部分が面白い。
「ほんとうは、われわれが人類というほど、かならずしも地球上の人間たちはひとつになっていないにもかかわらず、月へ行くという非常に強烈なドラマチックな事件が起こると、われわれはわざわざ安易に人類というような理想像を持ち出してしまう。
ところが、人間というのは、もっと生々しい観念であって、それこそ人の間であって、自分と妻との関係、自分と友だちとの関係、自分と上役との関係、そういう日常的ないやらしい、それこそ人間的ないやらしい関係全部を含んでいる概念だと思うんですよ」
平等と差異についても。
「結局、つまり、もし人間が人間を平等にしたいんだったら、文化的な差異もね、生活程度の差異も全部なくさなきゃあいけないみたいなことに行きついちゃうわけでしょ。それを社会的制度として認めなきゃいけないとしたら、そんなことはありえないと思う。地獄だと思うんですけどね」
「そういういろんな文化の中で人間がいろんな生活をしていて、なおかつどっちが優れていてどっちが劣っているという視点を持たないでね、自分の精神的な一種の豊かさの中で平等になるっていうのが、いちばん望ましいって気がしてしようがないんですけどね」
これ、1973年に言ってるんだよなー。
すごいな。